表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
佐伯悠馬の恋愛事情  作者: 雪森蓮


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/137

第三部 第二十一話 ~「次、どうする?」と聞かれてしまった~

どう贔屓目に見ても恋愛してない恋愛事情

その問いは、予想よりずっと普通に届いた。


朝。


悠馬は、デスクでメールを確認していた。


仕事の件。

報告。

確認。


(……平和だ)


そう思った矢先、一通だけ毛色の違う通知が目に入る。


――”昨日の相手”。


一瞬、手が止まった。


(……来たか)


深呼吸して、開く。


> 昨日はありがとうございました

>

> 一度お会いして、

> 無理のない形で

> 続けられそうだと感じました

>

> ですので、

> ”次をどうするか、

> 佐伯さんのお考えを

> 聞かせてもらえますか”


短い。

丁寧。

そして、逃げ場を潰さない聞き方。


(……選べ、ってことだな)


だが不思議と、胃は強く反応しなかった。


(……前なら、ここで固まってたな)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


昼。


ノアに、そのまま見せる。


「……来た」


「“次、どうする?”?」


「……そうだ」


ノアは、少しだけ画面を眺めてから言った。


「圧、ないね」


「……ない」


「でも、逃げ道も作ってない」


「……そうだな」


ノアは、ふっと笑った。


「兄さん、これ」


「……何だ」


「本当に選ばされてない」


悠馬は、その言葉をゆっくり噛みしめる。


(……確かに)


条件は出した。

距離も示した。

事故も起きた。


それでも、相手は“次を決めていない”。


決めるのは、こちら。


(……それなら)


悠馬は、スマホを見つめたまま少し考えた。


(……何をしたい)


結婚を今すぐ決めたいわけではない。

恋愛を急に始めたいわけでもない。


でも。


(……もう一度話すこと自体は)


(……嫌じゃない)


それは、はっきりしていた。


「……ノア」


「なに」


「僕は、前向きに考えてる」


ノアは、一瞬だけ目を見開いて、次に笑った。


「それ、”事件”」


「……そんなにか」


「うん」


即答。


「兄さんが“嫌じゃない”

 じゃなくて“前向き”って言うの」


「……違い、あるのか」


「大あり」


ノアは、指を立てる。


「“嫌じゃない”は受動」


「“前向き”は”能動”」


(……能動)


悠馬は、小さく息を吐いた。


(……確かに)


ーーーーーーーーーーーーーーー

夕方。


悠馬は、返事を書いていた。

今回は、業務メールではない。


……いや、

完全に業務文体が消えたわけではないが。


> ご連絡ありがとうございます

>

> 正直に言うと、

> まだ結論を出せる段階ではありません

>

> ただ、

> もう一度お話しすることについては

> 前向きに考えています

>

> 無理のない形で、

> またお会いできればと思います


打ち終えて、

画面を見つめる。


(……前向き、って書いたな)


不思議と、嫌な感じはしなかった。


「……送る」


ノアが、横で言う。


「今回はドン引きしない」


「……それは進歩か」


送信。


スマホを伏せる。


(……選んだ)


結婚を選んだわけではない。

未来を決めたわけでもない。


ただ、


『「次を持つ」という選択を自分でした。』


それだけだ。


ーーーーーーーーーーーーーーー


夜。


悠馬は、コーヒーを飲んでいた。


砂糖は、二杯。


(三杯じゃなくても大丈夫だな)


ふと、思う。


(……これ、恋愛か?)


すぐに、否定する。


(……いや、まだだ)


しかし。


(……前向き、ではある)


その事実が、少しだけ胸を軽くした。


「……ゆっくりでいい」


独り言。


誰にも急かされていない。

だからこそ、前に進めた。


有能嫁計画・第二フェーズは、確かに続いている。


だが今、その歩幅は”悠馬自身のもの”だった。



AIアシスト作品です。

対人耐性0、恋愛耐性0、人との距離感が終わっている悠馬君のコイバナ?になるんだろうか?な、話です。一応コメディです。たぶん。

前回の「佐伯悠馬は胃が痛い」を読んでいなくてもわかるように頑張ってみました。

一言でもいいので感想をくださるとうれしいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ