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身なりを整えてアラン様の待つ応接間に向かった。
ドアを開けるとアラン様は立ち上がり、
「レオナ、具合はどうだい?ダニエル様に休みと聞いて心配したよ。もう寝ていなくて大丈夫かい?」
「少し朝具合が悪かっただけなので今は平気です。ご心配をおかけして申し訳ございません。」
「明日は学校に行けそうかい?行けそうであれは朝練習ないから迎えに行くよ」
「お兄さまと一緒に行きますから大丈夫ですわ。そこまでご迷惑をおかけ出来ません」
「迷惑なんてないよ。心配だから迎えに行くから一緒に行こう」
「…ありがとうございます…」
アラン様の優しさが嬉しくもあり、心配でもあった。2人でいる姿をまた見られたらアラン様が悪く言われてしまう。
明日はどんな日になるだろうか。
カリーナ様は明日いらっしゃるかしら。
2人に釣り合うような人になれるように努力しなければ…
私はカリーナ様になれないけど、せめて友人として横にいても何も言われないように努力しなければ…
気ばかり張ってなかなか踏み出すことのできない一歩。
殻を破る勇気。
今出来ることを少しずつやっていこう。
翌朝、アラン様が迎えに来てくれた。
いつもは頭の高い位置でひとつ結びをしていたが、今日は髪を上げてみた。
馬車に乗る時、アラン様がエスコートをしてくれた。
馬車の中で「具合は大丈夫かい?」と声をかけてもらい、「大丈夫です」とだけしか話すことなく学校に到着してしまった。
馬車を降りたところでカリーナ様とお会いした。
「昨日学校休んだとアラン様からお聞きしたけれど大丈夫?私、昨日休んでいたから知らなくてごめんね」
「大丈夫です。心配をおかけしました」
「具合が悪くなったらすぐに言ってね!」
「ありがとうございます…」
横を侯爵令嬢が通ったのが目に入り、私は目を伏せた。また何か言われるかもしれない。ただそれだけが怖かった。
アラン様と別れ、カリーナ様と教室へ向かった。
「アラン様から昨日休んだことを聞いたのですか?」
「たまたま昨夜お父さまたちと一緒にアラン様もうちにいらしてたの。その時に聞いたの。本当はすぐにお手紙を書こうかと思ったのだけれど、夜遅かったので明日学校いらしたらお話しようと思っていたの」
「そうでしたか。ご心配をおかけしました」
「昨日アラン様から心配だから明日朝迎えに行くと聞いていたのでアラン様が一緒なら安心だと思ったのよ」
カリーナ様とアラン様がたまたま会っていたとしてもカリーナ様と本当は婚約したかったんじゃないかと思ってしまう。
そんな自分が嫌だ。
拙い文章を読んでいただきありがとうございます。




