2月14日
2回目と同じ様に第2地球が現れた直後に、使節団員が現れた。
案の定、未だに火種が残る教会へ。
コレは敢えての誘導、そしてマサコへ接触させる事にも成功した。
そして周回を重ねたお陰か、彼らの言語が単語なら理解出来る様になり、エナも居るお陰で解析はかなり早い段階で済むかも知れない。
「休憩にして貰うか」
『そうですね』
「コレを配ってるんだが、嫌なら他の物を食ってくれ」
『あ、可愛いチョコですね、ありがとうございます』
食い物に釣られる気配は無いが、甘い匂いには釣られるだろう、ついでに買った紅茶も出させるか。
「お返しはいらんからな」
『あの、お化粧品を頂いてしまったので、私もお化粧品か何かをお返しをしたいんですけど』
「あぁ、アレは化粧も何もしないんだ、気にするな」
『あ、そうなんですね』
良い大人なのに、お化粧しないんだ。
何か理由が有って出来ないのかな、しないのかな。
「もし気になるなら、食い物だろうな」
『こう、髪飾りとかって』
「あぁ、今は同じ物ばかりだな」
あぁ、良い大人なのに気にしないなんて、どうしてだろう。
『そう気にしないでいられる何か、自信が有るんでしょうか』
「いや、まぁ、厄災が終わってから買うつもりなんだろう」
『あぁ、成程ですね』
きっと凄く、しっかりした人なんですね。
タケちゃんから、チョコ。
皆にも配ってるらしく、アレクも箱を持ってニヤニヤしてんの。
「あげる、ビター好きでしょ」
「まぁ、好きですけど、君が食いなさいよ」
「貰ったもんを好きにしても良いじゃんか」
「じゃあ交換な」
『私も』
馬鹿みたいに凄い色々入ってるヤツを貰ったから、別に良いんだけど。
皆ビターくれるの、有り難い。
「ショナはどんなん貰った?」
「あ、コレは」
2個、誰かにあげるのか。
アレか、マキさんか。
「ぉ、おぉ、うん、頑張れ」
「え、あ、はい」
あぁ、お似合いだものな。
渡せないまま、寝る時間になってしまった。
《お主なぁ、童貞じゃからって拗れるのも大概にせぬか馬鹿者め。アレは完全に誤解しておるぞ、あの大使館員に渡すんじゃろ、と》
「え、え?」
『男性体の反応を気にして尋ねたでしょ、大丈夫かって』
《それをお主があの女に反応するから心配したんじゃろ、とな》
『ハナも自信が無い子なんだから、誤解されたく無かったら渡した方が良いよ』
《じゃが今更なんじゃよなぁ》
「どう言う事ですか?」
『最悪は、渡し損ねたか受け取って貰えなかったから、自分に渡して来たんじゃないのか。とか思いそう』
「そんな、そんなに自信が無いんですか?」
《寧ろどうしたら自信が有る様に見えるんじゃよ》
「自信が有ると言うか、そもそも僕に見向きもして無いと言うか」
『だったら寝顔を観賞しないと思う』
「え?そんな事してるんですか?」
『うん』
《寝て起きて、お主が起きそうになれば我が知らせるでな、最近ハナの寝起きは良いじゃろ》
「そこまで」
『うん、私がイタズラしようとするとマジギレされた』
《ほれ、コレで論拠は充分じゃろう》
「イケメンの、箸休めでは」
《そこ似るとか厄介じゃのぅ》
『渡してみたら分かる筈。遠慮するか、慰める方向で来る筈だから』
渡す機会が無かったのか、勇気が無かったのか。
何でだ、召喚者様だからか?
「アレクを起こしても」
「いえ、桜木さん用に買ったので」
「そ、ん、はい、どうも」
「いえ、ホットミルクに溶かしても良いそうなので、今作りますか?」
「あぁ、いや、今度で、ありがとうございます」
「いえ、おやすみなさい」
「うん、おやすみ」
うん、この際意味はどうでも良い。
ストレージ欲しいな、永久保存の家宝にしよう。
躊躇われた。
やっぱり僕じゃ。
《躊躇ったのは何でじゃと思う》
「僕には気が無いからかと」
『召喚者様だから、くれたのかなって。逆ならそうは思わない?』
「あぁ、確かにそうかも知れませけど」
《初めて貰ったで家宝にするとか言っておるぞ》
「それは、初めて貰ったから家宝にするだけでは」
《ぅう、後ろ向きに全力疾走しおる》
「もっと相応しい人と一緒になるべきだと思うので、コレ以上誂わないで下さい」
『はいはい、今日はもう休もう、おやすみ』




