2月13日
武光さんはテロが実行される現場へ戻る事になったので、蜜仍君以外の従者を動員し、コンスタンティンにも同行して貰う事に。
「宜しくお願いしますね」
《はい》
そして小野坂さんには別の場所で待機して貰い。
武光さんのシャオヘイと意思疎通が若干困難な事以外、問題は無し。
ただ事件が起こる事を待つだけ。
「いやぁ、やっぱり緊張するっすよねぇ」
「そうですね、全く緊張感が無いのも良くない事ですから」
《ふむ、同時に遂行する事に疑念が湧かんとは、実に残念な頭じゃな》
そうして神様達の予想通り、実際に小野坂さんとエミール君、そして武光さんの居る場所が同時刻に襲われる事になった。
ワシとエナさんとクーロンだけが浮島で待機させられていたのだが、無事に解決したと帰って来てくれて、凄くホッとした。
「お疲れ様でした」
「いえいえ、僕らは殆ど何もしてませんから」
「そうっすよ、マジで見てただけっすもん」
「エナさん、本当に?」
『うん』
そもそも其々を同時刻に襲い易い様に誘導し、実際に罠に掛かっただけだ、と。
「アホ過ぎでは」
「それが凄いんすよ。神様を信じる方々も、信じない方々も、天のお導きだとか運命だとかって飛び付いたんすよ。もう何段階か有ったのに、殆ど捕まっちゃったんすよね」
「信じて無い筈なのに、信じてたってか」
「そうなんすよ」
『それだけ巧妙に仕込んでた情報だからなの、何度も何度も疑って、けどもう今しか無いってなったら、目の前のエサに食い付かずにはいられない』
「良く舌を噛まなかったな、よしよし」
『もー、ちゃんと喋れるもん』
「いや少し危ういとこ有ったっすよ」
「ほら」
『まだ赤ちゃんなんだから仕方ないでしょ』
「急に赤ちゃんに戻るんすねぇ」
「ですな、お疲れ様でした」
「うっす」
「いえ、お夕飯はどうしますか?」
「向こうで食べてきなよ、ワシ人数少ない方が楽だから」
「うっす」
「じゃあ、また後で」
「おうよ」
神様に嫉妬するなんて、本当に僕はどうかしてる。
「ショナさん、嫉妬っすか」
「なっ」
「お、当たった、意外と顔に出るってマジだったんすねぇ」
「あぁ、引っ掛けだったんですね」
「今更取り繕っても無駄っすよぅ、いつからなんすか?」
「どうせ無理ですし、忘れて下さい」
「えー、ハーレム嫌なんすか?」
「そうなったとしても、僕が選ばれる事は無いと思うので。お願いします、意識して貰いたく無いんです」
「まぁ、そこは気を付けますけど。どうしてそんなに自信無いんすか?」
「絶対に言いません」
「あ、分かった、童貞とか……やだ、ウソ、ごめんなさい、いや、違くて、すんません、あぁ、怒らないで下さいってばぁ」
「おう、どうした賢人」
「何でも無いですよね?」
「ぅぁはぃ」
選んで貰えるワケが無いんだし、自信が無いかどうかなんて関係無い。
僕には、関係無い事。
あぁ、明日はバレンタインなんだな。
ハナにチョコをヤるべきか。
そうだな、俺のついでにショナ君にも買わせるか。
「ショナ君、少し良いか」
「はい」
百貨店に着いてから、ショナ君はやっと何をしに来たか気付いたらしい。
「妹にやりたいんだが、ココでは本命かどうか物や送り方で変わるのか?」
「あ、いえ、特には無いかと」
「そうか、なら君も買うだろ、妹に」
「あの、その事なんですが、僕を意識して欲しく無いんです」
「妹がお前が良いと言ったらどうする」
「そんなワケは」
「そんなに不安か、だがその話は後はだ。義理ならどれだ?もしちゃんと妹に送るなら、どれにするんだ?」
「選ばれないのに、意識されたく無いんです」
「選ばれるなら良いんだろ、ほれ、複数選んでくれ、その中から俺が選ぶ。じゃないと俺は帰らんぞ」
「その、桜木さんが選びそうなのでも良いですか?」
「おう、勿論だ」
今回は本当に誰かが死ぬかも知れない。
だからこそ、この位の自己満足は許して貰いたいんだが。
本当に、ハナとショナ君だけの未来を選ぶには、狗神か整形しか無いんだろうか。




