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魔王とドールの地下生活②

お久しぶりの投稿です。楽しんでいってね。

 紙とペンはあるか?

 「羽ペンとインクならここに。紙は少し古いものですが、どうぞ」

 よし。まずマナについての基本中の基本は、先ほど言ったから覚えているよな?

 「生物に必要不可欠なもの、です」

 魔族以外は、だがな。マナにも種類があり、火が生み出すマナ、水から作り出されるマナなど、多種多様だ。そしてマナは、操ることができる。

 「前のご主人様がそのような分野についての研究をしていました」

 ふむ、あの骨はそのようなことをしていたにもかかわらず、お前には知識がないのか。

まあ、それはともかく、だ。魔族のような特別な場合を除き、マナは基本的に媒体を通してしか操ることができない。

 「それはどのような媒体でもいいのですか?」

 操るマナの種類による。例えば火のマナは紙で操ると発火してしまう恐れがある。

 今回は紙に陣を描き、簡単に空気中のマナをかき乱してみよう。

 「陣には法則があるのですか?」

 ああ……少し待ってろ……。よし。ドール、この陣を書いた紙に、マナを込めることはできるか?

 「私が取り込んでいるマナをそこに込めろ、ということですか」

 ああそうだ。難しかったら俺がやる。

 「………………感覚が、つかめません」

 ふむ、やはり難しいか。今回は俺がやるが、まあ追い追い覚えていけばいい。マナを放出するときというのは、なにかが体の外へ流れ出る感覚と似ている。その感覚でやれば……。よし。

 「わ……」

 マナを込めることで陣が廻り、その効力を発動させた。今のは空気中のマナをかき乱し、ちょっとした風を起こすものだ。

 「でも、紙が破れてしまいました」

 紙のように薄い媒体では、自らの起こした風程度で壊れてしまう。媒体によっては長期的に使える送風機にもなるぞ。

 「でも、ずっと自分のマナを送り込むのは厳しいかと」

 そこで、媒体に自ら空気中のマナを収集する術式をつける……のが難しいのだ。今日からマナについて徹底的にデータベースに叩き込んでもらう。いいな。

 「かしこまりました」


 人間が吸引するマナは基本的に植物から生成される。人間が道具を用いて操れるマナもだ。人間も、他の生物も生まれた時から自身が吸っているマナでなければ、操れない。

 犬には犬が必要とするマナがあり、猫には猫が必要とするマナがある。

 「魔族も、ですか」

 魔族を除いてだ。そこのところは難しいので省く。

 この地下部屋はいいな。マナについての道具や文書が多くある。お前は読まなかったのか。

 「ご主人様の私物に触れるのは」

 あってはならない、か。

 まあいい。

 俺が落ちた渓谷には運よくマナを生成する植物が自生していた。

 「青い花ですか。バラみたいなものですね」

 名前は……知らん。魔族にはあまり縁のないものでな。

 適当に「ブルーボタニア」でよいだろう。

 「何を根拠に?」

 イタリア語で「植物」という意味らしい。ブルーボタニカルフラワーでもよかったかな。

 「この世界にもイタリアとかあったんですね」

 言うな。こう説明するしかないのだ。今後魔力を生成する植物はボタニアと呼称する。

 青色のボタニアは基本的に水に溶けやすく、多くの水生生物が取り込むマナとなる。

 「魚の種類で必要な種類が変わる事は?」

 生物が必要とするマナは何も一種ごとに一つではない。ちなみに人間は約十種類ほどのマナを必要とする。

 「それは多くの種類のマナを必要とする生物ほど、操れるマナの種類が増えるということですか」

 そういう事だ。

そろそろ説明ばかりしても読者が飽きるので次に進もう。

 先ほど渓谷でとってきたブルーボタニアの花弁をすべて取り、葉もすべて取る。幹は使わん。ドールよ、これを台所の隣にあるその機械に入れろ。

 「これは何ですか?」

 植物の中に残っているマナを液体として取り出すものだ。香水を作る機械の働きに似ている。

 「一つの花ではさすがに足りないと思うのですが」

 試しだ。

 「わ……。中のタンクに意外とたくさんたまっていますね」

 む……俺の知っているものとは仕様が違うようだ。機械の周りのマナが乱れているな。おそらく花の葉や花弁にあるマナを生成する機能を何らかの方法でブーストさせて再現し、マナを作り出しているのだろう。(わかりにくいので花の光合成する機能を無理やりブーストさせて一気に酸素を作り出しているとでも考えてくれ)

 それにしても……多いな。ここらの動物性のマナが三分の一ほど減った。どういう機構をしているんだ。やはり時代と技術がだいぶ進んでいるのだな。

 「……」

 そんなぼうっとした顔をして、どうした。

 「マナが……不足、しています……三日以内にマナを補給しなければ、完全に、機能、停止してしまいます……」

 なるほど。最初からすでにギリギリの状態だったわけか。

 「……」

 お前は人間性のマナを吸引して動くタイプだったのか。そうなるとまずいな。魔族はマナを必要としないうえに排出することもない。

 そうか、お前が機能停止したはずなのに復活できたのは、畑の農作物が排出するごくわずかな動物性マナが溜まったからか。

 ……実験は一旦中止にするか。停止のスイッチはこれか。ポチっとな。

 「……」

 渓谷内に自生しているのは……ほとんど全てが水生生物に必要なマナを排出する植物だ。代用はできないだろう。俺が壁をぶち破ったのはまずかったな。渓谷に溜まった水生生物性マナがそのうち流れ込んでくるだろう。

 「……」

 ……できるかわからんが、魔法を使うか。

お楽しみいただけたでしょうか。それではまた次回。

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