仕様分析3
おっと、アイテムの前に考えておくことがありました。おおまかに言えば「スキル」などです。細かい話ですと次のものです:
Primary: あらゆるキャラクターが、あるいはほぼあらゆるキャラクター
が持ち得るもの
Secondary: あらゆるキャラクターが、あるいはほぼあらゆるキャラクター
が潜在的に持つもの、あるいは潜在的に持ち得るもの
Primary Special: ある種のキャラクターが普通に持ち得るもの
(「スペシャル」と書かれているエンティティ)
Secondary Special: ある種のキャラクターが潜在的に持ち得るもの
(「スペシャル」と書かれているエンティティ)
もしかしたら、 "Primary" は「仕様分析2」において消えているかもしれません。消えてなくても、もちろん構いません。
これらはPC/NPCとどう関わるのでしょうか? その関わりかたの一つとして、先に挙げたこれらがあります:
Terrible: 効果は非常に弱い or 条件やコストは非常に緩い
(使わなくてもいい)
Poor: 効果は弱い or 条件やコストは緩い
Average: 普通にありえる効果 or 普通だと思える条件やコスト
Good: 普通というには強い効果 or 条件やコストはきつい
Great: 普通というにはあまりに強い効果 or 条件やコストは非常にきつい
(使わなくてもいい)
また、「仕様分析2」ではこのように書きました:
Average: 普通にありえる効果 or 普通だと思える条件やコスト
つまり、効果と、条件やコストを同列にしていたわけです。一応、「ど
ちらであるかを決め」とは書いておきましたが。ここに違和感を持って
いた人がいるかもしれません。ここで同列にしていたのは単純な理由で、
「普通にできることがもたらすのは普通の結果だろう」という仮定です。
ここで、「普通にできる」というのはどういう状況でしょうか? また、「普通の結果」とはどういう状況でしょうか? これらは、いわゆる「判定」と、「その効果」に影響します。では、どちらのみに影響するのでしょうか? それとも両方に影響するのでしょうか?
たとえばこういう場合も考えられます:
Great: 条件やコストは非常にきついが (たとえば成功しにくいが)、効
果は絶大
「普通にできることがらがもたらすのは普通の結果だろう」としていましたが、ここで「できやすさ」と「効果」を1つのセルから2つのセルに分けてみましょう。
では、「できやすさ」はどう扱うのがいいでしょうか? 判定での成功のしやすさでしょうか? それとも、「持っていればできるが、そもそもそれの取り易さが違う」という扱いでしょうか? 「できやすさが違う」という場合、判定器に与えるなにかの違いとして表現できるでしょうか、「持っていればできるが、そもそもの取り易さが違う」という場合にはどうするのがいいでしょうか? 取り易さの確率でしょうか? あるいは取る際に必要なポイントでしょうか? あるいは、それが存在するのなら「レベル」やそれに類するものによる制限でしょうか?
「効果」についてはどうでしょうか? その "Primary" 自体のみでの効果でしょうか? 判定結果に対しての加算によるものでしょうか?
ちょっとまとめましょう:
できやすさ:
- 持っていればできる (取り易さが違う)
- 取得のための確率の違い
- 取得のためのポイントの違い
- 取得のためのレベルなどの制限の違い
- 判定への修正などの条件の違い
- 使える状況による制限 (特定の状況・シチュエーションでない
と使えないなど)
効果:
- それ自体での効果
- 判定結果に対する修正
これらのすべての組合わせが原則的には可能です。問題は、「できやすさ」についても「効果」についても、混在を認めるかどうかです。混在は絶対不可というわけではありませんが、普通に混在するとなると、システムの一貫性や理解のしやすさに問題が出るかもしれません。もちろん、混在でなければならないとか、混在の方が売りになるという場合もありますが。
ところで「要求分析4」では、あくまで例としてですが、たとえばとしてこのように挙げていました:
Primary: 能力値
Secondary: スキル
Primary Special: Powers
Secondary Special: GiftsやFlaws
"Primary" は、もしかしたら消えているかもしれませんが、たぶんなにかは残っていると思います。その上で、どれも結局は「持っていないとできない」ものが多いかもしれません。ですが、その取り易さや複数のPC/NPCが同じものを持つことができるかどうかの制約は比較的緩いものです。
それに対して、 "Secondary Special" が 「GiftsやFlaws」であるなら、これは絶対的に「持っていなければどうにもならないもの」でしょうし、複数のPC/NPCが同じものを持つことができるかどうかの制約は厳しいものになるかもしれません。
"Secondary Special" に "Flaws" が含まれるとして、PC/NPC全員が「アルコール中毒」という Flaw を持っていたとしましょう。だいたいのセッションでは、それではGMもPlayerも困るはずです。あるいは、PC/NPC全員が「親が大富豪」という Gift を持っていたとしましょう。これではなんでも親のお金で解決されるかもしれず、やはりだいたいのセッションではGMは困るかもしれず、Playerとしては面白くないかもしれません。そして、PC/NPCの全員が Flaws しか持っていない、あるいは Gifts しか持っていないとなると、PC/NPC間に大きな格差が生まれかねません。
そこで、 "Primary" にせよなんにせよ、これらの「取り易さ」には確率やポイント、レベルなどという条件とは異なる条件があることがわかります。つまり次の二つです:
- PC/NPC間での重複をどの程度認めるか
- 特に取得するFlaws と Gifts のバランス
前者については、「クラス」やそれに類するものを用いる方法もあるかもしれません。あるいは、いわゆる 'Life Path" による方法も取れるかもしれません。また、クラスと Life Path の間になるかと思いますが、「職業」によって制限する方法もあるかもしれません。
後者については、 Flaws のポイントは負の値であり、Giftsのポイントは正の値であるとして、合計は "0" になるようにするなどの方法も考えられますが、それだけではいくらでも Flaws と Gifts を取れるかもしれないので、別のなにかの条件が必要になるでしょう。
次回は、やっと "Item" の話に入ります。




