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第三十七章:闇堕ち

読んでくださってありがとうございます!

リーナが消えた世界は、俺にとって灰色に染まったように感じた。扉の闇が一時的に沈静化したにもかかわらず、その代償として彼女を失った喪失感が胸をえぐるように俺を支配していた。


エリスと勇者が俺に声をかけるが彼女たちの言葉は遠く、何一つ耳に届かない。リーナの最後の微笑みが瞼の裏に焼き付いて離れない。


「守るだと……? 俺が……?」

俺の言葉は震え、どこにも向けられていない怒りと悲しみが混ざり合っていた。地面にこびりつくように座り込んだ俺の拳は、力強く震え続けている。


「管理者さん、しっかりして! リーナのためにも立ち上がらなきゃ!」

エリスが必死に声をかけるが、俺はその声を振り払うように立ち上がった。


「リーナは……俺の計画を信じてくれた。俺を支えるために命を投げ出した。それなのに……。」

俺の瞳には怒りと狂気が宿り始めていた。


「彼女を失ったのは、この世界のせいだ。この世界の不完全さ、この秩序、このくだらない均衡のせいだ……!」

俺の声が高まり、周囲の空気が震える。


その時、扉から再び不気味な声が響いた。

「苦しめ、嘆け、そして俺に屈服しろ。お前の絶望はこの世界を飲み込む力となる。」


その声はまるで俺の内側に直接響き渡るようだった。だが、今の俺にはその声が救いのように感じられた。


「屈服……だと? 違う。俺はこの絶望を力に変える。」

俺は扉に向かって歩み寄り、その表面に手を当てた。


扉の奥から流れ込んでくる闇が俺の体を包み込むように入り込んでくる。だが、俺はその闇を拒絶しなかった。むしろ、自らそれを受け入れる。


「この世界を変えるためならどんな犠牲も受け入れる……リーナの命がその犠牲ならば、俺はそれを無駄にはしない。」

俺の中で理性の薄皮が剥がれ落ちていくのを感じた。


俺の変化にエリスと勇者は明らかに動揺していた。

「管理者さん、あなた……その闇を受け入れるつもりなの?」

エリスが震える声で問いかける。


「闇だろうが光だろうが、どちらもくだらない! 俺が求めるのは力だ。この世界を俺の思い通りに作り替える力。それ以外に何がある?」


勇者が剣を握りしめ、一歩前に出る。

「管理者……そんなことをしてあなた自身を失うつもりなの? あなたが望んでいるのは本当にそんな世界なの?」


俺は彼女の言葉に冷たい笑みを浮かべた。

「お前たちは分かっていない。この世界の不完全さがどれほど無意味な犠牲を生んでいるかをな。俺はこの世界を完全な形に作り替える。それが、リーナの願いでもあったはずだ。」


扉から流れ込む闇の力が俺を完全に包み込む。その瞬間、俺の中で何かが弾けた。


「……分かったぞ。この扉はただの境界ではない。これは世界そのものだ!」

俺の手から闇が広がり、周囲の空気が歪んでいく。


「管理者さん、やめて!」

エリスが俺に向かって手を伸ばすが、その声も、彼女の涙も、今の俺には届かない。


「止めるだと? お前たちの力で俺を止められると思うのか?」

俺の声は低く響き、まるで扉の声と重なるように変わっていく。


周囲の空間がねじれ、闇の力が村全体を包み込もうとしている中、俺は扉の中心に立ち、その力を完全に掌握しつつあった。


「これが……新たな秩序だ。この世界の支配者は俺だ!」


エリスと勇者はその光景に愕然としながらも必死に抵抗しようとしていた。だが、彼女たちの力では今の俺を止めるには程遠い。

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