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「つか藍人はぁ?」
俺達がチョコを食べ始めて30分は経った
もしかしたら帰ったのかもな、なんて考えながら一向に現れない藍人の行方を尋ねる
「今日は先に帰らして貰うってさ。さっきまでそこで爆睡してた」
「だろうなぁ」
目に見えてやつれてたしな、と俺は寝ている藍人を思い浮かべる
…なんか本当無理させたな。明日にでもなんか奢ってやろう
なんてぐらぐらする頭で考えて居ると背中にドンッと何かが負ぶさるような衝撃が走った
そのとき
「…え」
「どうかした?」
「…いやなんでもない」
腹に何かが当たる
体勢を整え恐る恐る視線を下半身に向けると、有り得ないことに気が付いた
なんで、勃ってんの
「てかなーなー藍だけじゃなくて俺にもなんか奢ってよ」
「何でだよ…つか何で俺が藍人になんか奢ってやろうって思ったのバレたんだよ」
「愛の力ってやつ?」
「そんな力は存在しないから」
大体、元を辿れば藍人に無理をさせる羽目になったのはお前のせいだ
蒼海が俺の背中で動く度、腹と中心が布越しに擦れる
…やばい
「あるよ!俺の翠への愛を使えば心さえ読める」
「…そんな愛信じられないな」
つかなんかテンション可笑しくなってきた
「えー」
不満げな声を出しながら、蒼海は更に俺にもたれかかる
やばいやばいやばい
加えて吐息が耳にかかってくすぐったい
「…ん、ちょっと離れろっ」
「…翠?ってうわ」
やば
ちょっと欲情してたの解ったかな
内心バクバクな俺は蒼海を見る