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来るはずの衝撃に耐えるため目を思い切り瞑る
が、背中と尻には思ったほどの衝撃は来ない
恐る恐る目を開ける
「うわわわわわ」
と同時に浮遊感が体を襲う
何これ何で俺浮いてんの
「ちょ…」
「大人しくしてろよな、俺だって相当キてるから暴れると危ない」
急に不安になり蒼海の制服を掴む
下から見上げているあたり、俺は多分今所謂お姫様抱っこをされているわけか…
なんでだよ
「下ろせよ」
「嫌だ。下ろしたら翠一人で抜きに行くだろ」
「当たり前だ」
いい加減諦めろ。つか本当そろそろヤバいって
そう付け足したのに、蒼海は一向に下ろそうとしない
それどころか「よっ」とか言って俺を抱え直すと、仮眠室の方に向かっていこうとする
「ちょマジで勘弁しろよ」
目の前の胸板を叩くが、媚薬かなんかのせいで手に力が入らない
口だけの抵抗じゃ此奴は止められないのに
「つか翠軽過ぎ。ちゃんと食ってんの」
「人並み以上に食ってる。失礼な奴だな」
蒼海は器用に仮眠室のドアを開けるなり、設備されている布団に俺を放った
「…った。くそもっと丁寧に扱【ガチャ】」
…【ガチャ】?
恐る恐る後ろを振り返れば、蒼海がドアに内側から鍵をかけ終わったところだった
「…なんで鍵」
「閉めないと翠逃げるだろ」
「そりゃそうだろ」
「だから鍵」
蒼海が「便利だよな鍵付きの仮眠室。最初は意味ないって思ってたけど」なんて言いながら近寄ってくる
「なあ、マジで一旦落ち着こうぜ」
「俺は今普通に冷静だから」
「どこがだよ」
冷静なやつが同じ男のモノを触りたいと思うかよ
ああ…こいつにとっては同じじゃないんだった
【同じ男のモノ】じゃなくて【好きな奴の】
詰め寄ってくる蒼海に少し恐怖を覚える
友達とかならそんな怖くないんだろうけど、蒼海となれば別だ
今まで10年間、毎日のように一緒に居たけど、こいつのこんな顔は知らない
まるで別人みたいだ




