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寝取られ復讐に行ったら、最悪の能力者探偵と出会った件  作者: 小説書こう


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9/9

ラスト・パレード・プロトコル その一

中学の時、女子の誕生日会に誘われて500円ぐらいの鯨のぬいぐるみを渡したんすけど、5分後にはその子隣の子に「これいる?」ってあげちゃってたんですよ

何が悪かったのかな...

二人は今日、なんとなんと遊園地に来ていた。


 目的は一つ。ついに舞い込んできた、

“探偵らしい仕事”。――不倫調査である。


 現在、ヒューゴとメロルスは観覧車付近のチェアに座り、調査対象の男女を監視していた。


 周囲に溶け込むため、二人とも遊園地仕様になり、 可愛らしい動物カチューシャを装備し、アイスまで食べている。

その光景だけ見れば、完全に仲良し男子二人組だった。


「……なあヒューゴ」


 メロルスが死んだ目で言う。


「なんで俺までこんなダッサい格好しなきゃいけないかねえ」


 頭にはウサギ耳しかも微妙にキラキラしている。


「いやいや、潜入捜査ってのは“馴染む”のが大事なんだって!」


 ヒューゴはクマ耳カチューシャ姿でアイスを食べながら答えた。


「お前、その格好ノリノリじゃねぇか」


「意外と悪くないぞ? 夢の国感あるし」


「ここ夢の国じゃねぇよ」


 するとヒューゴは急に真面目な顔になった。


「それにだなメロルス」


「なんだよ」


「男二人で観覧車見ながらアイス食ってる時点で、もうカチューシャの有無は誤差だ」


「それはそう」


 妙に納得してしまった。その時だった。


「やあ!! 今日は何をしているんだい?」


「うわぁっ!?」


 突然、背後から聞き覚えのある声。


 二人が振り返る。


 そこには。


 爽やかスマイル。無駄に姿勢の良い立ち方。そしてスーツ姿。


 ――カイゼル・エルディオンが立っていた。


「はぁ!? なんでお前がここにいんだよ!?」


 ヒューゴが即座に叫ぶ。


 カイゼルは爽やかに笑った。


「言っただろう?」


「“また来る”ってね!」


「来んなって言っただろ!」


「今日は君を勧誘しに来たんだ!」


「遊園地で!?」


 メロルスが思わずツッコむ。


「空気読め!!」


 だが。


 次の瞬間。


 カイゼルの表情が変わった。


 笑顔のまま。


 だが声だけが冷える。


「……今日、ここで何が起こるか知っててもか?」


「……」


 空気が止まる。


 ヒューゴの目が細くなった。


「……脅してんのか?」


「忠告だよ」


 カイゼルは観覧車を見上げる。


「それはもう、“始まってる”かもしれない」


 その瞬間だった。


 観覧車の頂上付近。閃光。


 直後。


 ドォンッッ!!


 爆発音、巨大な衝撃。


 ゴンドラ付近から煙が吹き出した。


 一瞬遅れて、遊園地中に悲鳴が広がる。


「きゃああああ!!」


「爆発!?!?」


「逃げろォ!!」


 人々がパニックになって走り出す。子供が泣き叫び、スタッフが誘導を始める。非日常が、一瞬で遊園地を呑み込んだ。


「……っ」


 ヒューゴはゆっくり立ち上がる。


 食べ終えたアイスの棒を、つい静かに地面へ落とした。カラン、と乾いた音。その横でカイゼルがため息を吐く。


「……ほらね」


 メロルスが低く言う。


「……どうする、ヒューゴ」


 ヒューゴは煙の上がる観覧車を見つめていた。


 そして。


「決まってんだろ」


 歩き出す。悲鳴と混乱の中心へ。


「依頼も調査も、キッチリ最後までやる」


 その横顔には、いつもの軽薄さは無かった。


「――それが探偵ってもんだ」


 メロルスは小さく笑う。


「……カッコつけやがって」


「うるせぇ。お前も来るんだよ」


「当たり前だろ」


 二人は駆け出す。その背を見送りながら、カイゼルはどこか楽しそうに笑っていた。



カイゼルって絶対イケメンだと思う!

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