第十九話 変貌する悪夢
学年実力序列第二位、アラン・アートノルトには最も得意とする戦い方が存在する。
それは頭脳戦。自身の多彩な手札と知識を活かして、相手に合わせた最適な戦法を編み出して戦うというものだ。
一挙一動に小さな策を組み込んで攻撃することもあれば、長期戦を想定して大掛かりな策を用意することもある。
しかし頭脳戦とは言うほど簡単なものでは無い。多くの要素が求められる。
大前提として、相手のことを知っておく必要がある。相手の能力、得意と不得意、戦い方の癖など。それらを理解していなければ最適な策は編み出せない。少しでも認識にズレがあれば、策は簡単に破られる。
その他にも策を編み出すための『発想力』、発想力を高めるための『知識』、また相手を理解するための『観察力』に、戦闘中でも冷静に思考できるだけの『精神力』など。求められる要素は挙げていけばキリが無い。
それらの条件を満たしてようやく成り立つのが頭脳戦だ。成立すれば相手との実力差すら覆し得る強力な武器となるが、少しでも要素が欠けていれば簡単に瓦解する。
そんな一長一短な戦い方を得意とするのがアラン・アートノルトという聖装士だ。適した策で相手の意表を突き、最大限の結果を得る。
事実彼はその力で強者揃いの学園の中、学年次席にまで昇り詰めた。
そして現在アランはあの黒い怪物と戦っているが、この場合アランはまだ条件を満たしていない。
アランはあの怪物について何も知らない。あの怪物の可能と不可能、肉体の性質屋行動傾向など。それらを知るためにアランはまず怪物を観察することにした。
だが、アランは今怪物が放った大砲撃に直撃して──。
「危っぶね!マジ危ねぇ!どうなってんだあのバケモン!」
──いなかった。上へ跳躍することで砲撃を回避していた。
だが砲撃は消えていない。龍たちが口を少し上に向ければ、砲撃はアランに追いつくだろう。
止まっている暇は無い。とにかく動け。
「《跳躍・風握──結合》──《縦横無尽》」
足を曲げて空気を蹴る。するとアランは足場を蹴ったかの如く高速で一直線に移動した。
高速移動は一度で終わらない。空気を蹴ったり掌で押したりと、その度にアランは方向転換と高速移動を重ね、砲撃の中を進んでいく。
怪物もまたアランを追いかける。龍の首を動かして砲撃の矛先を変え、砲撃をアランへ放ち続ける。
厄介な事に、これらの砲撃はただ適当に放たれているわけでは無かった。アランの移動先を考慮して確実に砲撃を当てに来ている。
そのためアランもなかなか思うように進めない。縦横無尽に高速で動くことで回避できているが、それまでだった。
あれほどの規模の砲撃を長時間放っているなら魔力切れが起きそうだが、怪物の魔力が切れる気配は無い。これは持久戦は見込めそうにない。
こうなったら選択肢はただ一つ───強行突破だ。
「魔力消費が多いからやりたくなかったんだがな……《元素排除》」
アランの周囲に透明な結界が展開される。それは使用者が指定した全ての元素を弾く結界だ。
強力な代わりに魔力消費は比較的多いが、短時間なら問題ない。
これで守りは固めた。後はこちらも砲撃を破るための矛を用意するまでだ。
「─雷よ、万物を射抜く豪雷よ─」
砲撃を回避しながら詠唱を紡ぐ。なんだかんだ対応できているが、さっきから生きた心地がしない。
真横を嵐の渦が通り過ぎ、頭スレスレのところを火炎放射が通り、着地したら氷河が迫り、跳躍したら毒の砲撃が迫ってくる。
さらに光線が天井に当たったことで巨大な瓦礫が降ってきたりもする。デタラメも良い所だ。
「─乱れ猛りて空を疾れ。その輝きを以て、我が障害を砕きたまえ─」
それでもアランは止まらない。
詠唱に連れて周囲に雷を帯びながら、砲撃の嵐を躱して、躱して、躱して、躱して、躱して、躱して、躱して、躱し続けて───。
「閃剣奥義──」
空中で跳ねた瞬間、狙ったように怪物が全ての砲撃を向けてきた。一点特化の集中砲火だ。
上等だ。こちらは最初からそのつもりで備えてたんだ。今更火力が上がろうが構うものか。
「──神威雷崩閃撃ッ!!」
瞬間、アランは身に帯びた豪雷と共に怪物へ超高速で突撃した。
『縺ゅ▲縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ!!』
その一撃に応えるように、怪物もまた特大砲撃をアランにぶつけた。
砲撃と閃撃が激突する。
どちらも超高火力。この空間全域を震撼させるほどの激突は一瞬こそ拮抗の気配を見せたが、天秤は次第に傾いて行った。
「オラァァァァァァァッ!!」
天秤が傾いたのはアランの方だ。豪雷が徐々に砲撃を押し返し、遂に怪物の砲撃を突っ切った。
砲撃を越えた先、アランは黒い海に並ぶ龍の首を目にした。まず討ち取るべきはあの龍だ。
アランは『閃剣ライキリ』で龍の首に切り込んだ。その一太刀で切り払ったのは六体。龍は豪雷に砕かれて跡形もなく消滅した。
「《牙炎咆刀》」
黒い海に着地した瞬間、纏っていた豪雷が解かれる。代わりに具象させたのは獄炎の一刀。
劫火を吹き出す『劫刀カグラ』を横薙ぎに振るい、残りの龍の首を焼き払った。
残ったのは無傷のアランと、少し驚いたような顔を浮かべる怪物。
「《跳躍》」
剣を構え、アランは怪物に突進した。一瞬で怪物の眼前に迫ると、剣を怪物に振る。
怪物も対抗して両手を剣に変形し、近接戦闘に打って出た。だが互いの力量差は歴然だ。数合の後にアランは怪物の両腕を切り飛ばし、さらに上半身を切り飛ばした。
もらった、このまま攻めて核を露出させれば───。
『……ッ!』
怪物が口角を上げたかと思えば、『閃剣ライキリ』をその身で強引に受け止めた。
剣が食い込んだ部位を硬質化することで止めているのだ。だがこの程度、アランならすぐに対処できるはずだが。
『縺ゅ=縺√=縺√=縺√=縺√=縺√=』
奇妙な声を上げた瞬間、怪物は体の内側から紫の光を漏らした。同時に怪物から膨大な魔力が放出されていく。
この気配はまさか───。
「自爆とか、そんなのアリかよ……」
直後、怪物の体は大爆発を起こした。
轟音と共に拡散する大破壊、その爆発規模は直径五十メートルに及ぶ。空間が振動し、天井から瓦礫が降ってきた。
怪物の自爆技を予想出来なかった上に、武器を掴まれていたアランに回避の余地は無い。
故に今度こそアランは──。
「はぁ……はぁ……危っぶねぇ……マジで生きた心地しねぇな」
──無傷だった。爆発の寸前に『閃剣ライキリ』から放った雷撃で強引に怪物から剣を引き剥がし、すぐに後ろへ下がるで避けていた。
核の破壊にはまた失敗したが、生きているだけ良しとしよう。息を整えながら、アランは思考を巡らせる。
これまでの攻防から、それなりに怪物のことが分かってきた。まずあの怪物には目立った弱点が存在しない。
感電は効かない。全身液体だから乾燥も効かない。毒を打ち込んでもあの体ならすぐに吐き出せるはずだ。窒息させるにしても体積がデカすぎて空気なんて奪い切れたものではない。いや、そもそも窒息の概念自体存在するのか。
周囲の温度を変えても、あの体質ならすぐに適応できるはず。人間に於ける状態異常は基本効かないと考えていいだろう。
さらに痛覚も無いから魔法で継続的な苦痛を与えることも出来ない。体を消し飛ばしても即再生するし、魔力量も怪物の方が多いから持久戦も困難。
かなり絶望的だが、氷魔法で液状の怪物を一時的に凝固させることは出来る。他は全くダメだが。
つまり───。
「相性最悪だな、コレ」
あの怪物は非常に相性の悪い相手と言えるだろう。
状態異常や心身の苦痛が存在しないのは、かなり面倒なところだ。さらに相手は魔法を使わない故、専売特許である『魔法崩し』も意味をなさない。まさか得意分野がこうも封じられるとは思わなかった。
しかし、この程度の理由で勝利を諦める訳にはいかない。得意分野の大半が通ずとも、通じるものは確かにある。
それに怪物の行動の癖も分かってきた。さすがに怪物の手札に関してはなんでもあり過ぎて特定できないが、ここまで分かれば勝ち筋はいくらでも───。
「……ん?」
その時、足元の黒い海が消えた。
アランの足元だけでは無い。この空間の全域に広がっていた黒い海が怪物の元へと集まり、怪物は液体を一身に吸収した。
攻撃範囲と手数の優位を捨てて怪物は何をしたかったのか。
思案するアランの先で、怪物はさらに変形した。
体長は二メートル程まで大きくなり、背中には二対の蝙蝠のような翼が生えた。
腕は四本に増えている。それも剣の形に変形している。
「なるほどな……インプットが済んだのはそっちも同じだったか」
この戦いを通して、怪物もまた自身の戦い方を確立したらしい。
「ホンット頭の回るバケモノだな、お前は」
さすがは『封印指定クラス』、どこまでも厄介な野郎だ。
苦笑しながら、剣を構えた。怪物もまた剣と化した四本腕を構える。
「ッ────」
深く息を吸い、意識を研ぎ澄ます。
張り詰めた空気の中へ天井から降ってきた一粒の小石が音を立てて落ちた───瞬間。
「ッ!!」
『ッ!!』
両者は地を蹴り、一瞬で互いの距離をゼロにした。
直後に刃が交差し、甲高い音が響き渡る。その一合で理解出来た、やはり怪物の力が大幅に上昇している。
体積が減ったことで膂力が集中し、身体能力が爆発的に上昇しているのだ。
さらに続けて剣戟が巻き起こる。先程までならアランに圧倒的な有利があったはずの近接戦闘は、なんと完全に拮抗していた。
戦闘技術に於いてはアランが勝るが、怪物は力押しで強引にアランの剣技に追いついていた。
二人の剣戟は次第にボルテージを上げていく。馬鹿げた力の激突が衝撃を生み、周囲の地形まで影響を及ぼしていた。
「《牙炎砲刀》ッ!!」
横薙ぎに放った獄炎の一閃が、怪物を超えて壁に届く。
壁は劫火に砕かれ、大きな溝を生んだ。
『縺ゅ▲縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ!!』
怪物が剣を振り下ろせば、その余波によって地面に大きな亀裂が入る。
そんな大激突が目にも止まらぬ速さで繰り返される。さらにその激突は剣技だけに留まらない。
アランの剣を怪物が受け止めた瞬間、怪物は大きく口を開いた。
怪物の口に魔力が集約されていくのを感じる。まさかと思い、アランが体を逸らした瞬間、怪物の口から赤黒い光線が放たれた。
光線はアランがいた場所を通り、壁に直撃する。光線が通った箇所は轟音を響かせながら爆発を起こした。
ゼロ距離からの容赦の無い砲撃。
思わず冷や汗を流しながら、しかしアランも負けていない。
「《豪雷一極》」
回避の姿勢から繰り出した一閃。帯電した『閃剣ライキリ』で怪物を切り上げる。
怪物は攻撃を受け止めるが、完全には防ぎ切れない。
怪物の足が宙に浮き、そのまま勢いに乗せられて天井まで吹っ飛ばされた。怪物は天井と激突し、衝撃で天井から瓦礫が降ってくる。
怪物はその中で体勢を立て直す。だがその時には目の前にアランがいた。
空中でもお構いなしにアランは剣を振りかぶる。怪物も対抗して剣を振るった。その衝撃でまた空間が震撼する。
降り注ぐ瓦礫を伝いながら二人の剣戟は繰り返される。空中を飛び回りながら激突しては、今度は壁に。壁を走りながら激突しては、今度は地面にと。
アランは卓越した剣技と魔法、怪物は馬鹿げた身体能力と砲撃を含む多様な手札。
互いに追求した果てに体得した身技を、容赦なくぶつけ合った。
───そして、その激突を見守っている者たちがいた。
「ちょっと、これどうなってるんですか!結界で防いでるのにメチャクチャ衝撃飛んでくるんですけど!」
空間の入り口に避難しているリデラたちは、リデラが張った結界越しにアランと怪物の戦いを見守っていた。
いや、見守っているだけで実際に何が起きているかはほとんど理解出来ていない。近接戦闘に長けているエレカとナタリアはギリギリ目で追えているが、リデラは既に彼らの姿を見失っていた。
空間のあちこちで衝撃が起こったかと思えば、砲撃や雷炎が放たれる。結界が無ければ今頃こちらまで被害を受けていたに違いない。
「いやぁ、正直私も何が起きてるか分かんないっす。ヤバいくらいの速度でぶつかり合ってるのは分かるっすけど……これどっちが有利なんすかね?」
「ぱっと見互角っぽいけどね。パイセンは魔法と剣技で完璧な攻防を維持してるけど、あの黒い奴も負けず劣らずの馬鹿力で強引にパイセンに追いついてる。あの黒い奴、相当学習能力が高いみたいだね。戦いの中で成長してるよ」
「いや冷静に解説してますけど……これ大丈夫なんでしょうか。先輩、勝てますよね……?」
アランが強いことは分かっている。彼の勝利を信じているが、相手も負けず劣らずのバケモノだ。
そんな怪物と戦ってアランは無事で済むだろうか。心配するリデラに、
「まぁ大丈夫だとは思うよ?パイセンまだ聖装具使ってないし、余力はまだまだ残してるんじゃないかな」
「そう考えたらヤバいっすよね、師匠はあれだけの力を魔法だけで発揮してるってことになるんすから」
視界の先ではアランが巨大な斬撃や大量の弾幕を放っているのが見える。驚くべきはその速度と精度。
膨大な力を一瞬で再現し、激しい攻防の中でも的確に放ってみせる練度の高さ。常人に出来ることでは無い。
「魔法ってあんなに強かったんっすね……」
「私たちも大量に魔力を注ぎ込めばあの火力を出せないこともないけど、相当な溜めがいるし、撃った後の反動もある。それに魔力消費も膨大だから長くは続かないからね。はっきり言ってパイセンは異常だよ」
彼女たちにとっての常識外を、アランは当然のように為してみせる。魔法の腕前については世界規模で見てもアランは最高峰に位置するだろう。
───だが、それでも。
「…………」
リデラの心が落ち着くことはなかった。
アランのことが心配だからというのはある。だが今はそれ以上に歯痒かった。
これだけの危険をアラン一人に背負わせることしか出来ない自分が、無力に思えて仕方なかった。
「リデラ?どうしたの、そんな顔して」
「いや、なんて言うか……私ってやっぱり弱いんだなって」
「そんなことはないっすよ!リデラちゃんはうちの学年じゃトップっす。だからこそ新入生代表に選ばれたわけですし……」
「でも私は力になれてない。最初にあの化け物を見つけた時も先輩が助けてくれなかったら私は死んでました。その時点で私の力不足は明らかです」
柄にもなく、リデラは弱音を吐露する。
これまで自分の力を疑ったことなど無かった。才能に恵まれ、聖装具に恵まれ、努力すればなんでも出来る。天才として生きてきた人生だった。
だがそれは間違いなのだと思い知った。歓迎試合でアランに打ち負かされ、自分の無力さを叩きつけられた。それはリデラの自信を崩すには十分な出来事だった。
しばらくはそれで落ち込んだし、悩みもした。自分の才能、これまでの人生、何もかもを疑った。
それでもどうにかして自信を立て直そうとした。入学してからまだ短い時間だが、落ち込みながらも人一倍に努力した。全てはあの日の無力感を振り払うために。
だが結果はこれだ。
目の前の現実に自分は付いて行けていない。今自分が介入すれば間違いなくアランの邪魔になる。
出来ることはただ、安全圏から他人の死闘を見守ることだけだった。
「……なんか意外、リデラも落ち込むんだね。いつも自信満々なのに」
「そりゃ私だって落ち込む時くらいありますよ」
「えー?でもほら、歓迎試合の時だって──」
「あーもう言わないでください!自惚れてた時の事なんて思い出したくないんです!」
「こりゃ黒歴史入りしてるねぇ」
叫ぶリデラに苦笑しながら、
「まぁいいんじゃない?今は弱くても。時間はいくらでもあるし、地道に強くなっていけば良いと思うよ」
「「…………」」
「え、何。なんで二人ともそんな顔してるの?」
「いや、ナタリアちゃんってそんなマトモな事言えたんすね。戦闘大好きなのに」
「そんな理性が欠けた化け物みたいに扱わないでくれる?」
「でも夜道に背後から先輩に襲いかかったって」
「だって戦いたかったんだもん」
「ほーら理性欠けてるじゃないっすか!」
「小テストで赤点連発してるエレカに言われたくないなぁ」
「いや、それは何て言うか……その」
「今のところ一年生で一番留年の可能性があるって言われてるの、エレカだよ?」
「マジっすか!?」
今日一番の驚愕をエレカは見せる。実は彼女、剣技は超一流だが勉強が絶望的に出来ないという欠点がある。
「貴方それで良く入学試験を突破出来ましたね」
「ふふん!自慢じゃないっすけど私、運は良いっすから!」
「その運もう既に底を見せ始めてるけど、大丈夫?」
「そこはほら……師匠に勉強を教わってどうにか」
「パイセンにも限界はあると思うよ?あの人他の一年生にも色々教えてるし、エレカだけに手間かけてられないと思うけどなぁ」
「もしかして私……ピンチっすか?」
「そうですけど、もっと早く気づくべきでは?」
「考えたくなかったんすよ!リデラちゃんと同じっす!」
絶望に表情を染めながらリデラの仲間入を果たすエレカ。解決の余地があるだけエレカの方がリデラよりはマシだろうが、彼女にとってはそれだけ一大事らしい。
「て言うかなんで今こんな話をしないといけないんすか!前向きましょうよ!師匠が私たちのために戦ってくれてるんすよ!?」
「そうは言っても、私たちに出来ること無いしねぇ。強いて言うならマジでパイセンが危なくなったら助けに入るくらいかな。それまでは待機ってことで」
「なんか楽観的過ぎじゃないですか?」
「人生このくらいが丁度良いんだよ。考え過ぎたって良くない、何事も適度に余裕を持って挑む。そして楽しむべき事は全力で楽しむ。そうすればエレカみたいに勉強に困ることも、リデラみたいに過去の自惚れで黒歴史を生むことも無いし」
「「うぐっ!!」」
「ありゃりゃ、ダメージ入っちゃった」
苦しそうな顔をする二人を横目に、ナタリアは前を向く。
縦横無尽に駆け回りながら高速で激突を繰り返すアランと怪物。彼女もまた彼らの戦いの行く末を見守るのだった。




