500 アカメレポートその6 姫神戦力分析・金姫・藍姫
〈金姫〉渡来ミナミ(二十四歳) 「強欲の道標」
茶髪の緩いボブカット、小柄な肉体にそぐわない黄金の両手剣を持った彼女は最も特異な姫神です。
転身名<金色弓尾>。
白い羽衣に黄金の鎧、黄金の装飾品、流れるような金髪に、大きな狐の耳と九つの尾を持つ姿。
宿りしは多彩な術技を操る物の怪、九尾の狐。
金姫は七人の姫神中最も魔力に特化した存在かと思われます。
ですが特異と表現した理由はもうひとつ。
それは金姫に宿る旧きモノが一体ではないからです。
強靭なる強力を誇る夜叉という鬼がさらに宿るのが金姫です。
魔力と剛力、この二つの力を持つのが金姫なのです。
「神器」
砂や土を巻き込む黄金の大剣、それが金姫の神器土飢王貴です。
この剣も黒姫の神器同様、持ち主が不在の場合でも敵対する者に攻撃を加えた例がいくつもあります。
金姫が転身するときらびやかな黄金の剣から一変、両刃に無数の爪を這わせた歪で奇怪な形状に変化します。
「転身」
砂嵐に包まれて転身します。
大きな狐の耳と九つの尻尾、さらに額には鬼の一本角。
白い衣に黄金の鎧をまとった戦士となります。
彼女の性格によるのでしょうか、常時不適で余裕のある態度で戦闘をこなします。
発想も奇抜で一対一より多対一の方が得意といった面も見受けられます。
「覚醒態」
金姫の覚醒態は不明です。
未だはっきりとした覚醒も暴走も見せてはいません。
「金姫専用姫神魔法」(現在判明している一覧です)
・通常魔法
<ギロチン・スラッガー>-剣の刃に沿った無数の爪が相手の肉をえぐろうと自走する強烈な斬撃。
<鉤爪追尾>-剣についた爪を射出する。爪はひとつひとつ自在に動き回る。
<攻鬼道・拡散弓尾>-尻尾から無数の自動追尾する弾丸が射出される。弾丸は敵に接近すると無数に弾ける。
「現状と展望」
金姫は五氏族連合にて猿人族のシャマンをリーダーとする亜人ばかりの冒険者一行と行動を共にしていました。
ですが<力のズァ>に目を付けられ「浮遊要塞ゴルゴダ」に連れ去られます。
そこでは約一年もの間、拘束されマナを抽出され続けていました。
奇跡的に私たちの手で救出することができましたが、それまでのような活発で天真爛漫な彼女の姿はなく、軽い鬱状態に陥っているようです。
シャマン一行に伴われ回復の兆しを探していますが、現状では戦闘の矢面に立つことは厳しいと言わざるを得ないでしょう。
しかしマナの抽出を目的とする三柱神に再び目を付けられる前に、少なくとも以前の彼女を取り戻すことは必要です。
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〈藍姫〉長浜サチ(十七歳) 「支配の道標」
彼女もまた特殊な降臨を果たした姫神です。
転身名は九頭竜婦。
水を操る姫神で、転身した姿は七人中で最も異形。
亜人世界の無法地帯<アーカム大魔境>を力と恐怖で支配しています。
ほかの六人の姫神がかろうじて自分を保ち続けているのとは対照的に、藍姫からは自我というものが完全に欠如してしまったようだと聞いています。
原因は降臨時にあるようです。
前述したように藍姫は特殊な降臨を果たしています。
それは姫神に選ばれた彼女だけでなく、一緒に二人の友達も召喚されてきたという点です。
さらにほかの姫神に見られた降臨時の記憶障害も藍姫にはありませんでした。
そのうえ異形な者どもである<戦闘怪人>が跋扈する地に現れてしまったため、彼女の自我は崩壊、恐怖と怒りと絶望が彼女を姫神に覚醒させました。
今や藍姫に適う者はあの魔境ですらいないと言われています。
「神器」
星の海は二メートルを超える柄に幅広の片刃が付いた薙刀です。
柄も刃も深海を思わせるほどの深く透き通る青一色の美麗な一品です。
しかしながらその特殊性についてはいまだ不明です。
「転身」
青い輝石の輝く額冠。
肩から胸、腰のラインを強調する青い鎧。
深海の砂を思わせる真っ白い腰巻に、足首から太ももまでを幾本もの海蛇がまとわりついたような青いベルト。
ダイオウイカのような触腕が両肩から、背中や肩からはイカのようなクラゲのような細い触手が無数に生える。
ほかの姫神とは段違いに異色の姿をした藍姫は、その姿を見ただけでも心の弱い者には大きなショックを与えかねない存在です。
「藍姫の攻撃技」(現在判明している一覧です)
・通常技
<テンタクルス>-肩から伸びる大きな触腕による攻撃。先端には鋭利な歯列の並んだ大きな口がある。
<水撃砲>-触腕から猛烈な勢いで放たれる水流。ハンマーで殴られる以上の打撃と貫通力を持っている。
「アサインメント」
藍姫と一緒に降臨した二人の友達は妖精女王ティターニアによって戦闘怪人へと改造されました。
その二人は藍姫以上に自我を失い、もはや生ける人形同然のようですが、この二人には藍姫による能力付与<アサインメント>が施されているようです。
藍姫単体でも脅威ですが、決して離れることのない二人を同時に相手にしなくてはならない。
伝え聞くところによるとあの紅姫が一度敗れたとのこと。油断はできません。
「現状と展望」
以上のように、現状最も謎に満ちているのが藍姫です。
降臨して一年余、大きな動きを見せてはいませんが、横に付いているのが多くの人間とは倫理観の相容れない妖精女王ティターニアです。
ただでさえ危険なアーカム大魔境に最も恐ろしい姫神が降臨したとあっては、これから先、平穏でいられると楽観などできようはずがありません。
南北で国境を接するエスメラルダ、東西で接する五氏族連合と、戦乱の火種は撒かれています。
今後の動静は要警戒です。
2025年3月1日 挿絵を変更しました。
2025年9月21日 挿絵を挿入しました。




