太陽と月
僕らは図書室から出ることにした。
相変わらず薄暗く不気味な廊下が続いていた。
が。
「きゃー!ほらやっぱり人いるじゃーん!」
「………」
僕らを指さす赤毛のショートカットの少女と、箱を被っている少年がいた。
赤毛の少女は上にジャージ、下にミニスカートを履いていた。ジャージの袖が長く、萌え袖状態だ。鼻の周りにはそばかすがあり、輝かせる緑色の双眸からは希望が感じられる。
一方少年は真っ黒の整ったスーツで、品の良さが滲み出ている。しかし無口の上、頭には「UGRY BOY」と書かれた不自然な程に真っ白な箱を被っている。
「えーっとね!あたしはキャロライン!
キャリーでいいよー!それで隣の箱の子はデヴィン!
すっげー料理が上手いんだよ!」
「………そんなことは…」
「だってさっき厨房でオムライス作ってくれたろー?
あたしあんなに美味いもの食ったことねーよ!」
僕は思った。
とてつもなく対照的な二人に会ったなぁ、と。
「お前らの名前は何ていうのー?」
「…私はアシュリー。絵を描くことが好き…」
「僕はエリック。サックス吹けるよ」
「サックス?なんだそれ。まぁこれから宜しくなっ!」
サックス知らないのか…そっか…
僕は肩を落とした。そりゃ知らない人だっているだろう。今思えば、世の中の全ての人がサックスを知っているなんてとんでもない偏見だ。
会ってから数秒だが、二人ともいい人なのが僕には分かった。魔女ではないと思う、多分。
それでも他人を疑わなくてはならない。そんな世界なのだから。




