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街角異変調査屋 ―2号店―  作者: 竹の花
1.始まりは水を汲むことから。
6/7

本部 前編

どこからか、やってきた雲さんに聞いたお話ですけどね、都会にはね、羽と足と頭と体が千切られた蝶々がお空を飛んでるやうですよ。

「鈴木さん、こんにちは」

「あ、池田さん、ありがとうございます。」

「いえいえ、私ができることはこのぐらいですから。」

この前、池田さんに経緯を説明したら、すぐに了承してくれた。それで今日、早速向かうわけである。

「本部はだいぶ遠いので、今回は電車で向かいます。」

「へぇ〜、…ちなみに、本部ってどこにあるんですか?」

「仙台ですね。東北の山奥に建てるのはいろいろ不便だったようで。」

あ、都会だ。良かった。

(へぇ、都会派か。あんなギラギラしたとこ?)

生まれも育ちも都会だから、あんまり田舎、慣れないんだよ。

(ふ〜ん。)

「では早速向かいましょう。まずは黄巣駅から東京駅ですね。」

「はい。」

財布とスマホ、水分もろもろを持って、池田さんの車に乗り込む。

「あ、ブーメランも持っていっていいですか?

何となくそばにおいておきたくて。」

「いいですよ。管理には気をつけてくださいね。」

もちろん、ケースに包んで持っていく。

リュックに詰めてみたが、薄いので案外邪魔にならない。よかったよかった。

よいしょっと、池田さんも運転席に座った。

「じゃあ、出発しますよ。」

ここから黄巣駅までは遠くないので、本部について考えながらぼっーと過ごした。

しばらくしてパーキングについた。駅近だがそんなに値段が高くないのは魅力だ。

「では、東京駅まで向かいましょうか。」

本当ならそのまま在来線で仙台の方まで向かいたいが、いかんせん路線がおかしい。複雑すぎる。

切符を買って、ホームで電車を待つ。

そうだ、仙台のお土産でも調べよう。

「鈴木君。」

「はいっ!?」

池田さんは正面を見ながら問いかけてきた。

「君は何でこの職場に来たのですか?」

「…。」

突然の質問に頭を急激にフル回転させる。

あれ、何でだっけ…。

「えっと…」

「いえ、何でもないです。突然ごめんなさいね。」

「…はい。」

家族のため?

ふとスマホに目を落とす。複数人用のお土産を

検索しているスマホの画面が映っていた。

「誰かのためか、自分のためか、いずれ答えは見つかりますよ。」

その言葉を最後に…どのくらいだろう。電車のホーム対して妙に明るいスマホを、ずっと眺めていた気がする。

ファーン

「電車来ましたね。」

その時にハッと我に返った。

「なるべく座りたいですね、本部で何が起こるか分かりませんから。」

「え…、そんなハードなことを?」

「案外間違いでもないことを君は想像してるはずですよ。」

嫌な想像しか浮かんでこないよ。

(あ〜、明るくなってきたよ〜。電車のライト強すぎるって〜!)

そんな引きこもりか何かみたいなこと言うなよ…。

電車が着いた。…ちなみに、座れなかった。

さて、数十分ほど電車に揺られ、東京駅についた。

「新幹線は本部支給のチケットがあるのでそれを使います。」

ホームに着くなり、池田さんが切符を渡してくれた。白く光った切符…、特別なものだろう。

かっこいい。

「自由席のみですが、まぁないよりマシでしょう。」

「ありがとうございます!」

「そうだ、いい時間なので軽食でも買いましょうか。駅のコンビニにでも。」

しっかし、都会の駅は便利だなとつくづく思う。

駅で暮らせそうだ。まじで、冗談抜きに。

「では、新幹線はこっちです。」

「何に乗るのですか?」

「車種ですか?基本何でも乗れるので、次に出発するこれ、のぞみ…?ですね。」

えぇ、すごいな。乗れるなんて夢にも思わなかった。

「うれしそうですね。よかったです。」

高鳴る気持ちを抑えながら、新幹線に乗り込む。

…知ってるよ。こういうのは乗るときが一番ワクワクするときなんだよね。

あっという間に仙台につき、軽食のゴミを片付けつつ、外を見る。いや〜、ビルが高い。…東京には及ばないけど。

新幹線を降りて、中央改札をでる。

やっぱ明るいところはいいなぁー!

気分最高、久しぶりの都会である。

「さて、車を手配してあるので、それに乗って向かいましょうか。本部までもう少しかかりますよ。」

…まぁ、そりゃそうか。もうちょっと満喫したかったな、と思いつつ、池田さんについていく。

しばらく歩くと、気づいたら立体駐車場の四階に来ていた。

「ええと、この車ですね。駐車料金を払ってきますのでしばらく待っていてください。」

池田さんもそんな位置にあるとは聞いていなかったようで、大慌てで駆けていった。

外の看板を見る。パーキング、都会はやっぱり値段が高い。

時間かかりそうだな、何してようか。

(スミマセン…。)

あ?なんだよ、急に。

(クライトコロ…イキタイ…。)

確かに、ここは昼間というのに、かなりライトが強めに設定されてるようだ。お前やっぱり明るいところ苦手だな?

(…。)

図星か。暗いところなんて近くにないし、

そもそも俺がお前の言う事聞く必要ないだろ?

(ケッ。)

その後、声が聞こえなくなったので、とりあえず

要求は無視することにした。そうだ。お土産調べよっと。

「すみません。」

ん?横を見ると、何やらおばあさんが立っていた。

「どうしました?」

「階段がどこにあるか分からなくて…。教えてくれませんか?」

「階段ですか?えーっと、」

あっちだっけ?

「分かりました、案内するのでついてきてください。」

そんなに遠くに行くわけではないので、ちょっとぐらい離れても大丈夫だろう。

ちょっとぐらい。

「あ、あれです。」

「あ〜!階段!ありがとうございます。」

「気をつけてくださいね。」

いいことをするのは、いいこと。どこかで読んだ気がする。そんなことを思いながら、戻ろうと振り向いた。

「おじいさん。」

おばあさんの声が聞こえた。

「かかりましたよ。」

へっ?

「ありがとうね。あたしと巡り合ってくれて。」

バッと振り向いた瞬間、気づいた。

今、自分が立っているのは駐車場ではないと。

この世界の日本はあんまり裕福そうには見えませんね。


発展具合、それに伴った人々の格差も大きいように見えます。まぁ、発展に犠牲はつきものですからね。

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