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duality  作者: eight
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ep51 魔力凝縮

一日前。ファーラン城内。


ヴィクトールの前にレックスとフィーナがいた。

「光の剣技・・・ですか。」

「はい、ベイルさんがそういう事ならヴィクトールさんに訊いた方が良いと。」

「なるほど。そういう事ですか。」

ヴィクトールはノワルドの士官学校で教鞭に立つこともある。知識はベイルよりも豊富だった。

「しかし、私自身は魔力をほとんど持ちませんので、知識を教えるような形になりますが、宜しいですか?」

「構いません。お願いします。」

「では、ここでは危険ですので、移動しましょうか。」

レックス達は訓練所へ向かった。



「レックスさん。ではまず剣に魔法を付与させてみて下さい。」

ヴィクトールの言葉にレックスは、剣に意識を集中させた。

レックスの剣が白く光る。

「宜しいです。では今度はあそこにある案山子に向けて、光魔法を放って下さい。」

レックスは剣の魔法を消し、左手を案山子に向ける。

小さな光球が発生し、案山子に向かって飛んで行った。


「剣に付与した時、どの様に魔力をコントロールしましたか?」

「え、えーっと。剣の周りに纏わせるようなイメージです。」

「では魔法を放つ時は?」

「手の先で一点に集中させて、力を入れて押し出すような感じですかね。」

「そうですね。ではそれを剣の方でやってみましょう。」

「剣の方で・・・」レックスは両手で剣を握る。

「纏わせた魔力を剣先に集中させるイメージです。」

レックスが剣を見つめ、集中する。するとパッと剣が光るが、先程と大して変わらない気がした。

「これで合ってるんでしょうか?」

「いえ、重要なのはタイミングです。」

そう言ってヴィクトールは自身の剣を抜く。

「では、今と同じ事をもう一度やって下さい。但し私の剣とぶつかる瞬間に剣先へ集中させて下さい。」

ヴィクトールの振った剣がレックスの剣にぶつかる。だが何も起きなかった。

「駄目だ。」

「技の習得と言うのは、そう簡単にはいきませんよ。何度も練習することが大切です。相手からではタイミングを取るのが難しいかもしれませんね。自分からやってみましょう。」

レックス達は案山子の近くに行った。


「切りつける瞬間に剣先へ集中させて下さい。」

レックスが意識を集中させながら、剣を振りかぶる。すると剣が光った。

案山子を切りつけると、フィーナが後ろで「出来た!」と喜んだ。

「いえ、失敗です。切る前から魔力が付与されてはいけません。切りつける瞬間にだけ発生するようにしなくてはいけません。」

その後、何度も案山子を切りつけるレックスをヴィクトールとフィーナは見守った。



もう何十回切りつけたか分からない程経った時、切った瞬間に弾けるように剣が光った。

「やった!!」今度こそフィーナが喜んだ。

「今ので良いんですか?」レックスが尋ねた。

「はい。今のを任意で出来るようにして下さい。」



しばらくの間、練習を重ねていたレックスが傷のついた案山子を見て、疑問を口にした。

「ヴィクトールさん、これってそんなに強いのでしょうか?」

「いえ、瞬間的に魔力の放出を高めているので、普通に魔力を纏わせるよりは威力が高いと言うだけです。」

「え?」

「勿論、属性の相性が良い相手には効きますが、これ自体は光の剣技ではなく、剣の技術のひとつに過ぎません。あくまで剣技を使うための前提条件です。」

「ええ!」

「そろそろ次のステップに行きましょうか。フィーナさん、こちらへ。」ヴィクトールがフィーナを呼んだ。

「私ですか?」

「はい。ここからは魔力の勉強です。魔力凝縮は出来ますか?」

「い、一応なら。」

「見てもらった方が早いので、一度実践してみましょう。」


フィーナが杖を構える。

ヴィクトールが少し離れた所にある案山子を指差した。

「ではまず、あの案山子に普通の火球を放って下さい。」

杖の先に拳大の火球が現れ、案山子へと飛んでいき、燃えた。

「次はもう少し威力を高めましょう。」

再び杖を構えると、次は顔ぐらいの大きさの火球になり、先程よりは激しく燃えた。

「では最後に魔力凝縮を行って下さい。危険ですので無理はせず、やれる範囲で構いません。」

フィーナが杖を構えて、集中する。

普段ではあまり見ない程、真剣な眼差しをして杖の先を見つめた。

最初と同じように拳大の火球が現れたが、直ぐには放たず、そのまま集中し続ける。

事切れたように放った火球が案山子に当たり、今まで一番激しく燃えた。

フィーナは緊張したのか、大きく息を吐く。額には汗を搔いていた。


「分かりましたか?」

「最初と同じ大きさだったのに、最後が一番威力が高かったです。」

「そうです。本来、魔力を込めれば、その分魔法は大きくなります。ですが今のように火球の大きさを留めながら魔力だけを込める事で、より濃度の高い魔法となり、威力も上がります。これは魔力凝縮と言う技術です。」

「魔力凝縮・・・」

「但し、小さな器により多くの魔力を込める事は、それだけ不安定な状態となりますので失敗すればその場で爆発し、術者に危険が及ぶ可能性があります。なので普段の戦闘で行う事はあまりありません。まぁ、魔力のコントロールに優れている者の中には、本来の大きさよりも小さく、それこそ手で握れるほどの大きさにする者もいると聞きますが。」


ヴィクトールは改めてレックスをの方を見る。

「レックスさんには先程の剣技と併せて魔力凝縮をやってもらいます。」


「それが光の剣技ルークスヴェインです。」




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