第一話 おまえ文字書けるんだな。
はじまりました
農夫二人のよもやま話。
今日は街で流行りの「本」が話題のようです。
農夫1 「お前、何書いてるんだ?」
農夫2 「ん?日記みたいなものかな。」
農夫1 「日記? てかお前、字かけるんだな。」
農夫2 「まあね。無駄に学校は出てねえよ。」
農夫1 「んで、なんだって日記なんか書いてるんだよ。」
農夫2 「んー… この間四人組が来ただろ?」
農夫1 「あぁ、なんだか騒がしい奴らだったな。」
農夫2 「あいつらがな、街で本が流行ってるって言ってたんだよ。」
農夫1 「え?! 本? あんなバカみたいに高い物が流行るって嘘だろ?!」
農夫2 「いやいや、そうでも無いみたいだぜ。」
農夫1 「いやいやいや、だってお前本なんて最低でも金貨が必要なんだぞ、絶対嘘だろ。」
農夫2 「種まきの頃位までは、そうだったらしいぞ。」
農夫1 「種まきの頃?どういう事だよ。」
農夫2 「前の収穫時期に街に来た見慣れない旅人さんが、安く本を作る方法を知ってたんだってよ。」
農夫1 「マジか」
農夫2 「あぁマジだ。」
農夫1 「どんな作り方だなんだよ?」
農夫2 「紙に書いて束ねるんだってよ。」
農夫1 「それだけ?」
農夫2 「そう。それだけ。」
農夫1 「そうか、それだけか。」
農夫2 「なんか不満そうだな?」
農夫1 「不満じゃ無いけどよ、本が流行るって事は街の皆は字が読めるって事だろ?」
農夫2 「えっ?そっち?」
農夫1 「なんだよ。他に何があるんだよ。」
農夫2 「本の作り方の話をしてたんだから、作り方に不満が有るのかと思うじゃねえかよ。」
農夫1 「作り方なんてどうでもいいんだよ。」
農夫2 「作り方も大事だぞ?」
農夫1 「そりゃまぁな、でも俺にとっちゃみんなが字を読める方が需要なんだよ。」
農夫2 「ふん、訳のわからねぇ奴だな。」
カキカキ
ソワソワ
農夫1 「なぁ」
農夫2 「ん?なんだ?」
農夫1 「 んで、なんで日記?」
農夫2 「お前質問ばかりだな。少しは自分で考えろ。」
農夫1 「イライラすんなって。で、なんで日記書なんだよ。」
農夫2 「本が安くなったのはいいけどよ、同じような設定の物語ばかりで飽きられてるんだっよ。」
農夫1 「ほう。」
農夫2 「それで日記みたいな物が流行るんじゃないかって、あの四人組がよ。」
農夫1 「なるほど、それで日記か。」
農夫2 「正確には日記じゃ無いけどな。それで毛色が違ったものなら、ウケて小銭稼ぎにでもなればって思ってよ。」
農夫1 「そっかぁ、確かに同じような設定じゃ飽きられるよな。」
農夫2 「それでも色々と試行錯誤はしてるみたいだぜ?
主人公が蜘蛛だったり、骸骨だったり、スライムだったり。中には男が女になったり、まぁ色々だ。」
農夫1 「へぇ、それなのに飽きられてるのか。なんか大変なんですねー。」
農夫2 「興味なさそうだな。」
農夫1 「興味が無いっていうか、まぁそうなるよなぁって思ってさ。」
農夫2 「おっ、なんか賢そうな意見だな(笑)」
農夫1 「酷い言い方だな。」
農夫2 「怒るなよ、冗談だよ(笑)」
農夫1 「笑いながら言われても説得力がねえよ。」
農夫2 「でもよ、飽きられるのが判ってたような口振りだけど、判るのか?」
農夫1 「普通に考えて、面白い物語があって、それを発表する場があるなら自分で書いてみたくなるだろ。」
農夫2 「だな。実際俺は書いてるしな。」
農夫1 「んで、書くとなれば自分が読んで楽しかったものを書きたくなるじゃん。」
農夫2 「うんうん。」
農夫1 「そうなったら。もともと本を書く練習をしてる訳でもないヤツの書く本なんて、面白かった本の真似するだろ。」
農夫2 「全部が一緒って事はないんじゃないか?」
農夫1 「それにしたって、大まかな内容は似てくると思うぞ。実際そうなってるし。」
農夫2 「うん、そうなってる。」
農夫1 「そうなれば、それを見た別のヤツがまた書き始める。」
農夫2 「…なんか、すまんな。」
農夫1 「何だよ急に。」
農夫2 「いや、さっき自分で考えろなんて言っちまったけどよ、お前も考えてるんだなぁってよ。」
農夫1 「まぁな、学校は行ってねえけどバカじゃないからな(笑)」
農夫2 「そういやよぉ随分昔だったよな。学校が出来たのって。」
農夫1 「そうだな。彼のときは大変だったよな。学校なんか行かれたら農作業がぁ!ってな。」
農夫2 「そうそう。結局学校に行った方が街が栄えてたな(笑)」
農夫1 「その学校を考えたやつも、見慣れないヤツだったよな。」
農夫2 「そうだったなぁ。」
農夫1 「なんか、変なヤツが来る度に変わってくな。」
農夫2 「また来るなもな(笑)」
農夫1 「かもな(笑) んじゃ日記なんていいから、リバーシやろうぜ。」
農夫2 「いいねぇ!」




