表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱魔王は生き延びたい!  作者: ダンボ
1/8

プロローグ

 

 ーーー西暦2022年。



 俺はあるスマホのゲームに打ち込んでいた。



 そのゲーム名前は『勇者あーるぴーじー』



 突如復活した魔王を仲間と共に倒すというよくある物語だ。

 なんともふざけた名前ではあるが、ストーリーだけを見ればネットでは傑作と言われている。

 値段はなんと無料。しかもドット絵を採用しており、おじさん世代にはかなり人気の高いゲームだ。


 しかし、そのゲームの難易度は史上最高。

 課金前提で作られているのはわかるが、あまりにも難易度が高かった。


 序盤は普通のRPGと同様に野原や洞窟に出る魔物を倒して色々な問題を解決して、レベルを上げていく。この時点ではレベル上げに必要な経験値がかなり膨大なこと以外は特に変な点はなかった。


 そして中盤から魔王をトップとする魔王軍が少しずつ姿を現してくる。

 まず、その魔王軍の下っ端兵士がアホみたいに強い。

 本当にストーリー的にこの順番であっているのか?と何回も疑ったくらいだ。

 俺も必死こいてレベル上げを行い、諭吉さんを一枚の犠牲を使って課金アイテムを購入し、なんとか倒すことに成功した。


 そして何体か下っ端兵士を倒した後、魔王軍の『極師団』という最強部隊の『極将』と言われる魔族とのイベントが起きる。


『極師団』には『極爵』という団長がおり、その一つ下の位にいるのが『極将』である。

  魔族は実力主義なため、地位と強さは比例している。そして案の定、何もできずにボコボコにされて終了。



 俺は腹が立ってこの時初めてスマホを投げた。



 無理ゲーだと思ってしばらくやっていなかった時期もあったが、後の展開が気になったため、再びレベル上げを行い、なんとか倒した。


 勿論課金アイテムを惜しまず使ってだ。


 そして終盤。ここからが本番であった。

 ちなみにここまでのプレイ時間は100時間を超えている。RPGにしてはアホみたいに長い。

 もうこれ以上難易度上げるなよと、思いながら来たのは数人の『極爵』と新しい『極将』と鉢合わせるイベントだった。



 俺はこの時心の底からふざけんなと思った。



『極師団』には七つの師団があったのだ。



 ゲームの難易度的にせめて三つほどだとは思っていたが、七つもあるとは思ってもいなかった。

 しかも俺が倒した『極将』は第七師団。一番弱い『極将』だった。



 そして地獄の開始。


『極将』1人相手するのもやっと思いだったのに『極爵』も戦闘に参加するとなれば、大体は瞬殺される。

 課金アイテムを駆使しても、持って1ターン。


 無理ゲーだ。


 俺はまた暫くこのゲームをやらない時期が続いた。


 しかしまたストーリーが気になってゲームを再開した。

 特に主人公と幼馴染のその後の展開が気になってやめられなくなってしまったのだ。


 俺は日々そのゲームに打ち込んだ。

 たまたま働いていた会社はそこまでブラック企業ではなかったし、有給もちゃんと取れる。

 飯、風呂、睡眠以外の時間は全てゲームにつぎ込んだ。


 レベル上げに、相手の行動パターンの研究、課金アイテムの購入などできることは全てした。


 そして地道に『極爵』を倒し続け、やっとの思いで圧倒的に強い第一師団の『極爵』を倒すことに成功した。


 倒した瞬間はマジで泣いた。


 俺の1000時間にも及ぶ努力が報われたような気がした。


 そして最終決戦。


 魔王VS主人公。


 当然のようにどの『極爵』よりも強かった。しかし、主人公のレベルはもうカンストしているし、有効な課金アイテムも購入し尽くしてしまっている。正直

 、打つ手はない。


 だが、ここまで来たら勝てないことはないと自分に言い聞かせてあらゆるスキルや攻撃パターンを試した。




 そして初めての魔王戦から数ヶ月後。



 漸く魔王を倒すことに成功した。


 狂喜乱舞。



 泣いて泣いて家中を走りまくった。

 隣から壁ドンが聞こえてくるが気にしちゃいられない。



 そして、エンディング。



 ここの結末を見るために俺はやってきたのだ。



 震える手でスマホを操作しようとした。



 ーーーその瞬間。



 俺の瞼は突如重くなり、意識がなくなった。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ