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黒の雄羊  作者: みお
世界史
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エルフ口語訳聖書 創世記より

 世界は小さなウサギの背にあった。

 世界は彼女の黒い毛皮と彼女の赤い瞳でできていた。彼女は毛皮を「闇」と、燃える瞳を「二つの月」と名付け世界を大切に育まれた。

 それをお知りになった彼は賢く愚かな二匹のネズミを彼女の許へお導きになった。


 ウザギは小さく勇敢な二匹のネズミに出会った。


『大切な瞳を無くしてしまった』

 二匹のネズミが泣くので、

『背中へお乗り。私が探してあげるから』

 ウサギは笑って二匹を導いた。


 二匹のネズミはウサギの背に乗って、十二粒の涙を落とし、

『闇の世界に十二の大陸、そして風を授けよう』

 十二粒の涙を陸に、吐息を世界の風とした。


 それをご覧になっていた彼は彼女に哀れな魚を導いた。


 ウサギは青く美しい魚に出会った。


『私は大切なモノを失った』

 魚が言った。

『私があなたの大切なモノになるよ』

  ウサギが笑って言うので、魚は二匹のネズミの背まで泳いで行って、静かに一粒の涙を落とし、

『一つの大陸と空、そして闇を暑く照らす太陽を授けよう』

  一粒の涙を陸に、己が身体を空に、煌めく瞳を太陽として、背の上を泳ぎ続けた。


  それをお知りになった彼は微笑んで、世界に色とりどりの命を御創造された。

  そうして四匹の獣は世界を司る母となり、四匹の獣は我らの世界となった。




 《エルフ口語訳聖書 創世記 第一章》



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