小さな神様と幼い式神6
うずめさんとの連絡が終わると、アマテラス様が夕飯の支度をすると言うので、何か手伝おうと思い、アマテラス様の後に続いて台所に向かった。
「いやいや、すまんの。お客さんに夕飯の手伝いをさせてしまうなど、神様失格じゃな。」
「いえいえそんな、泊めて頂いてる身分なんですから、お手伝いするのは当然ですよ。」
「そう言ってもらえると助かるの。かっかっか!」
う~~~ん・・・。うずめさんと会話してた時から思ってたんだけど、私が想像していた神様のイメージと全然違うなぁ。もっとこう、偉そうにしている感じだと思ったんだけど、アマテラス様からはまったく、そんな感じがしないなぁ。
そんな事を考えている間に、台所に到着。
「ここが、台所じゃ。遠慮なく使ってくれ。」
台所に入ってみると、予想通り、古風な作りをしていた。
すごい・・・土釜でご飯を炊いてる!
「それじゃあ、さっそく夕飯を作るとしようかの。」
アマテラス様は、素早く割烹着に着替えると、私に、にわとりのマークが付いたエプロンを、渡してくれた。
「いつも、お空が調理する時に使っている物じゃ!カワイイじゃろ?」
「はい!くーちゃんに、似合いそうですね。」
「そうじゃろ、そうじゃろ!わらわ手作りじゃからな!」
あ~。アマテラス様は、ホントにくーちゃんラヴだな~。
それから私は、お米を研ぎ、お味噌汁のだしをとり、ネギを切っている時に、とある疑問が頭に浮かんだ。
「あれ、アマテラス様は、どうしてうずめさんの事を知っているんですか?」
「くっくっく、何故じゃと思う?理由が分かれば、きっと驚くぞ。」
良いイタズラが思い浮かんだような表情。
きっと驚く、って言われてもなぁ。アマテラス様と、うずめさんの関係・・・。しかも驚く関係となると・・・考えられるとするなら、この理由しかない!
「実は、親子とか?」
「うむ。0点の答えじゃな!」
即答で0点って言われた・・・。しかも笑顔で!アマテラス様の採点は、容赦ないな・・・。
「じゃ、じゃあ、えーっと・・・。」
「はい!時間切れじゃ!」
パンッ!と手を叩き、かっかっか!と笑う。
「は、早いですよ~。アマテラス様~。」
「考えても、分からんものは、分からんからの!」
まぁ、確かにそうですけど、もう少し考える時間が欲しかった・・・。
「では、わらわと、うずめの関係じゃが・・・。」
少し間をおいて、軽い緊張感が出てくる。
「実は・・・、ただの友達じゃ!」
「はい?ただの・・・友達ですか?」
確かに、予想していた以上に呆気ない答えで、別の意味で、驚かされますけど・・・。
「うむ。お主、呆気ない答えだと思ったな?」
しまった!・・・表情に出てしまってましたか・・・。
「まぁ、無理もない。ただの友達なら、驚きはせんだろう。じゃが、昔、うずめは”神様”じゃったと言うたら、どうじゃ?」
「はい?」
又しても、予想の斜め上を行く答えに、思わず二度聞きしてしまう。
「うむ。じゃからの、うずめは元々、神様なのじゃ。今は訳あって、神様ではなく、カグラ士としてカグラ士協会の受付で働いておるがの。」
「・・・。ええぇーーーーーーーっ!?」
あまりの驚きに、反応までに時間が掛かってしまった。
「かっかっか!やはり驚いたか!しかも、今いるカグラ士の中で、あやつが一番強いぞ。最強じゃ!」
あのおっとりしてて、優しいオーラ満載のうずめさんが、元々神様で、今いるカグラ士の中で最強!?
「まぁ信じられぬやもしれんが、わらわも一回、カグラ勝負で負けたことがあるぐらいじゃしの~。」
「ほ、本当なんですか?」
神様の頂点に立つ、アマテラス様が負けるなんて・・・、何があったんだろう。
「あぁ、本当じゃ。昔の話になるが、聞きたいか?」
「は、はい。むしろ聞きかせて下さい!」
よろしい!と、アマテラス様が言うと、コホンと咳払いをして、「むかし、むかし~」と、昔話の冒頭を読む様な、語り口調でアマテラス様が、話し始めた。




