小さな神様と幼い式神5
パジャマ代わりのジャージを受け取る。
「ほれ、お空と紅は、風呂を沸かしに行っておれ、わらわと夕華で、夕飯の準備をするのじゃ。」
テキパキと指示を飛ばすアマテラス様。
「は~~~い!くーちゃんに任せてーーー!」
「りょうか~~~い。」
二人仲良く返事して、お風呂場のほうへ走って行く。
あの二人、結構、息が合うのかも。
「あぁ、任せたぞ!良い湯加減で頼むー!・・・それじゃ、こちらも夕飯の準備を始める前に、夕華よ。先に、うずめの方に、連絡を入れておくんじゃ。」
ん?何で、うずめさんに連絡を入れる必要があるんだろう・・・?確か、連絡する時は、迷子になった時か、依頼が出来なくなった時に使うはずなんだけど・・・。
「アマテラス様。連絡って、何をすれば・・・?」
「うん?うずめから聞いておらぬのか?依頼を一日で達成できない状況で、高天原で一泊する必要がある際には、うずめに連絡を入れておくルールになっておるはずじゃが・・・。」
「えーっと、聞いてないです・・・。」
額に手を当て、困った表情をするアマテラス様。
「あ~。あやつ、言い忘れおったな、昔から、忘れっぽい性格じゃったしの。まぁ、よい!とりあえず、連絡をしておくのじゃ!”神通話”の説明は受けておるのか?」
「はい。神通話の説明は、うずめさんから受けてます。」
「うむ。ならばうずめに、神通話で高天原に一泊する事を伝えておくんじゃ。ほれ、やってみるんじゃ。」
えーーーっと、確か、一拍して、神通話って心の中で言って、連絡したい相手を思い浮かべるんだっけ?
この場合はうずめさんを思い浮かべればいいんだよね・・・。
しばらくすると、私の目の前に、”通信準備中”と書かれたスクリーンが表示された。
「うむ。上出来じゃ、これで相手側が応答すれば、会話ができるぞ!」
待つこと、十数秒。ピコン!と、音が鳴り、スクリーン上にうずめさんの姿が映し出される。
「お待たせしました~。って、あらあら夕華ちゃん~!依頼は順調~?」
ニコニコ笑顔で、うずめさんが応答してくれた。
「は、はい!順調に進んでます!神様にも会えましたよ!」
スクリーンの端から、アマテラス様が覗き込むようにうずめさんに手を振る。
「おぉ~い、うずめ~!わらわじゃ~!アマテラスじゃ~!」
その声にうずめさんは、メロン級の大きな胸を弾ませ、反応する。
「あぁ~!その声は、アマテラス様ですね~。お久しぶりです~。相変わらず、小っちゃいままなんですね~。」
「小っちゃいは余計じゃ!お主こそ、相変わらず、無駄にデカイ乳しおって、少しは、わらわにも分けろ!」
神通話を開始して早々、軽口を叩き合う二人。
うずめさんと、アマテラス様って仲がいいんだ・・・。
「うふふ~。アマテラス様、知らないんですか~?貧乳は希少価値なんですよ?ステータスなんですよ~?」
「そんな名言、わらわは知らん!まったく、本当にお主は、久々じゃというのに相変わらずじゃの。」
「まぁまぁ~。変に硬くなるよりは、いいじゃないですか~。」
「それもそうじゃの。」
かっかっか!と笑うと、アマテラス様が、私の肩によじ登り、おんぶする様な形になり、うずめさんに向かって、
「うずめよ!日暮夕華と十五夜紅の両二名が、高天原で一泊するから、許可をくれ!」
「あ~、なるほど~。その連絡だったんですね~。もしかして夕華ちゃんが、迷子になっちゃったのかと思って、心配しましたよ~。」
本気で心配そうな顔をする、うずめさん。
「だ、大丈夫ですよ~。紅ちゃんも一緒ですし。」
・・・私って、そんなに迷子になり易そうな子に、見られてるのかな・・・。ちょっと、ショック・・・。
「でもでも、アマテラス様と一緒に居るなら安心ですね~!了解しました~。カグラ士協会に、外泊届けだしておきますね~。」
「は、はい!お願いします。」
「ではでは、依頼の邪魔しちゃ悪いので、回線切りますね~。依頼、頑張って下さいね~!」
バイバイ~、っと手を振るうずめさんに、私も手を振り返す。
「はい!ありがとうございますー!」
「うずめよー、また近いうちに連絡するのからのー!」
アマテラス様も同様に、スクリーンの端から、短い腕を頑張って、大きく振り返していた。




