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小さな神様と幼い式神3

こうして、紅ちゃんのやんちゃな子供時代が分かったところで、アマテラス様が、お茶を一口飲む。


「さて、自己紹介もここら辺にして、そろそろ本題に入ろうかの・・・。」

「本題って・・・?」

恥ずかしい過去をバラされて、紅ちゃんが少し膨れたままの頬で、アマテラス様に問う。


「かっかっか!お主達はいったい何のために、ここ、”天界高天原”へ来たのじゃ?」

アマテラス様は少し意地悪そうな笑顔で質問してくる。


「あっ・・・。」

「うん。そうだったね。」

そこで私達は本来の目的を思い出した。私たちはお互いに目を合わせて、頷く。そう、私たちが”此処”に居る理由、それは・・・。


「願いを神様に届けなくちゃ。」

「願いを神様に届けないと。」

二人の声が重なる。その姿を見ていたアマテラス様は、うんうんと、頷き、私たち二人の目を、ゆっくりと試すかのように見た。


「うむ、綺麗な瞳じゃ、まだ濁りも無く、秘められた可能性を感じる。そんな瞳じゃ。」

そしてアマテラス様は、目を閉じ、深呼吸すると、ガッ!っと目を見開いた。


次の瞬間に、場の空気は一変した。さっきまでの和やかな空気は消えて無くなり、今は、肌に静電気がまとわりつく様な、緊張感が漂う。一瞬でも気を抜けば、アマテラス様が放つ、覇気と言うか、重圧にも似た、その”気”で意識失ってしまいそう。


「わらわは、アマテラス。八百万の神々の頂点に立つ者。如何なる願いでも叶えてみせようぞ。さぁ、若きカグラ士達、汝等の願いは何ぞ。」

さっきとは、まるで違う雰囲気のアマテラス様を前にして、急に体が震えてきた。

圧倒的な存在感、そして、すべてを見透かすような瞳。これが・・・、


「神様・・・。」

「うん、そうだね。夕華、これが神様なんだよ。」

意外にも、平然としている紅ちゃん。


「驚かないの・・・?」

「うん。私は何回か、ツクヨミ様の暴走を止めに行った事があるから。」


なるほど、紅ちゃんは、神様がどういった者かを知っていたから落ち着いていられるのか。


「でも大丈夫だよ、夕華。驚くのは初めだけだから。私たちが、”何をしなくちゃいけない”のかを考えれば、自然とリラックスするはずだよ。」


うん、そうだった。私が、何をしなくちゃいけないか。そんな事は、高天原に来たときから分りきっていた事だ。

そうして私は、目を閉じ、自分が成すべき事をもう一度確認し、目を開ける。そのときには、私の心の中は落ち着いていて、この場に漂う緊張感も、私をやる気にさせる為の一つの道具にしか過ぎないと思うぐらいの余裕が生まれた。

そして私は、アマテラス様の目をじっと見つめ、


「アマテラス様!私、いいえ、私達の願いは一つ・・・!」

例え、自分の願い事ではなく、依頼として来た願い事であっても、その願いには、必ず誰かの切実な気持ちがある。その気持ちを届けるのが私達の仕事。

そう思い返し、今回の依頼の内容を思い出す。


「自由に生きたい!」

「うむ。願いは確かに聞き入れた。」

私が願いを言うと少しだけ、アマテラス様の表情が笑ったかの様に見えた。

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