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猫になった人魚姫  作者: 雪心
おまけ
17/17

☆十六話☆その後☆

十六話の蛇足のようなものです。

「ストーップッッ!!」


 私は、王子様の顔と私の顔の間に手を差し込めました。すると、王子様は「何事?」というような顔をして、その綺麗な顔を私から遠ざけました。


 

 くそぅ、もうちょっとその綺麗な顔を間近で堪能していたかったなぁ......。



 惜しいことをしたものだ。ウム。




 じゃ、なくて。聞きました? 私、普通に喋れているのです。しかも、見て下さい!! この五本の指を。そして、この尾びれをっ!!



 ......尾びれ?



 あれ? 私、人間じゃなくて、人魚の姿? 


 あれ? 王子様の服が濡れてる?


 えっと......、水も滴るいい男、ですね?



 うん。十中八九私のせいだな。


「取り敢えず、ごめんなさい?」


 私が謝ると王子様は小首を傾げた。


 くそぅ、そんな仕草もさまになる......


 

 つまり、グッジョブッッ!!


 

 じゃ、なくて。


「服、水。私、濡らして」


 私はどこのエセ外国人ですか......。なんか、えらいカタコトになってしまいました。


「あぁ。そんなの別に気にしなくていいよ」


 王子様は、そう言ってにっこり笑いました。が、私が気になるんですーーーっっ!!


 その濡れた服がぴったりと体に貼り付いて、えろいです。壮絶にえろいんですっ!! 眼福ですっっ!!


 って、そうじゃないだろ、私!!


 さっきから変態よりの思考になってるんだけど!? 大丈夫か、私!? 純粋な私はどこに行った!?


「ナナ?」


 王子様が少し身動ぎをしました。って、うおっ!! 私、王子様の膝の上にいますよ!! 猫の時、王子様の膝の上が定位置だったものですから、違和感なくずっとここにいましたよ!! 慣れってコワイ......。


「あの......、私、降り、ます」


「どこに?」


 ですよねぇ。だって、私を降ろしたら、そこが水浸しになってしまいますもんねー。王子様の膝の上に置いてた方が被害が少ないでしょうとも。


 私が言葉に詰まっていると王子様は「ごめんけどここに居て」と言いました。私がしぶしぶ首を上下に動かすと、王子様は何故かうれしそうに微笑みました。そして、大きな爆弾を投下しました。


「じゃあ、式はいつにする?」


 四季?指揮?始期?


「えっと......?何のお話しで」


「何って、僕と君の結婚式の話だよ」


 私、結婚するんだあ。


 びっくりですね。って、え?


「け、けっこん?」


「そうだよ。さっき、君は僕のプロポーズを受けたじゃないか」


「さっき?」


「ここにいて、って言ったじゃないか」


 あれかー!! あれがプロポーズだったのか!!てっきり床が大変なことになるから、膝の上にいて、っていう意味だと思ってたよ!!


「今更無しだなんて言わないよね?」


 王子様はなにやら、ダークなお顔をしていらっしゃいます。


 もしかして、私嵌められた......?


「あの、私陸じゃ、生活できな......」


 あぁ、王子様のお顔がますますダークに!!


「えへへ......。なんでもないデス」


 ここは、必殺、日本人スマイルでごまかしました。


 そう言えば、私さっきから、王子様の部屋の三分の一を占めているとあるものが気になるのですが、私の今後に関わるので、聞いても良いでしょうか。王子様のプロポーズを断る気なんてさらさらありませんしね。海に戻りたくないですし。......王子様、コワイですし。


「もしかして、あそこに住め、なんて言いませんよね?」


 王子様は、私の視線を追い、後ろへと目をやりました。正しくは後ろのドデカイ水槽に。


「まさか。あれは、君が寂しくないように、海は生き物を飼うためのものだ。もしかして、あそこが良かったの?」


 全力で首を振らせていただきました。人間としての尊厳は棄てましたけど、人魚としての尊厳は棄てていませんからね!! 


「じゃあ、私はどうやって.......、ふっ」


 私は、最後まで言葉を紡ぐことが出来ませんでした。王子様の唇が私の唇が触れたからです。


「どうって、こうだよ」


 私の尾びれが消え、代わりに綺麗な二本の足になりました。


 うわぁ、惚れ惚れするくらいの美脚だぁ.......


 じゃ、なくて!! どこに行った!? 私の尾びれ!!


「いい反応をするなあ」


 王子様は、なにやら嬉しそうに言いました。


 あれ? まずくね? このままだと私、結婚まで一直線じゃね?


 別に、王子様との結婚が嫌なわけではありません。むしろ嬉しいですし。でもね、やっぱり、ほら? こ、心の準備とか、ね?


 猫の方が気楽でよかったなあ……。


 そう思った瞬間、私は猫の姿に戻っていました。王子様は、なにやら悔しそうな顔をしています。


「僕の努力が......」


 私が、人魚に戻ったり、人間になったりしたのは王子様の仕業だったのですね。


 

 再び、猫になってしまった理由は分かりませんが、しょんぼりしている王子様を慰めるのが先決ですね。




 私の猫ライフはまだ続くようです。

これで、本当に終わりです。

最後まで読んで下さってありがとうございました!!

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