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親友のショタコン疑惑。

 

 教室に入ると、アシュレイが天使の微笑みで声をかけてきた。


「おはよう、アメリア。リボンは止めたんだね。あのリボンも馬鹿まるだしで可愛かったけど、そのバレッタの方が素敵だね」


「おはよう、アシュレイ様。…うっ、馬鹿っぽかったのね」


 ……うすうす自分でもそうじゃないかと思ってたけど、異性の、しかも、美少年に言われるとなかなか精神的にくるものがある。ずーん。


「ふふっ。ある意味可愛いかったよ。…それにしても、素晴らしい細工だね。センスもいい」


 おっ、アシュレイに褒められると本当っぽくて嬉しい!


「ありがとう!カーリーというアーティストの作品よ。よかったら贔屓にしてあげて」


「ふうん。覚えておくよ。……君の友人が来たみたいだね」


「おはよう、リア!やっぱりすごく可愛いわっ!似合ってる」


「おはよう、エリー。ふふ、ありがとう」


 クラスメイトだし、紹介した方がいいよね?


「アシュレイ様、こちら私の友人のエリザベス・コート。エリー、こちらはアシュレイ・スチュアート様よ」


「初めまして、コート嬢。5年間よろしくお願いしますね」


 アシュレイが微笑みながら挨拶をする。エリーは、ほほを染め、小刻みに震えている。

 …可愛いもの大好きだもんね。


「私の天使が2人になった…!!!」


「エリー?!」


「…っ!私は、エリザベス・コートです。どうぞ、エリーとお呼びください。これから、よろしくお願いいたします!!!!」


 エリーが、幸せそうな顔で、騎士みたいに胸に手を当てて挨拶をする。

 え?もしかして忠誠でも誓ってるの?

 アシュレイが、ふっと笑うと、形の良いピンクの口元を隠すように手をあて、私にだけ聞こえるように呟く。


「お友達にも、頭が軽い部分があるようだね。類は友を呼ぶって本当なんだ?」


 ごめん、エリー、これ言い返せない。

 そして、アシュレイ…毒舌キャラか。


 私は、エリーを現実に呼び戻すべく、声をかける。


「エリー、席は自由みたいだけど、どこに座ろう?」


 私は、今までぽやっと生きてきたせいで、仲良くすべき家の子や、距離を置くべき家の子がわからない。いつもエリーに頼ってばかりいた。エリーが素早く教室に視線をめぐらす。


「そうね……あの窓側の一番後あたりにしましょ。そうだわ!スチュアート様!よろしかったら私たちと近くの席に座りませんか?」


 エリーがキラキラとした笑顔でアシュレイを誘う。


 エリー、もしかしなくてもアシュレイを囲い込もうとしてるよね?アシュレイは天使の皮をかぶった悪魔だよ?


 私は、親友が将来ショタコンになるのではないかとちょっと心配だ。


「う~ん、ちょっと一緒にいるやつに相談しないとね。ルド、どうかな?」


 え?ちょ……ルーデウスいつからいたの?


「…一番後ろの席に、俺たちを座らせてくれるならいいんじゃないか?」


 ルーデウスが教室全体を見渡して少し考えたあと、笑顔で答える。それにしても背が高いな。クラスで1番高い。


 エリーは、ルーデウスを紹介された後しばらく彼に警戒していたけど、ルーデウスは余裕の笑みだ。


「俺みたいなやつがアシュレイの近くにいないと危ないんだよ。こいつ昔から変な奴に誘拐されそうになったり、しつこい令嬢に付け回されたり…話題に事欠かないから」


 と朗らかに言うと、なにか通じるものがあったのかエリーが「そう、同志ね。これからよろしく」と朗らかに返していた。


 打ち解けてくれてよかった。


 結局、私たちは1番後の窓側にルーデウス、その横にアシュレイ、窓側の後ろから2番目にエリー、その横に私となった。後ろがアシュレイってなんか落ち着かないんだけど…。



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