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異世界転移したけどチートがなんか気持ち悪い  作者: Mei2
7章 息継ぎと希望
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7-1 惰眠と飛翔

7章は休息的ななにかです。ラブかどうかはわかりませんがコメディ要素高めです。



ユートが居間に行くと、もう全員が起きていた。


あれから六時くらいまで話し込み、シューミルが起きてきてから交代とばかりに床について、起きてみればもう2時だ。疲れていたとはいえ、少し寝すぎてしまった。


「おはよう・・・でしょうか。すみません。少し寝すぎました」

「あら。休息は大事よ? それに私たちもさっき起きたところだしね」


確かに、ゼフィーの特徴的な桃色の髪は少しハネているし、夏芽さんも眠そうだ。ただ、稔さんだけはいたって普通に銃の手入れをしている。


「ま、年の差、ってやつだな」


稔さんが声変わりの済んでいない声でそんなことを言う。身長もシューミルとさして変わらないくらいなので、夏芽さんの年が離れた弟くらいにしか見えない。銃を丁寧に掃除するミスマッチと相まって、ユートは少し笑ってしまった。


「稔パパ、加齢臭ー!」


ゼフィーが煽って、頭グリグリの刑に処されている。やはり兄妹(きょうだい)喧嘩にしか見えなかったが、黙っておこう。


「ところで、普段って何してるんですか?」

「そうねぇ。私は料理の練習をしたり、稔の腕試しに付き合ったりしているわ」

「大抵俺はモノ造りかトレーニングだな。前はビール腹だったからか、運動しようと思ってな」

「ゼフィーはお絵かきしてるー!」


三者三様なようだ。自分は何をしようか。


「シューミルはどうする?」

「もう少し家の勝手を教えていただこうかと思っています。掃除とかを身に着けようと思いまして」


じゃあ目下は三人について行ってみて一緒に行動してみよう。何かやることや出来ることが見つかるかもしれない。


「ちなみに今日は?」


今日はもう昼なので、やれることは少ないだろう。けれど、何かをするのなら早いほうがいい。


「ああ、みんなでちょっと出かけるつもりだから、ぼちぼち準備してくれ。そのための銃整備だ」


稔さんはそう言って、また楽しそうに銃を手入れし始めた。





「さて。忘れ物はないな?」


玄関の前で、荷物のチェックをする。持っていくものは、携行品と剣、そして大量の水だった。


何に使うのかはわからないが、2ℓペットボトルを何本も用意している。今までは手分けして運んでいたらしいが、今回はユートが〈身体収納(ストレージ)〉で運ぶことになった。役割その1である。


稔さんは初対面の時も着ていた赤の上着を着ている。夏芽さんもゴスロリドレスに着替えている。ゼフィーはいつも通り、というかほぼ毎回違う格好をしている。今回は荷物を赤のランドセルに入れていた。


「それじゃ・・・出発!」


家から外に出る。相変わらずの赤い世界だった。


「さて、今日はどうやって移動するかじゃんけんで決めようぜ!」


稔さん、いやミノルが拳をぶんぶん振り回しながら楽しそうに言う。


「あら、ミノル。二人のことを忘れてしまったのかしら? あなたの〈不死鳥(イモータルバーニング)〉は移動には向かないのではなくって?」

「お、そうだったな。じゃあ今回は二人で決めてくれ」


二人の口調は家の中でのそれとは変わっている。ここが異世界であり、油断は出来ないということを自覚するためのマインドセットだろうか。単に楽しくてやっているのかもしれないが。あるいは、ほかに別の意味があるのか・・・?


ちなみに、ゼフィーは普段通りだ。中身のことも考えるとゼフィーが一番闇が深い気がするのは気のせいではあるまい。


じゃんけんの結果、ゼフィーに決定したようだ。全員で円になるよう手を繋いだ。


「じゃ、いっくよー! 〈限定天装(リミテッドヘヴン)〉!」」


体がなんの負荷も受けずに持ち上がり、空をふわりと進み始める。


「わぁ・・・・」


シューミルは自分の背に生えた翼をうっとりと眺めている。そう言えばシューミルは初体験だったか。


「じゃ、出発しんこー!」


桃色の髪をなびかせ、一直線に飛んでいく。ユートもそれについて行った。


ちなみに、翼を動かす意識などはしていない。こっちに進みたいと思うだけで勝手に進んでくれるのだ。タ〇コプターもびっくりである。


「ひゃっほーい!」

「どっちが先に向こうにつくか競争な!!」


二人は先に飛んで言ってしまう。


「あらあら、楽しそうですわね。お二人もスピードは出せそうでして?」

「俺は大丈夫。シューミルは?」

「あっ、はい! 大丈夫です!」

「それでは行きましょう」


加速と念じ、先に行ってしまった二人の背中を追いかける。


頬を撫で髪を揺らす風が、気持ちいいと思った。





「さて、と。この辺かな」


一番乗りだったのはミノルだった。ゼフィーは僅差で負けたようで、結構悔しがっていた。


「ここで何をするんですか?」

「そうだな―――開発、だ。何か向こうにあったもので、欲しいものとかあるか?」


向こうとは地球のことだろう。〈化学変性〉で作れるんじゃなかったのか?


「いやぁ、一度作ったことがあるものなら平気なんだが、初めて作る物はたまに失敗してな。たまに爆発するものもあるんだよ。あ、そうだ。持ってきた水をくれ」

「ミノルったらねー、家半壊させちゃったんだよ!!」


半壊・・・よく生きてたな。〈身体収納(ストレージ)〉で水を取り出して手渡した。


「それに、ここにも少ないけど魔物は出るんだよ? 魔力察知されて襲い掛かってくるから、場所を移したってこと。ほかにもスキルの試し撃ちをしたりするからね」


なるほど。つまり滅茶苦茶になってもいい手ごろな場所を探していた、と。


「んじゃ俺から、と・・・〈化学変性〉」


水を材料として、ミノルが化学変性を発動した。






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