5回裏、タイタンズの攻撃
5回表終了後 岸和田ベンチ
スコアは 5-0。
岸和田のエース・御堂悠真はベンチへ戻ると、帽子を脱いで深く息をついた。
球数はすでに80球を超えている。
監督は静かにブルペンへ目を向けた。
そこでは、
2番手・南野拓真が、本格的に肩を作り始めていた。
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ブルペン
「バシッ!!」
ミットへ突き刺さるストレート。
御堂以上の球威。
捕手も思わずうなずく。
「球は来とる」
「今日もええ球や」
しかし。
タイタンズベンチには、その南野の詳細な分析資料がすでに共有されていた。
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真央がタブレットを開く。
「南野投手のデータ、再確認します」
画面には過去の試合データが並ぶ。
南野拓真
* 平均球速:133~136キロ
* 最速:138キロ
* 高回転ストレート主体
そして、その下に赤字で表示されている弱点。
制球にばらつきあり。
特に、
右打者へのインロー。
失投率が最も高い。
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絵里が投球チャートを指差す。
「このコースです」
「狙ったボールが真ん中寄りに入りやすい」
「逆に外角はかなり丁寧です」
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川原監督が選手たちを見る。
「ええか」
「南野が出てきたら」
「狙い球は一つや」
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正則がうなずく。
「インロー」
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藤原航も続ける。
「そこ以外は無理して振らん」
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亜由美が笑う。
「待てる球だけ振るんやね」
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監督もうなずく。
「そうや」
「データは何のために集める?」
誰も答えない。
監督が自分で答えた。
「狙い球を絞るためや。」
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タイタンズ打線の共通確認
真央が最後に補足する。
「南野投手は球威があります」
「追い込まれると厳しいです」
「だから」
「ボールをしっかり見極めて、球数を投げさせてください。」
絵里も続ける。
「ファウルで粘るだけでも効果があります」
「球数が増えるほど、インローが甘くなります」
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選手たちが静かにうなずく。
タイタンズの野球は、ただ強く振るだけではない。
事前の情報収集。
試合中のデータ更新。
相手投手の変化。
そのすべてを組み合わせ、
「どの球を待つか」
を全員で共有していた。
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川原監督が最後に笑う。
「相手が速い球で押してくるなら」
「こっちは頭で勝負や」
「慌てる必要はない」
「しっかり球数を投げさせろ」
ベンチ全員が「はい!」と力強く返事をする。
タイタンズは、次の投手交代もすでに見据えながら、冷静に次の攻撃への準備を進めていた。
5回裏 大阪タイタンズの攻撃
スコアは 5-0。
この回から、岸和田はついにエース・御堂を下げる。
マウンドへ向かうのは、
南野拓真
球威は御堂以上。
ブルペンから140キロ近いストレートを投げ込み、観客からもどよめきが起きていた。
しかし。
タイタンズベンチには、真央と絵里がまとめた詳細な分析データがある。
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真央が最後に確認する。
「狙いはインローです。」
絵里が続ける。
「高めは伸びます。」
「外角もまとまっています。」
「でもインローだけは、制球が甘くなる傾向があります。」
川原監督がうなずく。
「焦るな。」
「狙い球以外は見逃せ。」
「球数を投げさせるぞ。」
選手たちが力強く返事をする。
「はい!」
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4番 三宅奈緒
奈緒は初球を見送る。
ボール。
二球目も外角。
見送る。
三球目。
狙っていたインロー。
少し甘く入る。
奈緒が迷わず振り抜く。
カキーン!
打球は左中間を真っ二つ。
レフトもセンターも追いつけない。
奈緒は二塁へ滑り込む。
ツーベースヒット。
ノーアウト二塁。
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5番 藤原航
航も慌てない。
ファウルで粘る。
ボールを見極める。
カウントは2-2。
六球目。
またインロー。
航がコンパクトに振り抜く。
打球はライト線へ。
二塁走者・奈緒がホームイン。
航も二塁へ。
タイムリーツーベース。
6-0。
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6番 加藤亜由美
岸和田ベンチがざわつく。
監督が叫ぶ。
「低め行くな!」
だが、南野は力んでしまう。
カウント2-1。
四球目。
インローがまた甘く入る。
亜由美が鋭く引っ張る。
打球は三塁線を破る。
航が一気にホームイン。
亜由美も二塁へ。
三者連続ツーベースヒット!
7-0。
タイタンズベンチは総立ちになる。
真央が思わず言う。
「完全にデータ通りです!」
絵里も笑顔でうなずく。
「狙い球を徹底しました!」
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7番 川上眞子
ここで川原監督がサインを出す。
送りバント。
初球。
眞子はきれいに三塁側へ転がす。
南野が処理するも、
送りバント成功。
ワンアウト三塁。
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8番 村瀬涼太
岸和田は前進守備。
村瀬は最低限を狙う。
初球、ボール。
二球目。
高めのストレート。
しっかり振り抜く。
打球はセンターへ。
センターが前進して捕球。
三塁走者・亜由美がタッチアップ。
ホームイン。
犠牲フライ成功。
8-0。
ツーアウト。
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9番 河内正則
正則も積極的にいく。
しかし南野も意地を見せる。
高めの速球。
内角。
最後は外角いっぱい。
正則、空振り。
三振。
スリーアウトチェンジ。
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5回終了
タイタンズは、
* 三者連続ツーベースヒットで2点。
* 送りバントで一死三塁。
* 犠牲フライでさらに1点。
この回だけで3点を追加し、
8-0とリードを大きく広げた。
タイタンズは、真央と絵里の情報収集と詳細なデータ分析を基に狙い球を徹底し、相手投手に球数を投げさせながら甘く入った球を確実に仕留める、まさに「データ野球」の真骨頂を見せていた。




