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河内正則・栄光への道  作者: リンダ


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37/39

ベスト8へ。

6回表 松原ドリームナインズの反撃


スコアは 6-0。

だが、松原ドリームナインズはここで終わるようなチームじゃなかった。


マウンドには引き続き河内正則。

ここまで流れを握ってきたが、さすがに相手打線も黙ってはいない。


先頭打者


初球から振ってきた。

打球は鋭い。


一二塁間を破る。


ライト前ヒット。


松原ベンチが少し沸く。



2番打者


続けて、今度は外角低めを逆らわずに打ち返す。

打球はセンター前。


連打。


ノーアウト一・二塁。


タイタンズベンチが少し張りつめる。

試合に入って初めて、松原がまとまった形でチャンスを作った。


藤原航がマウンドへ行く。


「正則、まだ大丈夫や。

一人ずつや」


正則はうなずく。


「わかってる」



3番打者


ここで松原は強く振ってくる。

だが正則は逃げない。


内角寄りに見せて、外へ。

高めを見せて、低めへ。


打者は振りにいく。

しかし、芯を外される。


打球はショート方向。

朝倉美羽が落ち着いて処理し、二塁へ。

一塁へは間に合わないが、まず一つ。


ワンアウト。



4番打者


この打者も長打がある。

ここで一本打たれれば、一気に試合がわからなくなる。


正則は慎重に、でも弱気にはならない。


初球ストライク。

二球目ファウル。

三球目、外へ外す。


追い込んでからの四球目。

低めへ、重い球。


打者は差し込まれる。


打球はサードゴロ。

金町圭介が捕って、一塁へ。


ツーアウト。


走者はそれぞれ進塁し、

二死二・三塁。



5番打者


ここで松原の5番。

打たれたくない場面だった。


だが、相手もさすがに簡単には終わらない。


正則の外角球を、しっかり引っ張った。

打球はライト線へ。


タイムリーツーベース。


二塁走者が生還。


6-1。


さらに一塁走者も一気に三塁を狙う。

結果、二死二・三塁。


松原ベンチが大きく沸く。

ようやく、反撃の一点を返した。



6番打者


ここで切らないと、流れが変わる。


藤原航は、ミットを低く構えた。


「最後、打たせてええ」


正則は深く息を吸い、投げる。


外角低め。

打者は引っ張りたい。

でも、バットの先。


打球は一塁方向へ転がる。


ファーストゴロ。


三宅奈緒が落ち着いて捕って、一塁ベースを踏む。


スリーアウト。


チェンジ。



6回裏 タイタンズの攻撃


流れを引き戻したいタイタンズ。

だが、松原の投手もここで意地を見せる。


この回は 4番から。


4番 三宅奈緒


外角の伸びる球に差し込まれ、

打球はセカンドゴロ。


ワンアウト。


5番 藤原航


粘るが、最後はインコースの厳しい球。

詰まってショートフライ。


ツーアウト。


6番 金町圭介


思い切って振り抜く。

だが打球は浅いレフトフライ。


スリーアウト。


タイタンズも、この回は 三者凡退。



6回終了


松原ドリームナインズは、ようやく 1点を返した。

それでもスコアはまだ 6-1。


タイタンズは追加点こそ取れなかったが、

致命傷になる前にきっちり切った。


そして、試合はいよいよ最終回へ向かう。



この次は自然に

7回表:星野慎一がマウンドへ。松原の最後の反撃を断つ

に入れる。




7回表 松原ドリームナインズ 最後の攻撃


スコアは 6-1。


あと三つ。


タイタンズベンチには、もう浮ついた空気はない。

川原監督が静かに告げる。


「締めるぞ」


マウンドへ向かうのは――


星野慎一


星野はグラブを軽く叩き、マウンドへ上がる。

ここまで、


* 智雄が“時間”を壊し、

* 正則が“力”で押した。


その最後を締めるのが、星野だった。


捕手・藤原航がミットを構える。


「真一、全部ストライクでええ」


星野が笑う。


「望むところや」



7番打者


初球。


ズバン!!


ミットに突き刺さる。


今日の星野は、さらに速い。

短いイニングだからこそ、最初から全開。


打者が思わず一歩引く。


二球目。

また速球。


ファウル。


追い込む。


三球目。

内角高め。


打者は振った。

だが、完全に差し込まれる。


バットが空を切る。


三振。


ワンアウト。



8番打者


松原ベンチが叫ぶ。


「まだ終わってへんぞ!」


だが、星野のテンポは止まらない。


初球、ストライク。

二球目、外角低め。

打者は当てにいく。


打球はセカンド方向。


宮本さくらが前へ出て捕球。

そのまま一塁送球。


アウト。


ツーアウト。



9番打者


あと一人。


松原の最後の打者は、悔しそうにバットを握る。

だが、星野は表情を変えない。


初球、速球。ストライク。

二球目、さらに速い。


ファウル。


0-2。


航が最後に要求したのは――

外角低め。


星野が投げ込む。


打者は食らいつくように振る。


だが、バットの先。


打球は浅いライトフライ。


村瀬涼太が前へ出る。

グラブを上げる。


捕球。



ゲームセット


大阪タイタンズ 6-1 松原ドリームナインズ


最後のアウトが収まった瞬間、

タイタンズベンチが一斉に飛び出した。


智雄が星野の肩を叩く。


「速すぎやろ今の」


正則も笑う。


「最後、完全に押してたな」


星野は少し照れくさそうに言う。


「最後くらい、派手に終わりたかったんや」



試合総括


* 智雄の緩急投法

* 正則の制圧力

* 星野の速球

* タイタンズのいやらしい攻撃

* 女子選手たちの安定した守備と走塁


すべてが噛み合った試合だった。


真央がスコアブックを閉じる。


「……勝因、完全に“流れの作り方”ですね」


絵里もうなずく。


「打ち合いにしなかったのが大きいです」


川原監督が選手たちを見渡す。


「よし」


「次、ベスト8や」


夏の大阪は、まだ終わらない。





■チーム打撃まとめ


打数:24

安打:8

本塁打:1

三塁打:1

盗塁:0

犠牲打:3


得点内訳


* 犠牲フライ

* スクイズ

* タイムリー

* 本塁打



■試合分析


真央総括


「今日は“打ち崩した”というより、

“相手投手のリズムを壊し続けた”試合です」


「特に内野安打と送りバントが効いてます」



絵里総括


「松原は打撃の強いチームでしたが、

タイタンズは“打たせ方”で勝ちました」


「投手リレーも完璧です」



川原監督が最後に言う。


「派手な試合やない」


「でもな」


「こういう野球が、一番強い」


選手たちは静かにうなずいた。


ベスト8。

タイタンズの夏は、さらに熱を帯びていく。







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