気持の交差 後篇
「…確かに私は争い事、そして悪口などそこらが大の嫌いです…ましてや暴力など、氷野さんが言う血生臭いことなんて凄く大っ嫌いです…、ですがそれはそれです…昨日の事に関しては別の話です…昨日の事は狩野くんが一生懸命になって私をあの二人の生徒から助けてくれました…確かに暴力は暴力でしたけどそれは私を助ける為に仕方なくです…私はそんな二人の生徒から助けてくれた狩野くんにとても感謝していますし嬉しかったです…もし、あの時狩野くんがあそこを通り掛からなかったから今でもきっと私は虐められていたと思います…いえ、違いますね…下手をしたら私があの二人に精神的に、殺されていた可能性すらもあります…」
「っ・・・」
雪奈のその話は実体験なだけあるのかわからないがとても生々しく、寒気さえもするようなそんな感じだった、陽太はそんな雪奈の会話を聞いては息を飲んだ
「…考えるだけでもとてもお腹が抉られそうな、そんな感じがします…とても怖くて怖くて頭が気が狂いそうになります…、ですがそんな闇から狩野くんは私を引きずり出してくれました…多少強引かもしれません…ですが狩野くんの昨日の行動はとても大正解な判断だと私は思っています…」
「っ…だ、大正解…?」
「…はい、虐められた経験のおかげ、なんて言いたくありませんがそれのおかげかであのような、昨日のあの二人のような人達はまず言葉が通じないのだと、そう思いました…」
「…!!」
雪奈が俯いてはそう言ったことに陽太はふとフラッシュバックのように頭の中に小学校の頃、虐められていた時の事を一瞬思い出していた、そしてそれは雪奈の言う通り虐めを行う者には絶対に口が効いた覚えがないのだと、そう思い出していた、そして結果的に解決できるのはいつも暴力なのだと
「…虐めを行う者には口など言葉は通じずあのような者には理性という人間本来、人が持つ物が欠けています…ですから動物と同じで手でわからせないとダメ…そう私は昨日学びました…虐めを受けたことがない方にとっては私の言っていることはとてもおかしな話かと思います…ですが虐めを受けたからこそこう私は学ぶ事ができました…ですから狩野くん、昨日の事に関しては本当にありがとうございました…すごく、嬉しかったです…」
「っ…よ、夜桜…」
「…ですから、その…つまり、私は別に狩野くんの事嫌ってなんかいませんよ?そんな命の恩人である人をそんな嫌ったりなんかしませんし、先ほど言った通りちゃんとそこらは区別ができます…!それと狩野くん」
雪奈はなにを思ってかそう言っては呆然と固まっている陽太の頬を両手で包み込むようにしては触った、陽太はそんな雪奈の行動になにも言えず動揺した
「…狩野くんは私の事を聖人など、そう思ってるかもしれませんが私もちゃんと人間なんですよ?ちゃんと昨日の二人に関してはとても恨んでいます、許すなどそんな事決してありませんし、同情などそんなこともってのほかです、…ですから、えっと、ですね…」
雪奈自身ちゃんと考えているわけでもなく思った事をそのまま言っている為か頭の中で整理できていなかった為か焦っては顔真っ赤にしている、また陽太はなんとなく、雪奈の言いたいことがわかったのか雪奈のその頬を包みこんでいる手を触れては言った
「っ…か、狩野くん…?」
「…大丈夫、落ち着いて言ってよ」
「!え、えっと…は、はい!」
触れられたことからか雪奈は我に戻され、そして陽太からそんな言葉を掛けられては少し安心できたのか手を元に戻してはそう笑みを浮かべ返事をした、そして言いたいことが見つかったのか笑みを浮かべたまま言った
「…私は、狩野くんが思っている程に優しいわけではないです、ちゃんと悪いこと、悪事を働いた人に関しては許しませんし関わりたいとも勿論思いません、ですが仕方なく、昨日の狩野くんの様な事でやってしまった事に関しては私は全く嫌いになんかなりません、ましてや昨日の事に関しては私を助けてくれたんです、嫌いというよりも逆に好きになってしまうぐらいです、…ですから狩野くん、私がそんな聖人のような人だなんて思わないでください、そしてそのような罰を働いた人に関しては決して関わりを持ちたいとも思わず、逆に大っ嫌いですから、そう思ってください、後そのような虐めをする人に同情を私がするなんて思わないでほしいです…、後私が狩野くんをそんな理由で嫌いになるなんて思ってほしくないです…私はそこまで助けてくれた人を嫌いになるほど腐った覚えはありません」
雪奈は一生懸命伝えたいのかそう少し長くなりながらも最後まで思った事を陽太にぶちまけるようにしては伝えた、また陽太にそんなふうに思われていた事が少し不快だと思ったのか怒ったような、でも優しい笑みを浮かべてはそう言った、勿論こんな風に言われた陽太は顔を青くしては頭を下げては謝った
「っご、ごめん!!俺、勝手にそんな事…!!」
陽太は自分はとんでもない事をしでかしてしまった、そう思ったのか思いきり頭を下げては大声でそう謝った、雪奈はそんな陽太に微笑んでは手を合わせ言った
「…顔をあげてください、狩野くん」
「っ…」
陽太はそう言われては顔を合わせるのが怖いのかそっぽ向きそうになった、だがそれはまた失礼なのではないか、そう思ってはちゃんと顔を合わせることにした
「…確かに私は今狩野くんの話を聞いては今言った通り少し怒りを覚えてしまいました……ですが、それ以上に私は狩野くんにそう思われていた事が悲しいです…自分を助けてくれた人にそう思われていた事がとても悲しいです…」
「っ…よ、よざ、くら…」
目を潤しては涙をため、そして涙声になっている雪奈に陽太はどうしたらいいのかと戸惑った、このまま泣かれては対処のしよう法がわからないと、そう思っていた
「…ですから、狩野くん」
「よ、夜桜、俺はーっ!?」
どうしたらいいのかと悩んでいる中俯いている雪奈がそう言っては突然抱き着いてきた事に陽太は驚いては唖然とした、今なにが起こっているのかと、そしてわかる事は首に手を回され思いっきり抱き着かれている事だった、ふんわりと鼻になにか自然の中にいるような、そんな匂いが漂った、つまり懐かしい匂いだった。そしてそんな事を思っている中雪奈は笑みを浮かべては陽太の耳元で言った
「…ですから、狩野くん、今からは私は絶対に狩野くんの事を嫌いになんかなりませんから、ですから私の事を信じてください、狩野くんはとても優しい方です、自分では最悪な人だと嫌っているかもしれませんがそんな事は全然ないです、氷野さんの言う通り狩野くんは全然優しい方で、じ、自分で言うのもなんですけど…私と氷野さんと似ていてとても優しくて心の温かい方です、またこれも氷野さんと同じなんですけど狩野くんのような方は今まで見てきたことがないです、とても希少な珍しい方です、是非ともその相手を思いやれる事ができるその心を絶対に忘れてほしくないです、…そして最後に、狩野くん、何度もしつこいかもしれませんが昨日は本当に助けてくれてありがとうございました」
雪奈は最後まで思っていた事を言うことができたのか陽太から離れては微笑んではとても機嫌良さそうにしては照れてはふふっ、と笑っていた、また一方で陽太もなんだかんだで雪奈のそんな話を聞いては納得する事ができたのか暗い表情は晴れていた
「…うん、話してくれてありがとう…俺、少し夜桜の事勘違いしてたみたいだね…、後ちゃんと今から夜桜の言う通り、信じてみることにするよ、少し時間が掛かると思うけどさ…」
「!はい!少しずつゆっくりで良いですので頑張ってください!応援してますよ狩野くん!」
「!…うん、ありがとう、心が晴れた気分だ…」
心の中のもやもやがスーッとどこかへ消えたのか陽太はそうすっきりしたような表情を浮かべてはそう言った、そしてそんな陽太に雪奈は驚くも笑みを浮かべては言った
「それは良かったです!昨日のお返しとして役に立てた気分です!」
雪奈もまた今回陽太の役に立てた事が嬉しかったのかそう言っては笑みを浮かべていた、また一方で陽太の思っていた事が少し嫌な所もあったがそれでも陽太の思いがちゃんと聞けた為か機嫌もとても良さそうだった、そしてまた雪奈の心の中は陽太のそんな優しさに触れたおかげかとても暖かくなっていた。とそんな事を思っている時にまるで話を聞いていたと言わんばかりにカタッ、カタッ、と音を立てては明乃が階段を上っては帰ってきた
「!氷野、お前下に行ってたのか」
「・・・え、ひ、氷野さんその下って…」
今まで明乃の存在など忘れていた陽太と雪奈は階段を登ってきた明乃を見てはそう言った、また雪奈はそんな明乃の登ってきた階段を見ては驚いた表情を浮かべていた
「・・・その様子だと話し合いはできたようですね」
「!あ、あぁ、まぁ」
「は、はい!ちゃんと狩野くんと話し合いました、ふふっ、狩野くんって凄く優しい人だったんですね、私が想像していたのより」
雪奈はそう明乃に言ってはふと思い出したのか陽太、雪奈と見てはそう微笑み笑っては言った、陽太はそんな雪奈の言葉に顔を真っ赤にした、一方で明乃はそんな雪奈と陽太に笑みを浮かべた
「…そうですね、凄く想像していた事と違い、最初私も驚きました、男のくせして、しかも変態なのに…世の中どんな人がいるのかわかりませんね」
明乃は皮肉なのかわからないがそう笑みを浮かべては陽太を目を細めてはにやにやとしてはそう言った




