妄想が現実になった
人という生き物は無意識のうちに呼吸をしている、呼吸をしていると言ったとしてもそれは口呼吸、鼻呼吸と二つに分かれる。そしてそれが無意識ではなく意識をして鼻呼吸をした場合どうなるか、そんな事はわかる、その空間にある中に浮いている菌、含めそこに漂っている匂いの元となるものが鼻に入り何がどんなものなのか、と認識する事ができる、そしてそれはまた活動、行動をせず眠ってしまっている者、または気絶してしまった者の意識さえも覚醒させる作用がある事を人はあまり知らない
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何回か嗅いだ事のあるような匂いだ、思った事を簡単に言ってしまうと不愉快な気分ではなく、逆に落ち着くような、逆に嬉しい気分になるような、そしてそれでいてまた懐かしい匂いだ、そしてその匂いの元となるものはなにか、それはお茶葉、そしてもう一つ保健室特有のあの薬品の匂いだ
「・・・んぁ…っ」
陽太はふと鼻の中に入ってきたお茶の匂い、そして薬品の匂い、または暖房のおかげか意識を覚醒させては起きた、あれから何が起きたのか説明をすると明乃が陽太を腹パンしそして気絶させてしまった、(明乃は別に気絶させたくてやったわけではなかったが)そしてそんな気絶した陽太を明乃はなんとか背負っては部室へ来たのだった
「・・・あぁ…そういや俺氷野に腹殴られて気絶したんだっけ…」
陽太はふと先ほどのその事を思い出してはつい服を捲っては腹を見た、特に目立った外傷の傷のようなものはなく特に腹が痛いというわけでもない事に陽太は一息付いては起きようとした、とそんな時にふと床にパサッと、何かが落ちた事に陽太は落ちた物を見た、そしてその落ちた物は
「・・・これって、タオルケット・・・だよな・・・?」
水色の特に冬専用として使われているような物ではなく夏でも使えるような、サラサラとした生地のタオルケットを取った陽太は掴んではふと触り心地の良さに反射的なのかわからないが頬に付けた、そして頬に付けると同時に洗剤なのかわからないが心地良い、精神的に落ち着く匂いを放っている事に気づいては匂いを嗅いだ
「っこれって、俺が氷野に借りたあの体操着の服と同じ、洗剤の匂い・・・・・・」
陽太はふとそう確認しては今自分が着ている体操着、とは言っても本来は戦時用に用意された特殊な体操着だが、そしてそれを思い出したと同時にこの体操着の性能も思い出した陽太は
「・・・・・・この体操着って衝撃耐性みたいなものがある服なんだよな…?なんで俺氷野に腹を殴られて気絶したんだ…?普通衝撃だとか吸収してくれるみたいなそんなもんじゃないのか…?」
陽太はそう思ってはもしかしたら嘘なんじゃないか、と思う一方でこの体操着には本当にそのような性能が付いている上で明乃に殴られ気絶する程という事を思ってはゴクリと唾を飲んだ、もしそうした場合この体操着を着ていず普通の体操着を着ていた場合衝撃など吸収などされずほぼ生身のまま喰らい、そうした場合ただ気絶するで済むわけではなく下手をすると生死を彷徨う事になっていた可能性もまたある、そう陽太は思ってはゾクゾクと鳥肌が立つほどに寒気を感じた
「っ・・・ありがとう体操着…ありがとうございます本部の方々…」
この話は例え話のようなもので嘘か本当かはわからないが陽太はもし本当だったらの為に体操着を見て、そしてどこの誰かわからないこの体操着を作った人達を浮かべては感謝した、深く深くと、実にくだらないように見えるが実際に生身で喰らっていた時の事を思うとこうなるのも仕方がないように思えてくるのもまた不思議な気分と言える、そしてそんな感謝感謝と頭を下げると同時にふと陽太は今自分の膝の上に置いてあるタオルケットを取っては思った、このタオルケットは誰の物なのか、と、大体悪く予想、想像してはまたこれも本部が作成、制作したものでそして一方でかなり明るく考えて明乃自身が使っているタオルケットなのでは、とそう考えた、勿論陽太が想像したのは悪い方でだが、良い方はあくまで願望なだけで現実にはありえない、そう陽太は思った
「・・・まぁ普通に考えたら本部が作った物なんだろうけど…っま、まぁ今は氷野も別にいないし…っぅ、ぅん…」
大体陽太ぐらいの年頃はそういう性に関して一番興味がある時期、そしてそんな一番興味がある時期なだけあり陽太はいけない事をしているような気分になりながらもそっと少しだけ期待を胸に抱いてはタオルケットを顔に近づけた、そして漂ってくる匂いは陽太自身が今着ている、というより貸してもらっている体操着の匂いと同じでつまり何が言いたいのかというとこのタオルケットはもしかしたら明乃自身が使っている所有物、私有物なのではとそう陽太は半強制的に妄想したのだ、実に高校生らしい発想だがアホに等しいとも言える、またなんとも言えない気分にもなる
「っ…な、なんか凄いいけない事をしているような…っぐ…」
陽太が今やっている行為は世間一般でいう背徳行為に含まれるようなもので、陽太はそう思っては罪悪感からかタオルケットを顔から離そうかと迷った、だが現実は非常なのか、またはその代償とでも言いたいのか、はたまた単に運が悪いのか突然足音もなくドアは開いた、勿論陽太は突然の事に体は硬直してはタオルケットに顔を埋めたままと、なんとも最悪なタイミングだった
「・・・」
「・・・っ」
何故か特になにか言われるわけでもなく無言の空気に陽太はどう言えばいいのかと考える一方で明乃はどこかに行っていたのか鍵を掛けてはスタスタと歩いた、そしてそんな明乃に陽太は耐えかねたのか
「っ…な、なぁ氷野・・・?」
「・・・・・・なんですか」
「っ・・・」
明らかに声色が変わっている事に陽太はドキッと緊張しつつ言った
「・・・俺は別にー」
「貴方にどんな趣味があるのか知りませんが・・・見てしまった私からした場合気持ち悪いとしか言いようがありません、ましてそのタオルケットは私が普段使っている物なだけあり余計に気持ち悪い、いえキモいです、ですがそのタオルケットを貸してしまったのは私、つまり貴方にどうそのタオルケット使われようと私はなにも言えない、実に権利濫用、または卑劣な外道とはまさにこの事ですね…恩知らずの猿野郎…最低です、跡形もなく木っ端みじんに分子レベルに粉砕して散ってください」
「っっちょ、い、いや!これはー」
横目でチラッと目を細めては明らかにゴミを見るような眼で見ては睨み付けてきてはそう言った明乃に陽太は弁解というよりも言い訳をしようと立ち上がろうとした時にそのタオルケットが足と足に絡まり、引っかかってかソファから転がるようにしては落ちた、しかも顔からだっただけに変に疼くような声を出しては顔を抑えている陽太、そしてそんな陽太を見た明乃は流石に呆れたのか今思っていた事がどうでもよくなっては深くため息付き陽太の元まで歩みよった
「・・・なにしてるんですか貴方は」
「っぐ…」
歩み寄った明乃は陽太の足に絡まっているタオルケットを引っ張ってはソファの上に投げるように載せてはしゃがみ見た、一方で陽太は鼻が微かに赤くなっている事に鼻を強打したという事がわかりまた痛さのあまりか涙目になりながら鼻を抑えていた
「・・・一応部長として言いますが大丈夫ですか・・・?」
「っっ…すっげぇ痛いけど…大丈夫だ…っ」
陽太はそう言っては涙目になりながらそっと鼻から手を放した、そして鼻を強打した事によるのか微かに血のような物が出ている事に明乃は気づいた
「・・・鼻を打った事により鼻血が出ています、タオルを濡らしてきますので貴方はソファに座って鼻をつまんで下を向いててください、また鼻にティッシュを詰めるなどバカな事はしないでください」
「っえ、俺鼻血なんか出てー」
そう言ってはハンカチのような物を取っては部室から出て行ってしまった明乃に陽太は別に鼻血など出ていない、そう言おうとした時にポタポタと床に垂らした事に慌ててそばにあったティッシュを取っては鼻を拭いた、だが次から次へと出てくる事につい鼻にティッシュを入れようとするも今さっき言われた事を思い出した陽太は慌てて止めては鼻をつまみソファに座った、そしてまた同時に思った事があった
「・・・氷野って保健室の先生とか向いてるんじゃないか…?」
陽太はそう思っては明乃が保健室の先生になった事を想像した、だが全く想像できない、しようがない事に考える事をやめては苦笑いした




