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思っているよりも他人は他人を見ている

そしてそれから特になにかあったわけでもなくあっという間に授業時間は過ぎていき五限目が終わった、陽太のこの入学した高校は他の他校と違い授業時間が少なく六限目だった、だが多い所だと大体が七限目まであり、そこから部活やらなにやらやる事になっていた、だが陽太のこの高校は勉強じゃなく部活に力を入れているのか六限目までしかなかった。陽太自身も部活に時間を掛けたかったのかこの高校に入学したような物だった、だがほんの少し本音を言ってしまうとできる限り勉強をしたくなかった、というのもあった。

そして今五限目の終わりのベルが鳴った、不思議とこのベルだけは小中高とどこに行ったとしても変わらずとても安心が出来る音響でもあり、でも時たま緊張する音響でもあった


「それではこれで五限目を終わりたいと思います、日直さん」


起立~


そしてこの一限一限終わるたびに皆が立ち礼をする、これもまた不思議と安心ができた。だがそれは小中までで今のこの礼はあまり気持ちがいい、心地が良い、とは到底思えなかった



「っはぁ~・・・やっと終わったぁ・・・」


五限目が終わった事に陽太は先生が教室から出て行った瞬間に机の上に崩れ落ちるように体を預けた、ずっと座っている為か体の緊張が解けとても心地がいい、そう思える一時、そう陽太は思えていた。また、それは陽太だけじゃないのか他のクラスメイト達も皆体を机に体を預けてはくたびれたような表情をしていた、しかも先ほどの先生はかなり厳しい先生で余計にだった、だが陽太の横にいる明乃だけは


「この程度の事で疲れるとは貴方は小学生か何かですか?だらしないです、それに同じ部員の者として恥ずかしいです、あまり私の目の前でやるのをやめてください、恥とストレスで胃に穴が開きそうです」


などと明乃はそう言いながら教科書を机の中にしまう、胃に穴が開きそうなどと言っている割には随分と思っている事と表情が異なっていた


「・・・もしそんなので本当に胃に穴が開いたら相当やばいな…もう毎日胃に穴、開きまくってるだろ…」


そんな些細な事でいちいち胃に穴が開いていてはいくつ胃があっても足りない、そう陽太は思い苦笑いした。そんな陽太に明乃は次の教科の教科書を机から出しては机の上に置き上から見下ろすように陽太を見た


「もし貴方が本当に今私の言った事をそのまま受け止めているのだとしたらそれは相当おバカですよ、そのような事で胃に穴など開いていたらスクールボランティアクラブ(部活)の部長なんてやっていられません、それに私が今言った事は疲れている貴方を少しでも元気付けてあげようとした部長なりの軽い冗談です。そんな事もわからないとは貴方失格ですね、床でも舐めて反省していた方が良いですよ残飯処理係さん」


「っあ、あ~そ、そうかってスクールボランティアクラブって本当に部活だったんだ・・・」


陽太はそう適当に返しては思った、それは毎回ながらよくそんな言葉が次々に思い浮かぶよなぁ、と例え思い浮かんだとしても面倒で言う気もなくすだろうと、そう思った


「正式に、表型にはないですがちゃんとした部活動です。貴方その腐った性根を丸ごと変える事ができるぐらいのちゃんとした部活です」


「っす、すっげえ意味がわからねぇ…というか俺の性根って腐ってるのか…」


冗談で言ってる事は勿論わかっているつもりだったが陽太は先ほど明乃に対して思った気持を考えてみては確かに自分の性根は腐ってるな、とそう思った


「・・・ところで」


「?ん?」


「・・・貴方のその隣の人とはお友達になれましたか?」


「・・・っ!?」


人という生き物は緊張した時、または危険に晒された時、驚きのあまり硬直するのは本当なのだと陽太はこの時直観的にわかった。まさか見られていたとは思わなかった陽太は明乃を見ては息を飲み動けないでいた、一方でそんな陽太がおかしかったのか明乃はクスッとどこか呆れたように微笑んだ


「なんですか?その顔、もしかして貴方はなにが芸能の方でも目指してるんですか?」


「・・・っぃ、いやいや!ちげえよ!な、なんでその事・・・!」


「?貴方はバカですか?あんな互いに顔を合わせて、しかも体を向けあってそれで見つからない方がおかしいです、まぁ幸い一番後ろの席だった為誰も気づいていませんでしたが・・・もしかしたら先生は気づいていたかもしれませんね、そうした場合貴方の出席はなしにされている可能性がありますが」


明乃はそう言っては鞄の中からお茶のペットボトルを取り出してはゴクゴク、と飲み閉まった、そんな明乃に陽太は


「っ・・・先生はともかくもし他の奴らに見つかってたら如月さん、やばいんじゃ…」


陽太はそう明乃を見てはもう向かい側の隣の席、沙世の席を見ては言った、今はどこか行っているのか居なかった。またなにがやばいのか、それはクラスの連中になにか言われる可能性が大にある、そう思ったからだった


「…まぁ、この教室の民度から見てもだいぶ低いでしょう、あっ、低いと言うのはガキのたまり場だと言うことです、決して勘違いしないでください、もし勘違いされては私のプライドがズタズタにボロボロになります、つまりなにが言いたいのか、それは、あまり期待をしない事です」


「っ・・・」


随分とボロクソに言っている割にはかなり的が当たっているように感じた、しかも明乃自身が言うだけで何倍にもその可能性は膨れ上がり不安しか生まれなかった。とそんな事を思っている一方で明乃は教科書、筆記用具を持ちどこかへ行こうとした


「?お、おい、どこ行くんだよ?」


「・・・?どこって、次は移動教室ですよ、後次は理科ですから」


明乃はそう言い残しては教室から出て行った、それを見ていた陽太は慌てて理科の教科書、ノート、筆記用具を持っては追いかけた



廊下


「っひ、氷野待ってくれよ、お前足早すぎ!後まだ十分もあるんだぞ!?」


「早いことに越した事はないです、後何回も言いますがあまり近づかないでください、私にも貴方のだらしない生活習慣が移ります、また風評被害です」


「っぐ・・・な、なにも言えない…っておわっ!?」


あまりにも速足で歩く明乃に付いて行っていた陽太だったが慣れない速足にか足と足が絡まったのか、または躓いたのかど派手に転んだ、そして幸い人がぎりぎり全くいなかったのが救いなのか断末魔のような声は廊下に響き渡るも特になにもなく済んだ、そしてそれを見ていた明乃は深く深くため息付いた


「・・・・・・もし、今私と貴方以外に人がいた場合真っ先に私はそこのトイレに隠れていたか、または貴方をそこの窓から突き落としている所でした、後貴方はドジなのですか、またはわざとなんですか?」


「・・・っよ、よくあるだろ…普段慣れない事をやると失敗するんだよ…生憎俺は運動神経全然無くてだな…」


「・・・この事に関してはもはや運動神経関係なく貴方その足の骨が心配ですね…骨粗鬆症なんじゃないですか?」


「っ俺はまだ現役ばりばりの高校生だっての!」


老人じゃあるまいし、まだまだ若いわ!そう心の中でツッコミ叫んではそう口に出し言った、明乃はそんな陽太を見ては


「・・・そうですか、では本当にドジなようですね…後」


「?」


ポス、っと頭の上に何か乗せられた事に陽太は上を向いた、それは先ほど転んだと同時にぶちまけた筈の教科書、そして筆記用具だった


「転ぶのは、まぁ、誰でもありますが流石に手に持っている物をぶちまける人は初めて見ました、驚きしかありません」


「・・・っお、俺だって投げたくて投げたわけじゃないって」


本当に心底驚いているのか、またはありえない物でも見ているのかような表情をしている明乃に陽太はつい恥ずかしくなり少し乱暴気味に教科書を奪った


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