すべてはお前が傍に居てくれたから
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「・・・突き指をしてそれで遅れた、と?」
「っは、はい、そうです・・・ッ」
そして今戻ってきた陽太だったが当然遅刻した理由を今言っている所だが陽太は横目で一番後ろの真ん中の席で平然とした表情で黒板の文字を写している明乃に陽太は内心舌打ちしていた、仮にも部員、しかも怪我を負わせた本人、遅れる事ぐらい言っておいてくれてもいいじゃないか、と慈悲を感じた
「・・・そうですか、では席に付いてください、怪我の場合は仕方がありません」
「!は、はいわかりました、ありがとうございます」
怒られる、そう予想していたものの案外怒られるずに済んだ事に陽太は安心した、そして席に戻ろうと後ろへ歩いていくが
突き指とかあいつ絶対喧嘩か何かしたよな…
あの人、絶対関わっちゃだめな系だよねぇ…
確かに、良い人ぶってるけど絶対内心やばい事考えてるよ…
授業に集中できないのか、または余程陽太の事が怖いのか、そう後ろへ向かっていく陽太を見てはボソボソと言った、当然そういう事に敏感な陽太はそちらに耳を傾けてしまい席に戻っては溜息を吐いた
「・・・はぁ…」
「随分と深い溜息ですね、どうかしたんですか」
「!・・・別に…っというか、さっき部室の部屋なんか開かなくなったんだが」
元はと言えばお前のせい、そう陽太は言おうとしたが何かを言った所で無駄、そう思った所で先ほどの部室の事を思い出し言った
「?・・・あぁ、あれですか、一々部屋を閉めるのが面倒なので自動に締まるようにしたんですよ、それに私の方が先に出てきてしまったので丁度良いと思いまして」
「・・・あぁ、そう」
黒板の文字を写してはこちらに見向きもしない明乃に陽太はそう言っては教科書を机の中から出しては少し乱暴に叩き付けるように置いては頭を伏せた、と同時に思った、なんでもありじゃねぇか、と、あの部屋のドアは普通の学校のドアでそんな自動などという便利なドアなんかじゃない事にそう思った
「・・・随分と不貞腐れた子供のような態度を示していますがどうかしましたか?」
「・・・さぁ、疲れただけだ」
いくら暴言、苦言を言われて心地が良いなど変人思考をするも陽太は仮にも普通の人間であり、高校生であり今日一日であった沢山の出来事に疲れていた、しかも今日一日でクラス全体を敵に回したようなもので陽太はそんな沢山の事に疲れ、不貞腐れていた
「・・・そうですか、後友達の一人二人は作っておいた方が良いですよ、このままでは本当にクラス全体から嫌われる可能性がありますので」
「っ!お、おま」
元はと言えばお前のせいでこんな事になって、そう陽太が言おうとした時だった、足に何かが触れた事に気づいた、陽太はその足に落ちた物を確認した、それは消しゴムだった、誰の消しゴムかと拾っては周りを見渡した、だが誰も消しゴムを落としたらしき人はいなかった、とそんな所に
っぁ、ぁの…
「!」
横から小さい声で声を掛けられた事に気づき陽太は横を見た、そこには怯えた女の子がいた、童顔な顔に黒いポニーテールの髪が良く似合った可愛い女の子だった、だが陽太と目線が合っては震えている様子、大体理由はわかるが
「・・・っあ、もしかしてこれ、君の?」
「!は、はぃ…」
目線を横、または下にずらしては青い表情をしそう言った、その子の目線に陽太は少し心が痛むも手の中にある消しゴムを渡した
「はい」
「!あ、ありが、とう…?」
陽太から普通に渡された事が余程不思議だったのか、その女の子は茫然としたまま陽太から消しゴムを受け取った、一方で陽太は先ほど明乃から言われた事が気がかりになっていたのか勇気を出して聞いた
「っね、ねぇ、ちょっと良いかな…?」
「・・・っ!!は、はい…?」
茫然と陽太を見ていた時に突然話しかけられた事に女の子は驚きながらも慌てて口を押え返答した、相変わらず陽太が怖いのか、または緊張からなのか目を合わせられないでいる
「っい、いや、さ…俺って、そんなに不良に見える…?」
「・・・えっ?」
「!あ、い、いや…俺ってもうほぼ皆から不良って思われてるから、さ…俺は全然そんなつもりはないし、ただ偶然間が悪くてこうなっちゃったというか…あ、あはは…ごめん…変な話したね」
陽太はうまく説明できない事からそう言っては後頭部を掻き苦笑いした、陽太も緊張しているのか手が震えていた、女の子は陽太が無理をしている事に気づいたのか、または気づいていないのかわからなかったが
「・・・っよ、よくわからないけど…い、今私が見た限りだと…えっと、狩野君は、そ、そこまで悪い人ではなかった、気が、する…よ…?」
あまり話をしていて他の人にばれた場合自分も被害被る、そう思っていた女の子だったが陽太の様子を見てはそうできる限りを尽くしそう言った、そしてそれを言った女の子はまた目線を外しては俯き頭を下げた、陽太からの返答、反応が怖いからなのかもしれなかった、だが
「・・・っそ、それ、本当…か?」
「!か、狩野君・・・?」
余程普通の反応が返ってきた事が嬉しかったのか陽太は驚いたような、でも少し泣きそうな表情をしてはそう女の子に言った、そして一方で女の子もそんな陽太に驚いていた
「!ぁ、い、いや・・・え、えっと…名前、なんて言うんだっけ…?」
「!あ、う、うんき、如月沙世ってい、言い、ます…」
名前を聞かれた事に緊張しているのか沙世はそう言っては敬語になった、一方で名前を教えてくれた事が嬉しかったのか陽太は
「っそ、そっか、如月さん、か、え、えっと、これからクラスメイトとして、よ、よろしく!」
「!う、うん、よろしく、ね?」
歓声しそうになるも陽太は一生懸命抑えては小声で笑みを浮かべそう言った、沙世はそんな陽太の笑みを見ては不思議と先ほどの嫌な気持ちはなくなり無意識にそう返答した
「!あ、あぁ、よろしく!え、えっとそれじゃあ…」
「っう、うん、そう、だね…」
陽太の言いたい事がなにか伝わったのか沙世は授業に集中しようと前を向き直しノートを写した、ただ頭の中に残るのは思っていた人とは違った事に沙世はつい横にいる陽太を横目で見た、だがその時だった、その隣にいる明乃と目が合った事に気づき沙世は慌てて前を向いた、もしかしたら今のを見られていたかもしれない、とそれを想像しては体が強張った事がわかった、いくら陽太が思っていた人と違ったとしてももしみんなにバレたら、そう思いが拭えなかった、と同時に沙世は横にいる陽太を見ては心が良心が痛くなった、一方で陽太は
「・・・っよし…!」
明乃以外のクラスメイトと話すことができた事が凄く嬉しかったのか喜び、ノートを写していた
「・・・随分と嬉しそうですね、随分と気持ち悪いぐらいに」
「!あ、あぁ……ぁ…」
相変わらず横から悪態を付いてきた明乃を見た陽太は嬉しさのあまり言いそうになったが言うのをやめた、何故ならそれは先ほどの事を思い出したからだった、こんなクラスになったのも元はと言えばお前のせい、それが脳裏に残り言えなかった、ただ真っ先に心に来たものは痛みだった、一人で不貞腐れ勇気も出さず一人になり殻に閉じこもっていた自分に目の前にいる明乃はまぐれだったとしても話しかけてくれて、しかも傍に居てくれた事、そして今のも明乃が原因で引き金になったもののクラスメイトと話せた事に陽太はとても、心が痛んだ
「?なんですかその顔・・・?怖いからやめてほしいんですけど…」
「!あ、いっ、いや・・・・・・っ…ぁ、ありがとうな…」
「?はい?」
「っな、なんでもない…」
「??」
全て自業自得、自分から動きもしないで人のせいにして、しかもその八つ当たりしようとした相手は自分を仮にも助けてくれたような相手に八つ当たりをしようとした自分に、陽太はとても心が痛み自分の哀れさに呆れていた、謝った方が随分と楽、そう思ったがそれはどこか違う気がして陽太は明乃にお礼を言った、そして相変わらず伝わってないのか明乃はわけがわからないとでも言いたげな表情をしている、そんな明乃に陽太はそう言ってはノートを写す事にした、そしてノートを写している中でも陽太は横目でこっそりと明乃を見た、明乃は視線に気づいていないのかノートを無言で写している、そんな明乃を見た陽太は先ほどまであったチクチクとした心の痛みはなくなり、ただなんとなく寂しさのような、でも心地が良いような、なんとも言えない思いが芽生えた、ただわかるのはこれは恋ではなく単純によりもっと友人のようなそんな感情で好きになれた、そう陽太は思った
「・・・先ほどから人の顔を見て気持ち悪い笑みを作っていますがなんですか、通報しますよ」
「っ!!?き、気づいてた、のかよ・・・ッ!?」
「当たり前です、貴方は私の事をなんだと思っているんですか、それに人は思っているよりも見られている事に気づくものですよ、後次にそのエロい物を見る目で見たら貴方の眼球抉ってあげますから」
「っこ、こえぇ・・・」
別にエロい物を見る目で見ていたわけではないのだが、そう陽太は言おうとしたがそれは胸の奥に閉まった、と同時に陽太は思った、やっぱり友達になれたら良いな、と




