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運命の人 ~ギフト『探しもの』はかなりチートでした~  作者: イ尹口欠
プロローグ

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8/84

08

 俺はなんとか彼女に伝えた。

 俺のギフト、『探しもの』のこと。

 ギフトで探した運命の人のこと。


 そしてそれが目の前の女の子であること。


「私の名前はノーラ・ウィルホーゲン。運命の人って言われても、その、困る」


「でも本当なんだ。俺と君が……その、運命で結ばれているのは確かなんだ」


「なんかその言い方だと、違う風に聞こえるんだけど」


「う、いや。でもそうだ! 毎日、剣を振ってるよね? あの庭で。ギフトは剣の才能かなにか?」


「どうして知ってるの……?」


「え? だって俺はいつでも君がいる場所を探せるから……」


「なんかそれ、すごくキモい」


「……う、そう言われるとそうかも」


 気まずい沈黙が落ちた。


「……いいわ。ギフトのことは分かった」


「うん。でも運命の人と会ったら何かが起こるとかじゃないみたいだなあ。もっとこう、どばーっと人生に変化があるのかと思ったけど」


「そうね。私の方にも特に何も変化は……ない」


「ん?」


「ないわ」


「ああ、うん」


 プイっと横を向くノーラ。


「あ、いいこと思いついた。私の運命の人を探してよ」


「え? ノーラの? それって俺だろ?」


「そうとは決まらないじゃない。もしそうなら、それでもいいけど、とにかく探してみてよ」


「そうだな……やってみるか」


 運命の人の、運命の人?

 確かに探したことはない。


 ノーラの運命の人は?


 応答あり。

 しかも、…………俺じゃないぞ!?


「…………お、俺じゃない」


「え? あ、そ、そうなんだ? ……意外」


「つまりこれはどういうことなんだ?」


「……多分だけど。私の運命の人を探すために会いに来た、とか?」


「え、それってなんか俺の運命じゃなくて……」


「そうね。私の運命を変えるためにやって来たことになるわね」


「そんな…………」


 俺は愕然とする。

 まさかそのような結末になろうとは。


「じゃあイクト。その、私の運命の人の運命の人は探せる?」


「あーそれは……無理そうだ。ギフトが反応しない」


「そう。直接、会わないといけないのかも」


「そうだな、そんな気がする」


 俺の運命の人には別の運命の人がいた。

 それは衝撃的な事実で、7年越しの思いが木っ端微塵に砕けた気がした。


「じゃあ私の家に来て、イクト。私が私の運命の人に会うために、案内しなさい」


「…………え?」


 それって俺の運命も、割と大きく動くのでは?


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