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05.ノーラ・ウィルホーゲン
「君は俺の運命の人なんだ!!!」
真っ直ぐに向けられた瞳の中に、自分の無表情が映っていた。
紅潮した顔は、真剣そのもので、私に大事な大事なことを告げていた。
…………どうかしている。
私、ノーラ・ウィルホーゲンはウィルホーゲン子爵家の養女であり、将来、家のため、国のために騎士になる予定だ。
そこに結婚という予定は入っていないし、
……いやでも、望めば結婚くらいさせてもらえるのかな?
いや、今は結婚の話じゃない。
私に対して熱烈な告白をしてきた男の子についてだ。
あれから数日、彼のことを思い出さない日はない。
あんな好意を向けられたことは今までの人生で初めてで、鮮烈に、強烈に印象に残って脳裏に焼き付いている。
……どうかしている、ノーラ・ウィルホーゲン。
私はウィルホーゲン家のために、騎士に…………。
ああでも、本当は5歳のあの日まで、私は冒険者になりたかったんだったっけ。
あの彼の情熱的な瞳を見て思い出した。
あれ以来、彼はやって来ない。
もう二度と会うことはできないのだろうか?
いや、もう一度、何故だか分からないけど。
会わないと行けない気がした。




