真実
マリオンがセバスにより会場から消えた後、レインハルト達を睨みつけていたリオン…。
その殺気と魔力で喋ることができない中唯一声を上げたのはヒロインであるナナミだ。
「リオン!やっと来てくれたのね!」
「黙れ」
「リ、リオン?あ!私なら大丈夫!彼女に攻撃されたけど守ってもらっし!」
「黙れ」
「でもこれでやっと私も安心して暮らせるかなーって思って…」
「俺は黙れと言っている」
「?なんでそんなに怒ってるの?彼女ならもぅレインが、処罰してくれるって…」
「チッ…。これだから頭の悪い奴は」
胸の前で腕を組み瞳を潤ませ頬を赤く染めながらリオンを見つめるヒロインをリオンは射殺ばかりに睨み魔力をあてるが頭がお花畑のせいか話を続けるヒロインについに舌打ちをし始めた。
「そもそもなぜ貴様が俺の名前を気安く呼ぶ。俺は許した覚えもない。それにマリアンが貴様を攻撃しただと?ふざけるな。マリアンは貴様みたいなのに手を出さん」
「で、でも実際に彼女は私を攻撃してきたわ!」
「ほう。それは今俺がいるこの床に書かれた魔法陣か?これは遠隔魔法により発動する物だ。たどれば貴様がつけてる指輪と魔力は一致するぞ」
「な!」
「そもそも、マリアンに上げた証拠例は全て貴様がマリアンにやってきたものだろうが、寮から飛び出したのを見たと言っていたがあれも貴様が作り出した幻影魔法だろう。何よりマリアンは自分は傷ついたとしても他人を傷つけることをひどく嫌っている。」
「な!?リ、リオン、あなた魅力かなんかで操られてるのね!」
「操っているのは貴様だろ?」
そう言うとリオンはレインハルト達の足元に魔法陣を浮かび上がらせ解除を使った。
するとレインハルトたちの瞳の奥にあったはずのピンクの模様が消え、周りを見渡し始める。
「私は一体今まで…?マリアン!」
レインハルトはヒロインを少し流し見た後リオンを見て苦虫を噛み潰したような顔をした、周りを見ればマオリャン、ヒルゼンも元に戻ったのか少々渋い顔をしていた。
正気に戻ったレインハルトがマリアンの名前を出したためリオンは無表情な顔でレインハルト達を見た。
「気安く俺の女の名前を口にするな」
「俺の女?彼女は私の婚約者だ。この国の未来の王妃だ、リオン・グリアモール殿。魅力を説いてもらった事感謝するが彼女は渡せない。」
リオンは王子の発言に舌打ちし魔力を練り始めた。レインハルトもまた魔力を練り始め互いが睨み合っている時、レインハルトのやや後ろにいたヒロインが大声で叫び始めた。
「な!!?あの女が⁉リオンの女⁉あんなのただの脇役の悪役令嬢じゃない!リオン!リオンは私のこと愛してるはずでしょ!ちゃんとストーリー通りに進めたんだから高感度MAXでもおかしくないはずじゃない!それにレイン達だって本気で私のこと好きになっていたじゃない!だからさっきまであんなに甘々の逆ハー出来たのよ!?今日この場でリオンは私の前に跪いて愛を囁いてくれるはずなのに!なんであの女の話しかしないのよ!貴方達は私のものよ!」
「貴様は馬鹿か」
「何故私がマリアン以外を妃に仕様など考えると思います?そもそも魅力に引っかからなければ貴方の事など微塵も関わるつもりはないのですが。」
「こんな子供騙しの魅力に掛かると呆れてものも言えんな」
「確かに…、私はマリアンを傷つけてしまった。これは一生かけて償うつもりです、」
「マリアンは俺の女だといっただろう。気安く名前を呼ぶな。」
「先程から俺の女俺の女と彼女と婚約していたとしても今は私の婚約者です!グリアモール殿こそ気安く名前など呼び捨てしないでいただきたい!」
「ちょっと!私の事無視して話さないでよ!何なのよ!ストーリーと全然違うじゃない!あの女!やっぱり転生者じゃない!それで逆ハー狙ってたのね!許さない!」
ヒロインが隣でギャーギャー叫んでるのを無視しリオンは冷酷な目線で見下しながら淡々と喋り、レインハルトはリオンを睨みながら言い返していた。
その沈黙を破ったのはその様子を傍観していた陛下だった。
「レインハルト、彼女、マリアン・カーリヒルト嬢はそこに居るリオン・グリアモール殿の妻だ」
「「は?」」
レインハルトとヒロインの声が重なった。
「父上…今なんと?」
「嘘でしょ?」
「先程言ったとおりだ。彼女はマリアン・グリアモールとなってもう1年になる。学園を卒業後リオン殿と共に王宮で魔術師として来てもらうつもりだったのだ。だからレインハルト、お前の婚約者などではない」
「そんな…馬鹿な…」
「うそ!リオンが私以外の人と夫婦!?あり得ない!リオン!あの女なんて嫌いでしょ!?私が一番好きなのよね!あの女に騙されてるだけよね!?」
リオンに駆け寄るヒロイン。
すぐ近くまで走り寄っていき抱きつかんばかりに手を伸ばされた瞬間リオンはヒロインを風でレインハルトの元へ吹き飛ばした。
「きゃー!」
「な!グッ!!」
レインハルトは自分のもとに吹き飛んできたヒロインを咄嗟に抱きしめ助けた。
「俺に気安く近づくな、声をかけるな」
リオンは淡々と低く冷たい声で2人を見据えて話し始めた。
「俺はマリアン以外の女などに興味はない。貴様がマリアンに何かしようと企んでいるのが分かったから、仕方無しに関わっていただけだ。そうでなければ貴様みたいな女など塵にしている」
「そんな…」
「リオンそこまでにしなさい。あとは私達がやろう。マリアン嬢の様子を見てやらなくていいのか?きっと本人も心配しているはずだぞ。側にいてやれ」
「…チッ…」
リオンは舌打ちをした後会場から姿を消した。
その様子を只々周りも、レインハルト達も見ていた。
只一人全身を震わせながら涙を溜めここにいない人を恨みにらみながら…。
姿を消した後エイザルは漸く陛下周りの防御魔法を解き深いため息をもらした。そして目の前にいる今回の原因であるレインハルト、マオリャン、ヒルゼン、こちらに向かってふらつきながらも歩いてくるセルティック、ヒロインであるナナミを見た。
「さて、今回の騒動、そして我が息子の妻に対しての暴力について…色々とお話を聞かせていただきましょう。」
エイザルは満開の笑顔で5人を見据え話し始めた。
「取り敢えずここでは落ち着いて話せないはずですから…城に戻り話を聞かせていただきます。陛下取り敢えず城に戻りましょう。」
「お主の好きにすればよかろう」
「分かりました」
ー おい、尋問してもいいんですよね?
んー?程度にな…
ー そうですか、それでは遠慮なくさせて頂きます
死なない程度とはいっておらんぞ?事実確認だけで終わらせろと言っているんだが…
ー 何を今更、私の可愛い娘に怪我させたのだから半死ぐらいは覚悟してほしいものですね
いやいやいや、まてまてまて!半死はやめよ!
ー でしたらこの世の将来の膿となる者達には死んで…
待てと言うに!何を先ばっておるか!?
など笑顔の中危険な念話をしている事など何も知らないのであった。
その後は…
レインハルト達は操られていたとして学園の早期卒業と厳重注意とエイザルによる尋問…ゲフンゲフン…。話し合いにより、王位継承権を破棄し国の済にある領地に辺境伯として命じられレインハルト、マオリャン、ヒルゼンは飛ばされることとなる。
そして本来ならば…。
セルティックとヒロイン、ナナミも共に行くはずだったのだが…
学園を卒業した後、領地に行く途中に姿をけしたという。




