桜と黒猫
「リア…。俺は大切なものを守るためならば、すべてを捨てる覚悟はある。例へ何があっても俺はお前を守り続ける。必ずだ。」
リオンがそう言ってくれたのがとても幸せで頷くと、リオンと何度も唇を重ねた…。
艶めいて妖輝する瞳に吸い込まれる様に見とれていると、ソファーに押し倒された。そのまま、また唇が落ちてきて…。
「コホン。坊っちゃん。そこまでですよここは学園です。」
「きゃぁっ!」
急に声がかかり、テーブルを挟んだ向かい側にセバスさんが立っていました。
私は驚きと恥ずかしさで焦りながら起き上がろうとするけど、リオンに両手を捕まれ押し倒されていて…、腰の上をリオンが跨がっている。
その体制に気づいて、見ただけで顔に火が上がるような感覚に…。
前世から免疫のない私には限界で……。
「お前はまた……。」
リオンが恨めしそうにセバスを睨む。
クラクラしてきて…。
「坊っちゃん。それよりも、マリアン様が限界を迎えたようですよ。」
もう、無理……。
そのまま私は気を失ってしまった。
夢の中は、今までと違って…。
黒髪黒目の少女の足に黒い猫が擦り寄っていて…。
その猫がつけているピアスはリオンがつけているのと同じで…。
なんだかその猫がセバスさんみたいに思えて…。
とても…穏やかなで…幸せな感じで…どこか悲しい。
気が付くといつの間にか、私は学寮の自分のベット寝ていました。
周りはとても静かで、微かに鳥の鳴き声が聞こえる…。
窓の外を見てみると日が少し登り始めていて……。
近くにはリオンもセバスさんもいませんでした。
「そういえば昨日私…。リオンと…キスしてセバスさんに止められて……っ…!」
昨日のことを思い出し顔が熱くなっていくのがわかった。
両手で顔を抑えて悶絶する。そんなことをしていると、学園の起床の鐘がなり始めて、ベットから体を起こしたあと、着替えて、食堂へモーニングを貰いに歩いて行きます。
いつものお気に入りのコース…。
桜を見ることのできる廊下を歩き、桜の方を見ると…。
小さな黒い影が見えた。
それは夢で見た黒い猫で…。
気が付くと私は廊下から外に出て桜の木の下まで歩いて行っていた。
近づいても、離れることがなく、じっと桜を見つめる黒い猫…。
その瞳はムーンストーンのような色をしていて、それがやはりセバスさんの瞳と同じで…。
「こんなところで何をしてますの?」
静かにそっと黒猫の横にしゃがみ見つめる。
こちらを横目でちらっと見たあと、また桜を見始める黒猫…。
「ここは綺麗な場所ね…。暖かくて、優しくて…周りを幸せにしてくれるような気持ちにさせてくれますわ。私もこの八重桜はとても大好きよ。」
前世から好きな八重桜…。毎年家族と一緒に花見に行ったのを思い出していた。
すると、黒猫は私の顔をじっと見つめてきていました。
どこか驚いたように耳をピクピクさせながら揺れる瞳が綺麗で…。
そっと手を伸ばしても…、逃げることはせず静かに頭を撫でられていて…。
とても可愛くて…。
このまま連れていきたいけど、きっとそれは出来ないと何故か思ってしまいましたの。
「そろそろ戻らないと、またね。黒猫さん」
そう言って立ち上がりながら学園に足を向けると、黒猫は姿が見えなくなるまでこちらを見ていた。




