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プロローグ


…「カーリヒルト嬢渡したい資料がある。昼に来なさい」


学院の授業が終わり先生が部屋を出る前に私に声をかけて来ました。


…「…はい。」


周りの方は、(お可哀そうに)(羨ましいことですわ)などいろいろな声が飛んでいます。


………何がよろしいのか…さっぱりわかりませんわ。






お昼休みになり、(わたくし)()の研究室へ向かって歩いて行きます。研究室の前に付くとノックをする前に扉が開き(どうぞ)と奥から聞こえてきました。


「失礼します」


部屋に入ると、すぐに扉と鍵が締まる音がします。

窓の近くに()が立っている…。

その姿は太陽の光と微かに開けた窓の風でサラサラと流れるように輝く漆黒の髪と瞳……。目を引かれてしまいます。


…「……リア?」


彼が私の名前を甘く優しい声で呼ぶと全身に電気が走ったような感覚に襲われました。それが恥ずかしく、たまらなく嬉しくなってしまった私は、翻り部屋の扉を開けようとしました。

しかし、ドアノブにも鍵にも手を触れることはできませんでしたわ。

結界魔法で扉を開けれないようにされているようなのです。

私は嫌な予感がし、オロオロとしてしまいました。

すぐ後ろに人の気配を感じおずおずと少し後ろを見ると彼が立っておりますの。


…「なぜ逃げようとする」


少し冷たい、苛立ちの含んだ声で彼は私を見下しております。


「べ、別に…、特に理由はございませんわ…先生。」


私がそう言うとムッとした顔に私の腰に手を回し、顎を持ち上げキスをしてきます。


「…っ!」


チュッ、チュク…チュ…。


唇にキスしてきたかと思った瞬間次に舌が入り込んで…絡み合う。


「ん、…ふっ…。っ、先生やめ……」


…「リア、名前…」

私の瞳を見つめながら甘い声が耳をくすぐる…。


「でも、ここ学…ん!」


言い終わる前に彼の口がまた塞がってきます。

先程より激しく、音が耳の奥にジーンと響く…。

足にだんだん力が入らなくなり始めました。


…「リア…」


キスの合間に呼ばれる私の名前…。

胸が弾けしまいそうにたかなっています。


「…ん。だ…駄目…」


そう言うと彼は顎を持ち上げていた手を学服のスカートの上から太ももを触り始めました…。


「…っ!リ、リオンっ!」


私が慌てて名前を呼ぶと、満足そうに甘く微笑みキスを続けてきました。

もう脚に力が入らず崩れそうになると彼…いえ、リオンが私を横抱きに持ち上げ研究室にある。ソファーに寝かせましたの。


「…え、えっと…先…「名前」…っ…リオン。」


私をどうしても名前で呼ばせたいらしい彼は、私が横になっているソファーの

前に私に背を向ける様に座り本を読み始めました。


「リ、リオンは何故私をよんだのですか?」


手の中にある分厚い本をペラとめくりながら


「お前、最近寝れてないだろ。顔色が酷い」

「え?もしかしてそれで…?」

「それ以外に何がある」

「で、でも資料って…」

「お前が素直に休むとは思えないからな、理由をつけて呼んだだけだ。」

「……リオンありがとうございます。」


私が静かにそう言うと、耳を少し赤くして黙ってまた次のページをめくっていきます。


「もういいから休め」


リオンの落ち着いた声を聞くと、そのまままぶたが閉じていき、私は闇の中へ旅立ちましたの…。


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