いろいろフラグが立ってる(?)皇帝のダンジョン探索
念のため、しっかりと準備というか、自分、アイテム購入してきました。
なんと、さーやちゃん、秘密のお店を知ってて、そこに連れてってくれたおかげで、剣とか防具とかをしっかり購入。
念のため、体力、魔力を回復できるポーションを確保して。
「それじゃ……ダンジョン攻略いこっか!」
「ううう、な、なんか、物凄くゾクゾクするんですけど!!」
楽しそうなさーやの隣には、死亡フラグが立ちまくりの雄哉がそわそわしている。
「一応、最強の武器に防具つけたから、きっと大丈夫だよ? それに私も魔法使ってみたかったんだよね! あ、ちなみに私のステータスこれね」
と、出してきたさーやのステータスは、意外と体力があり、HPも高く……。
「なんか、MPが、1000ってあるんだけど……」
「うん、なんか頑張ったら、ここまで上がっちゃったんだよね。それと、ヒールが最高レベルまで行けました」
「おおお!!」
思わず、自分、拍手しちゃいます。って、万が一やられたら、治癒してもらえるんじゃ……。
「エロ触手に逃れられなくなったら、即、バッドエンドだから、気を付けてね? それを回避する治癒魔法ないから」
「それ、知りたくなかった……」
と、言いながら、いよいよダンジョンに入って行く。
「あ、明かり……」
「それは私に任せて。ライト!!」
ほわんと、さーやが魔法で光を出した。
「うわあ、本当に魔法だ!! ああ、自分も使ってみたい……」
「魔剣取ったら使えるよ。さてっと、頑張って攻略しましょうか!!」
と、慎重にダンジョンを進んでいくと……にょるんと、さっそく触手が出てきた。
「うわあ、出てきたっ!!」
だからといって、そのまま巻かれるつもりはない。
「うらああっ!!」
ずぱんずばんと、切り裂いていく。
「……えっ?」
「えっ??」
さーやちゃんの声に自分、ちょっとびっくりします。
「ど、どうかした、さーやちゃん?」
「なんで、触手が……斬れるのっ!?」
「え、斬れたよ? 普通に……」
「いや、いや待って、このダンジョンの触手って……物理じゃ、斬れない設定なんだけど……? あ、倒せてないんだ」
うわあ、この触手、斬れてるのにモゴモゴ動いてる!?
「と、とにかく……ファイアーフレア!!」
ぼぼっと、その一帯をさーやは燃やし尽くして、触手を倒した。
「おお、レベルが上がった!!」
「じゃなくって、雄哉くん!! なんで、触手斬れたの!?」
「んー、たぶん、カンストまで技量とか力とか上げたから……かな?」
「…………いま、なんて……?」
「カンストまで、ステータス上げたってこと?」
「なにそれーーー!!」
思わず、さーやは、雄哉のステータスを確認してきた。
「ね、カンストしてるでしょ?」
「……雄哉くん、いつからステータス上げてたの? ふつー、こんなにカンストできないよ?」
そう指摘するさーやに。
「自分、物心ついた時から高めてるっすよ」
「せ、正確に……」
「んー5歳くらいから?」
「えええええっ!? なんで、そんなときからステータス上げてるの!? ふつー、高校入ってからやらない!?」
「よくわからないけど、できたから、楽しくなっちゃって、ガンガン上げて、ステータスマックス近くまで上げてみた」
爽やかな笑顔で、自分答えます。いや、上げられるってわかったら、皆、カンストまであげない? え、あげない?
「……雄哉くん、もしかして、廃人?」
「え、レベルとかもカンストまでやらない? えっ!?」
「普通はそこまで……やらないんじゃないかな? けど、ある程度、触手を斬れるってことは……ギリなんとかなりそう! 一緒に頑張ろうね!」
にこっとさーやが笑ってくれた。はううう。自分の心臓がバクバク言ってる!!
「ははは、はいいいっ!!」
「んん? まあ、いっか!! 触手は頑張って斬ってね! その間に燃やしたり凍らせたりするから!」
「りょ、了解っす!!」
と、なんとかバッドエンドを乗り越えることが出来て……。
「はぁ……はぁ……後はこの部屋の中にある魔剣を手に入れれば……そ、そういえば、自分の魔剣ってどんなんですか?」
「ああ、『魔剣ユーリカ』ね。レイピアな感じで、薔薇がついてる……格好いい剣だよ」
「……ええ、薔薇が……? か、格好いいのかな……?」
乙女の好みがわからない……雄哉はそう思いながら、ぐいっとその扉を開くと。
「…………?」
思わず、首を傾げた。
魔剣があったと思われる……台座はあった。
そこに魔剣ユーリカと書かれている。が、しかし。
「魔剣が……魔剣がないなんて……聞いてないっ!!!」
「えええ、取ってないよね? なんでないんだろ?」
おかしいなというさーやにの言葉に自分、本当に悲しくなってきた。
いや、なんかこう、ムカつくというか……どうして、自分、こんなに翻弄されてるんですか!!
自分なにか悪いことしましたかーーー!!
ばっこーんと、勢い余って、自分……その、壁を壊したら。
「こ、これって、魔剣……?」
変なところに台座と剣が一本。
「うわ、かなり格好いい!! えいっ!!」
どうやら、魔剣で間違いないようだ。ぼうんとさっき、さーやが出したファイアーフレアを出してみた。
「えっと……魔双剣……何て読むの、これ? 文字化けしてる……」
台座には『魔双剣�▼■ℵ▣◇��▢』と書かれている。なんて、読むか分からないが、恐らく文字化けしたところは魔剣の名前が書かれているのだろう。
「これで魔法が使えるようになったよ! さーやちゃん!!」
「でも、それ……完全版じゃないみたいだよ」
「えっ……」
さーやは続ける。
「その魔双剣なんたらって、二つの剣が揃わないと、本来の力が出せなくて、その剣だけだと……初級の呪文しか使えないって」
「えええええ、自分のめくるめく、魔法使いの……浪漫がっああああ!!!」
しかし、この魔双剣なんたらのお陰で、自分はようやく、魔法が使えるようになったのだった。
……あれ? でも、さっき出したファイアーフレア、さーやちゃんが出してたのよりも、威力デカかったような……気のせいかな?
そう、雄哉は首を傾げたものの、まずは魔法が使えるようになったことを喜ぶのだった。




