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知らない間に攻略対象になってました  作者: 秋原かざや


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17/17

皇帝、目覚めなくてえらいことになりました

 なんか、すごーーく、嫌な予感がしたので、翌日。

 自分は、心のオアシスもとい、校庭に向かいました。

 正直、答え合わせが怖くて仕方ありません……。

「こんにちは、ダメダメ雄哉くん」

 えっと、さーやちゃん、目が座ってます……その、怖いです……。

「えっと、さーや、ちゃん?」

「はい、好感度チェック…………って、全部、100になってるじゃないっ!! なにしてんのよっ!!」

「ううう、すみません。っていうか、成り行き上、こうなってしまったというかなんというか……」

「それに……覚醒もしてないって、どういうことっ!?」

「それは自分も聞きたいっすーーー!! すっごい魔力、どこいったーー!! 勿体なさすぎるーー!!」

 うーむと、さーやは思案している。

「えっと、さーやちゃん?」

「いや、あるわけないよなー。展開が違い過ぎるし……まあ、とにかく、今、物凄く詰んでる状況だから。わかるよね?」

「えっと、やっぱり、ヤバいんですか?」

「四人に言い寄られるよりも、ヤバい。何故なら、今、襲われたら100%バッドエンドです」

「なんですか、それーーー!!」

「触手に絡められて、闇堕ち」

「えええ!?」

「女郎蜘蛛の妖魔に捕まって、永遠の子作り」

「ちょ、ちょっと待って……」

「謎オークションで売られて、変な男にやられまくって、闇堕ち」

「えっと、その、さーや、さん……」

「その他もろもろ、全部、覚醒して魔法使えないと、全てバッドエンド行きです」

「うわああ、なんだよ、それええええ!!!」

 たぶん、一部だろうけど……いや、それって、マジで詰んでるよ、詰んでる!!

 ま、まさか、四人に言い寄られている方がマシだなんて、思える状況になるなんて、自分もびっくりですよ、ええ、マジで…………。

「勘弁してくれよ、ホントぉーーー」

 泣いていいですか、マジで、ものすごく、嫌なんですけど。

「でも、魔力あるのに、蒼くんは覚醒したんだよね?」

「はい、してました。こう、すっごい刀でずんばらりって」

「うん、それは覚醒しているね」

「あの、自分は覚醒したら、どうなるんでしょう?」

 その自分の指摘にさーやちゃんは答える。

「うん、蒼くんは、どちらかというと、陰陽師系で、剣士さんみたいになるんだよね。それがもう、格好よくなるんだよ。ヤバいからね。蒼くんルートは、王道だからね……素晴らしいよ」

「えっと、自分の場合はどうなんで?」

「ああ、ごめんなさい。つい、思い出して……で、ダメダメ雄哉くんの場合は、西洋の魔術師って感じなの。こう魔法陣を生み出して、すっごい魔法をバンバン使っちゃうって、感じで……」

「西洋の魔術師!!! いいっすねっ!! 属性とか、相反する属性使ったら、打ち消し合ったりするのかな? いやいや、魔法の発動方法はこの場所に漂うマナを使うか、体内にあるマナを使うかにも、やり方は異なるんだよね。その上、実際に発動させて敵に当てるとなったら、射程とかもしっかり計算しないとダメなのかな? でもこういうゲームだったら、その辺は適当なのかな? いやいや、こういうのは、しっかりと計算の上で誘導して…………」

「えっと、ダメダメ雄哉くん? 話、聞いてます?」

「あ、すみません。つい、魔術師って、聞いて大興奮してしまいました」

「ダメダメ雄哉くんは、魔術師って好きなの?」

「いやあ、格好いいですよね! 超能力者も捨てがたいですけど、魔法の方が浪漫があるというか……慣れているというか……」

「はい、そろそろ落ち着いてね。今、覚醒してないから、ぜんっぜん、使えないからね? 忘れないでねーー?」

「ううう、そうでした…………」

 がっくりと落ち込む自分に、さーやちゃんは、ぽんと肩を叩く。

「でも、覚醒させる方法はあるよ」

「なんですか!! 自分、なんでもやるっすよ!!! 魔法の為ならえんやこらっ!!」

「んんーーなんかさーー雄哉くんのイメージが、だんだん、残念になってくるのは、気のせいかな?」

「ううう、すみません……」

 まあ、とにかくと、さーやは立ち上がった。

「ダメダメ雄哉くんを戦えるようにするべく、『魔剣』を取りに行きましょう」

「え、なんで、魔剣? 魔導書とかじゃなくって?」

「あーーなんかね、魔導書とかだったら、格好よくないからって、西洋の剣……魔剣が杖の代わりなんだって」

「格好いいですよ、魔導書!! これも女の子の感性の違いってやつですかね?」

「まあいいや。とにかく、その魔剣を取りに行きます。この……学園の地下に眠る魔剣をね」


「……ち、地下っ!? も、もしかして、そこって……」

「うん、『ダンジョン』だよ!」


 こうして、さーやと自分は……なんと、ヤバい敵のいるダンジョンに入って行くことになったのです。

 って、入っちゃって大丈夫なんですかーーー!?

 即バッドエンドしか見えないんですけどーーー!!!

 



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