92話 久しぶりな朝。
「ふぃ~、何か久々に部屋の外に出た気がします。(うぐっ、窓ガラスに反射した朝日が眩しくて目に突き刺さる様だ…。目が痛くて涙出てきたぜ。)」
「だよね~。土曜日は僕がコトハの看病をして、日曜日はコトハが僕の看病して…殆ど自分達の部屋に閉じこもってたよね~。」
私はそれプラス一日休んでますから、尚更久しぶりに感じます。
「授業内容は、どれくらい進んだのですか?」
「そんなに進んでないよ?…強いて進んだと言うなら、とある男の人がヴィオーラ先生に告白したぐらい。」
…マジですか。その告白した男の人、よく『ヴィオーラ姉様(先生)親衛隊』の妨害を受けなかったな。(とある所で立ち聞きした情報によると、親衛隊の正式名は“姉様”なのだが、生徒の間だと“先生”とも呼ばれているらしい。)
「親衛隊の妨害とか受けなかったんでしょうか?」
「それなんだけど、どうもその告白した人が竜人らしくってね、親衛隊が物理的に攻撃しても傷一つ付かなかった上に精神的に攻撃してみても、気にせずスルーする大らかな気質らしいよ?」
竜人か…職員の人に竜人の先生居たかしら?もしくは生徒?
「なんにしても、上手くいってほしいものです。」
「そうだよねぇ……って、由榎ちゃん全然来ないね。もう直ぐ、待ちに待った朝ご飯が始まるのに。」
「由榎さんは、昔(と言っても、知っているのは初等科まで)から低血圧で朝に弱いですからね。」
「無理矢理起こすと、みるみる内に機嫌が悪くなって怖いんだよね。」
確かに、由榎さんは目付きだけで人一人殺せそうな殺気をブァッと出しますからねぇ。(アレは、魔王降臨してますよ完璧に。)
「……二人とも、結構言ってくれるじゃない。」
「あ、由榎さん。おはようございます。」
「由榎ちゃんオハヨー!!」
「おはよう。…二人とも、風邪とかは治ったみたいね。」
「うん、すっかり良くなったよ!」
ルナさんのは、正確に言えば風邪ではありませんけどね。言うなれば自業自得ですよね?(面倒だから言わないけどさ。)
「私も、もう大丈夫です。」
「ルナに授業ノートのコピーを頼んでいたそうだけど、語学のノートは私がコピーしたから安心して良いわよ?」
良かったぁ、実はそれが一番気掛かりだったんですよね。ルナさん、大抵語学の授業になった途端あからさまに寝ちゃうからノート滅多に取らないし。
「えへへ、こればっかりは本能に抗えなかったんだ。」
「それ以外の授業ノートはコピーして下さったのですから、別に気にしていませんよ。…ただ、一つ気になるのは…。」
「気になるって、何が?」
「ヴィオーラ先生に告白した方はどなたなのか、その告白は実を結んだのか、ディオさんやソルさんやヴェールさんやカネレさんに心配かけてないか…とかですかね?」
「確かに、上二つは私も気になるわ。」
でしょう?ヴィオーラ先生は背がスラッとした巨乳美人ですけど、性格が結構サバサバして男前だから女性からの支持が高くて親衛隊まで出来て『ヴィオーラ姉様(先生)にやましい気持ちで近づく男は徹底排除!』とか変な規律で守られていたのに、ここにきて告白されるとか前代未聞の事態だから気になるんですよ。
「僕が聞いた情報によると、どうも告白したのは高等部に勤める非常勤講師の…A先生らしいよ!ゴメン、その先生の名前までは分からないや。で、どうして告白しようと思った理由は…どうも一目惚れみたいだね。一目惚れして段々と接している内にどんどん好きになっていって今に至るみたいだよ?ちなみに、コレは新聞部のクラスメイトから聞いたから確かな情報だよ!」
…相変わらずルナさんの友好関係ひっろいな。
「まあ、この話はここまでにしておいて…早く朝ご飯食べましょう?」
「おっと、そうですね。今日の朝ご飯は、一応病み上がりなので卵雑炊にしてみましょうかね。」
「僕はねぇ…うん、カルシウム満点定食にする。」
…アレですか、身長ですか。それは身長のためのカルシウムですかルナさん。
「私はいつものモーニングセット(パンver.)にするわ。」
さて、朝からしっかり食べて今日も頑張りますか。
「コトハ、もうお粥っぽいのを食べても平気なの?」
「…寮の食堂で、ルナさんほど無茶はしないでしょう。」




