91話 最早ソレは兵器だよ。
はふぅ、一日まるまるゴロゴロしてたらすっかり風邪も…
「昨日よりかは良くなりましたけど、なかなか治りませんねぇ…ゲホッゴホッ!」
「コトハ…そんな早く風邪が治る訳無いでしょ?」
いやぁ、薬飲んで丸一日寝たら大抵風邪とかは直ぐに治るんですけど…琴波になって暫く風邪引いていなかったからすっかり耐性が消えたのかな?
「もう一日安静にしてたら多分治ってると思うけど…もしそれでも治らなかったら病院で診察さてもらいなよ?」
病院か…病院て、不味い味の薬を出してくるんだよな。出来れば飲みたくないから、病院に行かないようにさっさと治そう。
「それじゃあ、今日も授業ノートのコピー頼みま……ああ、そう言えば今日は土曜日で学校休みでしたね。」
「そう言うこと!今日は、僕がコトハの看病頑張ってするからね!」
…こう言ったら、大変ルナさんに失礼だとは思うのだが…凄く不安だ。
「先ずは…ジャジャーン!僕特製のお粥だよ。ちょっと失敗して作り過ぎちゃったけど、味はちゃんと味見したから大丈夫だよ!はい、スプーン。」
良かった…見た目は普通の白粥だ。ちゃんと味見はしたみたいだし、取り敢えず安心した。…まぁ、アニメや漫画みたいにゴポゴポして紫色の謎の物体Xみたいなとんでもないお粥なんて、そう簡単に出来るはずはないしね。
「…頂きます。」
出来れば、卵を散らすかほうれん草のお浸しとか付けてくれると嬉しかったなぁ。白粥オンリーだと食べてる途中で飽きるんだよね。(白粥を食べてたら、口の中がなんかシパシパ…みたいな感じがしてきて飲み込み辛くなるのは私だけじゃないよね?)
パクリ
「っ!?」
な、何だ?この舌先に貫ける衝撃は…辛い?いや、苦いか?…何で見た目普通の白粥からこんな味がして来るのだろう…。もしかして、お粥の見た目をした兵器?兵器なの!?
「えへへ、このお粥は僕“特製”だから、他の奴とはちょっと違うんだ!ソルに味見してもらいながら作ったから味も美味しいでしょ?」
あぁ…料理下手な人が良くある、『基本が出来ていないのにいきなりアレンジをする』パターンですか…つか、ソルさんに味見させたんかい!自分で味見しないとどんな味か分からんでしょうが!!(ソルさん生きてるかな…。)
「ち…なみに、どんな調味料を入れたんですか?」
ゆっくりとスプーンを置きながらルナさんに尋ねた。(これ以上は食べ進めるのは不可能だ。何故か舌がヒリヒリと痛い…。)
「えっとね、体温めるために激辛のカレールーと鷹の爪とハバネロって言う唐辛子と生姜とニンニクと荒挽き黒胡椒をこれでもかって入れて、殺菌作用があってコトハも好きだから緑茶の茶葉をドサーっていれて、風邪引いたら汗かくから塩分補給のために塩も一掴み入れて、これだけだと食べづらいだろうから蜂蜜と健康に良いらしい黒糖をドババッて入れて、知り合いのツテで貰った緑玉草を二・三本を入れて、仕上げに香り付けのゴマ油とオリーブオイルを一回し加えて完成!でも、見た目がアレになったから幻術魔法で誤魔化した!」
誤魔化すなァァァァア!!って事は、リアルにアニメや漫画みたいなとんでもないお粥を作ったのか!?ある意味凄いけど、味を想像しながら作れよ!真面目に意識が飛びかけたんだからな!
「もしかして、美味しくなかった?」
うぐ、んな目で見つめられたら可愛すぎて突っ込むに突っ込めないじゃないですか!(天然め!)
「えと、ちょっと個性的な味ですがお…美味しいですよ?ただ、食欲ないのでこれ以上は食べられないだけです。」
これ以上この物体X元いルナさん特製のお粥を食べたら、私本気で死んじゃう!
「ええっ、食欲なくても風邪引いた時はこれくらい食べなきゃ薬飲めないよ?」
「大丈夫です、ああ言うのって一口でも何か食べたら飲んでも大丈夫なように出来てますから。」
寧ろ、これを食っている方が体調崩しそう。うわぁ、体中から変な汗が出てきた。
「そうなんだ。…じゃあ、コップにお水汲んで薬持ってくるね。」
ふう、難は取り敢えず去ったか。
後日、私の体調は全快したのだが、今度はルナさんが寝込んだ。と言うのも、私が昨日残した粥を食べたところ、余りの衝撃的な味だったためにぶっ倒れたようだ。
「…今度から、味見しながら料理は作りましょうね。」
「も、もうお粥はコリゴリだよう…。」




