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まぁ、頑張りましょうか。【学生編】  作者: 和水 璃雨
三章 学園編 中等部
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77話 今まで忘れていた罰かなコレ。

それは、休日のとある昼下がりに起こった。


たまたま学校に用があったので、休日だけど一応制服を着てさっさと用を済ませたは良いものの、このまま寮に帰っても暇なだけなので、ぶらぶらと中庭まで行って木陰に入っているベンチに腰掛け、最近存在を思い出した自分の先天性加護(ギフト)を使ってみることにした。


「どうせならリアルに描きたいな…止めとこう。リアル描写は疲れるし、描くにしてもモデルいないし。」


溜め息を付きながら、鞄の中から常に常備している(入れっぱなしにしていて忘れていたとも言う)B5程度の大きさで無地のルーズリーフ(百枚入り百五円のお徳用)を入れて保存していたクリアファイルから一枚取り出し、入れっぱなしになっていた授業ノートに下敷きを敷いたものをクリップで止めて簡易バインダーを作り、それに一枚のルーズリーフを挟んだところで筆箱の中からシャープペンと消しゴムを取り出した。


「さて、描くか。…ん?何見てるんですかアルベロ先生。」


「ああ?昼寝してたら人の気配がして、そっちを見たら見覚えある顔が見えたから近づいていって覗き込んだだけだが。」


アルベロ先生は、本名をアルベロ・ランケ・セマンスと言い、フォーリャ先生の弟さんだそうだ。


見た目はフォーリャ先生が二十歳かそこらくらいの時はこう言う風だったんだなぁと思わせる感じだ。


中身はフォーリャ先生より少し面倒くさがり屋なのだが、フォーリャ先生と同じく生徒からは人気。因みに、中等部からの魔法実技の担当は彼だったりします。(本来は、魔法が化学に対してどの様な影響を及ぼすか調べる魔法化学が彼の本当の担当なのですが、なんかノリとか勢いで決まったらしい。)


「居るなら声かけてくださいよ、ビックリしたじゃないですか。」


「お前…無表情で驚いたって言われても説得力皆無だぞ?」


ポーカーフェイスは『私』の頃からの癖なんですよ放っといてください。


…あ、そうだ。


「アルベロ先生、ちょっとモデルになってくれませんか?」


「モデルって…何、俺脱がないといけないの?」


「腕の、モデルになっていただきたいので、出来ればローブを脱いでいただいてタンクトップかノースリーブ姿にになって頂けたら良いんですが…。もし半袖を着ているのであれば、腕捲りをして下されば結構ですよ?」


ヌードデッサンなんて恥ずかしすぎてできんわ!百歩譲って女の人の裸なら大丈夫だけど、男の人の裸なんて無理!!


「腕か〜、ならいいか。」


ほれ、とローブを脱いで腕を見せてくれたアルベロ先生。…太過ぎず細過ぎず、キレイな筋肉の付き方しているなぁ。




「描けましたから、もうローブを羽織っていただいても結構ですよ?」


「お~、描けたのか。どれどれ…おお、夜風って思っていたよりずっと絵が上手いんだな。…ん?」


ポンッ…ドサッ


「よし、成功。」


具現化した肩から下の両腕が、ベンチ近くの草原に落ちた。…今思ったけど、両腕だけってなかなかホラーだよね。これで上から血糊を掛けたら大変なことになりそう。


「あぁ、そう言えばお前、絵に描いたものが具現化する先天性加護持ちだったな。どれ、ちょいと拝借。」


「アルベロ先生、それには設定を書き込んでいないので私は勿論、先生の意思では完璧に動きませんよ?」


「……よし、出来た。ほれみろ動くぞ~。」


先生は、ローブの上から私が作った腕をくっ付けたかと思ったら、自由に動かし始めたのだ。


「先生それ気持ち悪いです。昆虫ですか、昆虫になりたいのですか?」


「虫にはなりたくねぇが、足を含めたらちょうど六本だから昆虫って表現は間違っていないな。」


「(認めた…)そんな事より、どうして腕が動いたんですか?私の意思でも絶対動かないはずなんですが…。」


「それはな、この腕に込められているお前の魔力にパスを繋いで俺が自由に使えるようにしたんだ。んで、そのパスのお陰でこうして動かせるし、やろうと思えばお前の魔力を俺が使い放題ってのも出来る。だが…ちょいとしくじって俺の魔力と夜風の魔力が混じっちまった。」


「先生と私の魔力が混じったらなんか不味いんですか?」


「不味いってほどでもないが…混じったもの同士の居場所が何となく分かるのと、魔力の上限が簡単に少し上がるぐらい…。分かりやすく言えば、お前の魔力の一部は俺の魔力であり、俺の魔力の一部はお前の魔力でもあるから、混じった方の中にある自信の魔力を感じることによって互いの居場所が何となく分かるって言うだけなんだがな。


ただ、一度魔力が混じってしまうと片方が死なない限り元には戻せないのが難点な。」


…何そのソフトな呪いは。たとえ呪いに分類されなくても呪いに限りなく近いじゃねぇか。


「…何してくれるんですか。」


「だからスマンって。」



この出来事のせいでまさかあんな事になるとは、このときの私は知る(よし)もなかった。

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