55話 祭りってテンション上がるよね。
時は流れて、トレラント学園は文化祭になった。
トレラント学園は、体育祭より文化祭の方が早く来ます。(『私』の時は体育祭をやった後に文化祭だったから、何か新鮮な気分だ。)
で、学年別、部活別で出し物をしているのだが、私が所属している棒術部(棒を使った武術をメインで活動している部活。サブ扱いだが、体術とかも少々やっている。)の方に出るので、自分のクラスの出し物には参加していない。寧ろ、私から全力で参加を断った。何故なら…
「「「いらっしゃいませ〜!!」」」
メイドや執事や着物や某ゆるキャラの着ぐるみ…所謂コスプレ喫茶モドキになんて参加したくない。
メイドさんも執事さんも巫女服も魔女っ娘も、私はコスプレを眺める方だからな!あんなヒラヒラした衣装なんて着れるか。何でこんなにスカートが短いんだ!え、あの衣装って演劇部が今回の劇で使わないやつを借りてきたの?スゲェな女の子の行動力。は?コスプレ喫茶モドキの提案をしたのも、演劇部から衣装を借りてくる交渉をしたのは男子だと?…参りました。
補足、なんでコスプレ喫茶モドキかと言うと、まあ…手作りにすると何かと面倒な手続きが必要で面倒らしくて、結果市販のお菓子(ファミリーパックの安くて美味しいやつ)とジュース(とお茶を数種類)を出すと言った感じで落ち着いた。メニューが少ない分、一緒に写真を撮ると言ったサービスを充実させているところがポイントらしい。
「(ま、部活の方の出し物に出ている私には関係ないことですがね。)…つーか人来ない。」
棒術部の出し物は、『棒術を体験してみようっ!』。言うに棒術を体験して体を動かそう。そして気に入ったら入部して!って事である。(勧誘って言う目的が見え見えだな。)
お陰さまで、人は全く来ない。一応サブでジュースも売っているのに、人は全く来ない。
「先輩…こっちの方に人が全く来ませんね。やっぱり棒術って、武術としてマイナーなんですかねぇ。」
「アレだよネ、部の華になる人が今剣道部…剣術部だっけ?…まあそっちの方に助っ人にいってて居ないってのがネックだよね。」
「ああ、イリス部長って武芸に秀でてますからね。…って、カルム先輩以外の先輩居ないんですか?」
「アタシと助っ人に出ている部長以外は自分のクラスの出し物に出てる。全く、上の先輩も含めてあいつらハクジョーだよね。」
さては他の先輩達、こうなる事を見越して来なかったな。確信犯かよコノヤロウ。(こんなことなら、ルナさんのウサ耳や由榎さんのゴスロリ姿拝んでくれば良かった…。あ、スケッチブックも文庫本も忘れたら…。ちぃぃ!)
「はぁー、にしても暇ですね。…カルム先輩、暇ついでに一回手合わせしませんか?もう暇すぎてアレになりそうです。」
「アレって何だよ…けど、その提案はイイねぇ。どうせ冷やかしすら来ないし…やっちゃうか。」
「フッ、っと…ハァッ!」
「よっと…セイ!」
カルム先輩の一撃を紙一重で避けて、お返しとばかりに横腹に喰らわせようとしたら防がれて、反ってカウンターが来た。
「フグッ…。」
何とか自分の棒で受け止めるが…カルム先輩め、この一撃に全体重を掛けてきてやがる。…コレばかりは言っちゃあアレだけど…重いっ!
「ふふふ、ここまでだよ夜風。さあ、私の分のジュースを奢る覚悟しなヨ!」
止めの一撃を入れるために、カルム先輩の力が緩んだ…今だ!
「トリャア!」
「フゴァッ!?」
一瞬の隙をついて、カルム先輩の鳩尾を思いっきり突いてやったぜ!
「〜〜〜っあ゛あ!!…夜風、てめぇ…不意討ちってのは酷いだろうが!」
「油断大敵ですよ。誰も棒が打撃だけとは言ってないんですから。…では、私の分のジュース、奢ってくださいね。…後、カルム先輩。口調が“素”に戻ってますよ?」
「おっと、いけね…。はぁ、今回はイケると思ったんだけどナ〜。」
「一撃を決めようとせずあのまま体重を掛けたままだったら、私危なかったですよ。…っと、お客様来ましたよ。」
「マジか!?」
聞いた話ですけど、文化祭一日目で一番儲けたのは文芸部だそうです。(まさか、あの本が…いや、何も言うまい。)
部活は、大抵中、高、大で一貫しているのが多い。(例外として、大学のサークルは大学生じゃないと入れない。)
棒術部の部長はイリス・アルエット・リーリエ(女)。
高等部二年生で武芸に秀でている。頭は…赤点は取らないにしても、いつもギリギリらしい。
凛々しい感じな美少女。(どうでもいいが、胸は…うん、絶壁とまではいかないが残念な感じです。)
副部長はカルム・シュエット・アーラ(あんな口調でも一応男)。
イリスの幼馴染みで、部活中以外は互いに名前呼び。
何故か普段は女口調で話すが、普通に女の子が好き。
見た目は平均よりちょい身長が低いが、ちゃんと男の子の格好をしている。
頭は大変よろしく、学年三位から下に落ちたことがない。
一応説明を入れてみた。




