54話 コレって女子会か?
ケーキは食べたけど、私が常備しているクッキー(一応私が手作りしたヤツも混じっているが、大体が買ってきたもの。)を出してまだまだお茶会は続行中です。
「う〜、コトハの男の子に対するガードの固さと出合いの少なさは色々問題だよ。このガードの固さじゃ、コトハの事を好きになる男の子が凄く可哀想だよ。」
「それ以前に思ったんですけど、こんな可愛げの欠片もない私の事を好きになる人って居るんですかねぇ。……あ、お二人とも紅茶のお代わり要ります?」
ついでに言うと、少し……うん、少し変態ですよ?思考も地味に腐ってますし。
「紅茶のお代わりは頂くわ。…琴波は、自分の事を過小評価し過ぎよ。異性の目を全く…は言い過ぎだけれども、余り気にしない態度をとる琴波は意外と人気なのよ?」
「そうだよ。それにコトハって普段落ち着いているのに、たまにめっちゃ焦る時があるじゃない?そう言うのが“ギャップ萌え”って、どっかの男子が言ってたよ。」
ちょっと待て。…誰だよ、ルナさんにギャップ萌えの言葉を教えたやつは。
「…?ルナ、ギャップ萌えって何の事?良く分からないのだけど。」
「ん〜、『普段との違いが、良い意味で激しいのが…何かイイ。』って、教えてくれた人が言ってた。」
「…普通に感情表現はしているつもりなんですが、そんなに落ち着いている様に見えますか?」
普通に笑ったり驚いたりしてるし、ポーカーフェイスをしているつもりはないんだかなぁ。
ああ、声を荒げる事がないからそう思われるのか?
「うん。いつも皆から一歩引いた所から意見を言うところとか、喋り方とか仕草とかが落ち着いている様に見えるよ。…少なくとも僕はね。」
う〜…そう言えば『私』の時も落ち着いているねって良く言われたな。…そういう癖なのかな?
「まあ、その事は隅っこの方に置いとくとして…二人は文化祭の後夜祭にやるパーティーに着るドレスってもう選んだ?」
話が急にブッ飛びましたねルナさん。…文化祭の後夜祭のパーティーか。そう言えば中等部から参加可能なんだっけ。
「ドレスについては、まだ決めてはいないわね。」
「ドレスですか。…まだ私はどれにするかは決めていませんが…それが何か?…そういや、文化祭ってあと三ヶ月後でしたっけ。…ん?どうしたんですかルナさん。」
ルナさんが、妖しい微笑みをしながらこちらに近付いてくる。その手に持っているのは…メジャー?え、何故にメジャーなの。一体全体何を計る気なのルナさん。無言で近づいてこないでください怖いから。微笑みを浮かべていても、それは恐怖を煽るだけだから。
「僕が入部している『物作り部』で、後夜祭に着るドレスを仕立てることも出来るの。良かったら二人もやってみない?参加費はちょい高いけど、千円で貴女好みのドレスを作るよ!」
物作り部って確か…美術部から派生して出来た、主に日曜大工みたいな物作りや演劇部の大道具を作るが中心の部活でしたよね?へぇ、物作り部って服とかも作るんですね。(服作りも、物作りって括りだから良いのか。)
「大変魅力的なお誘いなのですが、ドレスについては母様のお古を仕立て直す事になっていますの「そう言う仕立て直しも、物作り部は承っています!」ルナさん、話し方が何かどっかの押し売りセールスをする人みたいになってますよ?」
拳を握りしめ、目を爛々と輝かせながら力説するルナさんの熱意がスゲェ。熱気がこっちまで来そうだ。
「うぐ…ゴメン、少し熱が入りすぎた。…でも、ドレスについては気が向いたらいつでも言ってね!いつでも歓迎するから!ウェルカムだからね!」
「…今からでも、ドレスの受け付けをしてくれるのかしら?」
「…!!うん!」
お、由榎さんは物作り部にドレスを依頼するのか。確かに、千円で自分好みのドレスが作れるってのは魅力的ですものねぇ。(よくよく考えてみれば、コレで作ったドレスってオーダーメイドじゃないですか。やるな、物作り部。)
…母様のドレスのお古を何着か送ってもらって、物作り部に仕立て直しを依頼するのも、前向きに考えておこうかな。




