50話 回れ右して猛ダッシュ。
「だったら、僕は夜風さんが弟と付き合ってくれと頼めばいいのか?…でも、そうしたら今度は俺が辛くなる…あぁ、どうしたらいいんだっ。なぁ夜風さん、僕はどうしたらいいんだろう!」
「んな事聞かれたって、私は知りません。第一、この問題って貴方の弟さんの問題でしょう?何でジェニー君が解決しようとしてんですか。そんな事して本当に弟さんは喜ぶんですか?」
「きっと喜ぶさっ。今までも、僕がシロエ…弟が関わっている問題を僕が解決したら、とても喜んでくれたからっ。」
「(何か知らんが、意外とうぜぇなコイツ…まぁいいや。)…参考までに聞きますが、それはどの様な問題で?」
「え?…シロエが宿題をやって躓いたら横からそっと教えてあげたり、シロエが欲しいものがあったら買える範囲で買ってあげたり、シロエが泣いていたらそっと慰めて泣いている理由を聞いてやったり…とかだが。」
つか、ジェニー君の弟さんの名前シロエさんって言うんですね、初めて知りました。(これ知っててもどうにもならない無駄知識けどな。)
「(端から見てたら、ジェニー君普通に良いお兄さんなのに…。)…そうですか。
…じゃあ、それを踏まえて言わせてもらいますけど、今までジェニー君が解決してきた問題と今解決しようとしているこの問題は、根本的な部分が違うのだと思います。この問題は、弟のシロエさん自身が解決しないといけないものだし、この事はシロエさんの人生において経験しておくべきモノです。
よって、この件についてジェニー君は介入しないほうが得策…と言うのが私の考えです。」
っ〜ゼーハーゼーハー…おふぅ、見栄を張ってそれっぽく聞こえるようにするために、この台詞ほぼノンブレスで言い切ってやったぞコノヤゴホッゴホッ!!
「…そうか……。」
いや、中途半端に黙るなよジェニー君。こっちが気になるから。…変な事考えてないと良いけど。
「…くっ、こればかりは…仕方ないよな……良し、なら今からシロエを呼んでくるから、夜風さんはここで待っていてくれっ!」
……一体全体何がどうなってそうなるんだジェニー君のバカぁぁぁあ!!
「ちょ、ジェニー君待ってくださいっ!仮にシロエさんがここに来て私に告白なんてしたとしても私断りますよ!?色んな意味でシロエさんを一刀両断しちゃいますよ!?」
「何ぃ!?人の大事な大事なだーいじな弟からの告白を断るだと!?」
「私にとっては、シロエさんは一度も会ったことな人いですよ!貴方がいくら弟さんを大事にしているかどうかなんて、この件については全く関係ありませんっ!」
「流石に一度ぐらいは会ったことはあるだろう!?それは君が気づいていないだけだ!」
…はっ、…弟さんの方がバツゲームで私にラブレターを書いたとかそう言うオチと言う可能性も……あり得ない話じゃないな、うん。
「それ以前に、私年下と付き合う趣味ありま「誰が年下と言った?」…え、まさかとは思いますけど…ジェニー君双子なんですか?」
「そんな訳あるか。僕が四月生まれでシロエが三月生まれ…だから学年は同じなんだ。」
「(ややこしいな…。)そうだったんですか…。でも、同じクラスだとしてもシロエさんの事私よく知りませんし、ジェニー君の事もよく知りませんよ?それにまだ私達中学生ですし、付き合うとか早いと思うんです。」
昨日、ルナさんと由榎さんから聞くまでジェニー君の事とかこれっぽっちも知らなかったのは事実だし、中学生が付き合う云々の関係になるのはまだ早いとおもっているのも、紛れもない事実だ。
「…思っていたより古風なんだな、夜風さんって。」
リア充な事なんて一度もしたことがない私にとっては、付き合うとかハードル高すぎて無理ですよ。このハードルだけは絶対中学生の間は飛び越えられませんって。(今この状況だけでも、後々思い出したら赤面モノ間違いなしなんですからっ。)
「…そう言うことですので…その、失礼します!」
私が居た堪れなくなってきたので、勢いよく回れ右をし、本日二回目の猛ダッシュで中庭から離れた。 (ぜってー振り返らないからね!ジェニー…クローシュ君と目が合うのは嫌だから!)
琴波が最後の方にジェニー君の事をクローシュ君と言っている訳は、単にジェニー君が兄弟で二人居るので分かりやすくするためです。決して他意はありません。




