49話 周りを見て動こう…。
時間は流れて放課後になった。(ジェニー君からの視線?面倒だったので全てやっぱり総スルーしましたら……うん、少し疲れた。)
私は、朝ジェニー君と交わした約束より十数分早く中庭に来た。…よく言う十分前行動ってやつですね。
…個人的にこの中庭って、中等部校舎の中にありながら人気も少ないし、日向と日影の割合も丁度よくて結構好きな場所なのだが、こう言う時に見ると何やら不気味に感じてしまう不思議……何故だ?アレか、私の心の持ちようが原因なのか?
カサカサ――カサカサ――
何人か先客も居るみたいだし…こりゃ、時間通りにジェニー君が来たら適当に場所変えした方が良いかな……中途半端に見られて変な噂たつのも嫌だけど、場所変えたら変えたで面倒になりそうだからやめよ。
「しっかし…隠れている人達はアレで隠れているつもりなのかねぇ?背が低めの植え込みに隠れるまでは良いけど思いっきり音たてているし、頭がたまにピョコピョコって出ちゃってるし、何より…」
そぉっと私はその場を離れて、カサカサっと音の鳴っている方へ移動した。
「ねぇ、あの夜風って子もう来てる?…ちょ、押さないでよっ。」
「まだ…みたい。…こっちはもう詰めれないから向こうに行きなさいよ!」
「こっちだって限界なのよ!貴女は向こうの方に移動しなさい!」
「嫌よ!こっちの方がよく見えるんだものっ。」
「あの、かくれるんならもう少し静かにしてくれませんでしょうか?そこに居るのバレバレですよ、貴女達。」
そんなに大声出して喧嘩するなんて…貴女達隠れる気本当にあんのか?つか今更ながら思うけど、覗き見とか感心せんなぁオイ。
「うっさいわね、貴女は黙って…え?」
「だから、そんなに大声出していたらバレますって。隠れる気が多少なりとも貴女方にあるなら、もう少し静かにしてください……あと、喧嘩と覗きは良くないですよ?(ついさっき真後ろに来た私に、今の今まで微塵も気付かなかったんですね…。)」
まだ来ていないと思っていた私がいきなり真後ろに居て、隠れていた女の子三人が固まった。声を何回か掛けてみても反応がない…まるで屍のようだ。
「……あ、そろそろ時間だ。じゃあ、私はこれで失礼しますね。」
腕時計をチラッとみると、約束の時間まで五分を切っていた。
私の言葉で少しばかり覚醒した女の子達が何か言おうとしたのが感じ取れたので、ダッシュで脱兎のごとくその場から逃げました。(私、瞬発力と脚力と体力には自信あるからね!)
逃げた関係で、ちょっとばかし遠回りをしてまた中庭に到着したのは約束の時間ピッタリで、既にジェニー君は来ていた。(あの女の子達は…まだ居たよ。私が注意した声は潜めているけど、相変わらずバレバレな隠れ方してるよ…。君達頭の色が信号機のようなカラーリングで、尚且つカラフルだから隠れるのに向かないね。)
「夜風さん…。では、手紙の返事を聞いてもいいですか?」
うわぁ…新緑の桜の木の下にジェニー君が立つと凄い絵になるね。私人物画も風景画も苦手だけど、何かスケッチしたくなるよ。(関係無い事考えているのは、完璧なる現実逃避です…ふふふ。)
「…手紙のお返事を言う前に、一つだけお聞きしても宜しいでしょうか?…何で私に告白なんてしようと思ったんですか?」
「それはその……。」
やはりと言うか、言い淀んでいるジェニー君。…色んな意味で言いにくいのは、私も百も承知だけどね、ちょっとぐらい君に仕返ししても良いと思うんだ私。(教室での怨みは忘れてないぞゴラァ!)
「………弟が。」
ん、何て言った?…弟?
「弟が夜風さんの事が好きで…だったら僕が夜風さんと付き合えば、また弟と仲良く出来ると思ったんです。」
……はは、そう言う事か。
「なら尚の事…手紙のお返事、お断りします。
私、貴女の弟さんのための仲直りの道具になんてこれっぽっちもなる気なんてないですから。…それに、仮に私と付き合ったとしても弟さんと仲直りできないと思いますよ?寧ろ余計に兄弟の仲が拗れる様な気がしますが…。」
「…どうして、夜風さんと付き合ったとしたら弟との仲が拗れるんだ?」
「(君、本当にバカなの?)…弟さんが好きな人を他の人に横取りされるのは、弟さんがとても嫌な気持ちになりませんか?」
「…はっ、確かに…。」
ああ、このブラコンめ!貴方確か普通に頭よかったよね?なのにこんな簡単なことも分からなかったのさ。(恋は盲目ってやつ?…それはそれで嫌だな。)
そして、何が悲しくて非リアの私がこんな事説明してんだろう……泣いていいかな?




