37話 意外な才能。
結局、リアマ嬢一団は私達が来た約二分後(その前に先生が来ていたし、ルナさん達が私を囲うようにしてくれたので視線攻撃は喰らいませんでした。…ヤッタネ!)、クラスメイトの皆さんはチャイムが鳴った十五分後に実技場に来た。…どうやら、普通に教室で授業をするものだと思っていたみたいだ。実技って言ってあったのに。
「お前ら弛んでいるぞー。そんな緩い気構えでは魔法なんて使えんぞ?…仮に使えたとしても、使った時に周りに危害が及んだり、魔法を使用している自分だって危険なことになるんだ。」
まあ、やっぱりお説教されるわな。遊び半分の緩い気構えで魔法使われたら面倒だし、『魔力切れ』(体内保持魔力が空になる事。)による『魔力欠乏症』(魔力は生命力の一部なので…。症状は貧血みたいなもんです。)起こして最悪授業中に死亡する生徒が出たら、マジで洒落にならないし。
「でも先生、僕ら初等部なのに魔法の練習して良いの?」
うん、それ私も疑問だったんだよ。ナイス質問、見知らぬ(ついでに名前も知らない)男子のクラスメイトA。
「今日やるの…て言うか、初等部で習うのは魔力を具現化させるって言う、魔法の基礎の基礎の基礎だから大丈夫だ。これくらい出来たところで別に咎めはうけん。寧ろ、これが出来んと中等部に上がってからが大変な事になるぞ。」
基礎の基礎の基礎って……。と言うか魔力を具現化させるって、どう言うこと?アレか、オーラぽいものでも纏えばいいの?こう、ブァァアッって感じで。
「具現化の基本は、掌に力…魔力をを集中させることだ。それができたら、疲れない程度にひたすらに力を込めろ。片手じゃ無理なら両手使えよ?」
考えてる事と違った…。
うむ、疲れない程度に力を込める…か。また力加減が上手くいかないで全力全開にして暴走になりがちなお年頃にまぁ無茶な注文を…。(特に誰とは名指ししないけど…。)
…一応やるけどさ。私、手先はそこそこは器用な自信あるし、何となくやってみたいし。(『創造する者』以外で魔法使ったことないしね。)
恐らくクラスメイトの誰よりも先に、私は魔力を具現化させる事に取り掛かった。(真面目と言うより、何か動いてないと眠気耐えられそうになかったから…。あはは。)
えっと、掌に魔力を集中させるんだよね?こうかな……っ、おおう、何か手がポッポと熱くなってきた。…さて、この状態を保ちながら(意外とメンドイな)、さらに魔力を込め続けなきゃ…っと。(集中力を上げるために目を軽く閉じるのって、私だけ?)
カランッ
暫くすると、まるでグラスに入れた氷が奏でたかのような涼やかな音がしたので、閉じていた瞼を少し開けた。
そこには、薄い空色の氷のように透き通り大きいものは15cmぐらいの高さで小さいものは手のひらサイズと言った、大きさの異なる結晶が数個ほど出現していた。
「お、夜風上手いじゃない……か。他のやつも、夜風を見習ってさっさと練習しろ!見ているだけじゃ何もできんぞ。
後、夜風は授業終わったら先生のとこ来いよ?」
先生の鶴の一声で周りで私を観察していたクラスメイトは、慌てたように練習をし始めた。
魔力を具現化したら結晶になるのって……あれ、家にあった何かの本で読んだことがあるぞ?
『体内保持魔力が多い人ほど、具現化させた際に結晶形態を取ることが証明されました。特に透き通る様なものは、魔力自体の純度が高い証拠です。』
…余計な情報まで思い出したが…マジで?え、マジで?
そろぉっとクラスメイトさんの掌を拝見すると、ぽわぽわした光の固まりな人が大半だ…。
一部例外として、由榎さんの掌から闇色の球体(直径20cmぐらい)があって、リアマ嬢の掌には炎の固まりがあった。(純度が高いと、各々の属性の形になるため。)
私も一応、先天性加護持っているけど…二人とは系統違うし。…先生も動揺するよ。私も動揺してんだから。




