27話 バスの中でのヒトコマ
あの教室で起こしたリアマ嬢一団のドタバタの後、ルナさんにに誘われて気分転換がてら購買に行くことになった。(私も行きたかったから、二つ返事で承諾。)
「ふぇ~、学校の中でバスに乗るとは思わなかったよ!て言うか、バスあったんだね、初めて知った。シートふかふかだぁ~!!」
「そりゃ、ここめっちゃ広いですし、一応私立ですからね。学費がそれなりに高い分、設備もしっかりしてますよ。……わぁ、図書館も大きい…。(図書室じゃなくて図書館なんだ、この学校…。まあ、本が沢山あるなら気にしないけど。)」
ジー。
「……コトハ、一体さっきから何見てるの?」
「何って、正門の所にある装置でダウンロード出来るこの学園の情報ですよ。今はマップを開いていて、現在地を確認中です。」
結構今さら思ったんだけど、何で小学生にスマホ持たせてんだろうちの親。普通持たせても二つ折りのケータイだろ。(キッズケータイとかは……デザインや機能的な意味で絶対嫌だけど。)
このスマホ使い勝手が良いし、もう使い慣れたから、気にしないけどね。(タッチパネルに指紋とかが着くのは、少しばかり気に食わないけど。)
「良いなぁ、コトハはケータイ持ってて。僕たち、いまだにケータイの類い渡されてないんだよ。」
羨ましそうに私のスマホを眺めるルナさん。
「アハハ、これケータイじゃなくてスマホですよ。(どこら辺が違うのかは、イマイチ分かんないけど。)……それを思うと私の家が結構特殊過で、ルナさんの家が普通なのかもしれませんね。…にしても、何でまたケータイを持たせてもらえないんですか?」
「『私の子だから、絶対ケータイ持たすと分解するかもしれない。てか、まだ子供にケータイは早い!』って。分解なんてしないっての!……うん、分解なんてしない。」
何だよその微妙な沈黙は。…分解する気は、少なからずあるってことか。
念のため、そぉっと自分のスマホを体で隠す。
「だから、そんなに警戒しなくても分解しないってばぁ!!」
ちょい涙目になりながら、ルナさんは叫んだ。
「警戒なんてしていませんよ。ただ、光の関係で上手く画面が見えないので、こっちに移動しただけです。……あと、車内で大声を出すと周りに迷惑ですよ。」
「うぐぅ、分かったよ。…大声を出してごめんなさい。」
ルナさんは素直だなぁ。リアマ嬢もこれくらい素直だったらいいんだけど…。あの子高飛車系ツンデレ属性だから無理か。無理って言うか、限りなく望み薄そうだな。
「…ルナさん。お昼ご飯、購買で何か買って食べましょうか。」
「お、良いね。どうせならソル達も呼べば良かったなぁ。」
「後ろの席に、お二人居ますけどね。」
「!!!?」
バッとルナさんが振り返り、後ろを見たら、窓際に頬杖をついて欠伸をしているディオさんと、ディオさんの隣でソルさんはこちらに手を振っていた。
「俺達も購買に興味があってね。」
「だったら一言言ってよ!ビックリしちゃった!」
「ビックリさせたかったんだよ。」
「もぉ…許す!」
「アハ、ありがとう。」
「…ソルさん、席変わりましょうか?(甘すぎんだよ、君達。私の隣でイチャイチャしないで下さい、お願いします。せめて、二人だけでイチャイチャして…。)」
「え、良いんですか?コトハさんありがとう!!」
私の内心などつゆ知らず、嬉々として提案を受け入れるソルさん。
「あの夜風も、やっぱりあのノロケは耐えられなかったか。(ボソッ)」
「も、って、ディオさんも?…って、“あの”とはなんですか。」
「俺やファイスカの奴に説教はかましたのに、あの双子のノロケは耐えられなかったか……って意味。」
「アレとコレは、全くの別物ですよ…。」
ふっと前へ視線を動かせば、何かハートが飛んでも可笑しくない雰囲気になっていた…。
購買へ行く道のりは、果てしなく遠いようです。




