19話 お目覚めのお時間。
琴波がちょっとSです。
チュンチュン――
「ふふぁ~……もう朝か。今何時だ?」
ベッドから這い出るようにして出て、昨日充電していた携帯(…もうスマホって言お。)の画面を覗き込む。
「六時前か…。ん゛~、起きるかぁ。」
背伸びをして首を回すと、ポキポキッと小気味いい音がした。
家にいた時から早起きは癖だし、早起きは三文の得って言うから別に苦ではない。
「ルナさんも起きてるかな……って、ぬあ!」
ルナさんが鼻提灯作って寝てる!?
「スピー、スピー……むにゃむにゃ。」
さ、さっき結構大声出したのに……は、初めて見たよ、鼻提灯作って安眠している人。(しかし、ルナさん寝顔可愛いな。)
………
「鼻提灯割ったら、ルナさん起きるのかな?」
やべ、凄く気になる。…でも、素手で鼻提灯割るのは…ちょっと汚いし。鉛筆は……もっと嫌だし…。
むむぅ、と唸りながら悩んでいたら、パチンと何かが弾ける音がして、
「んん゛~。」
ルナさんが起きた。……鼻提灯が割れると起きるのね、メモメモっと。(何にメモって、心のメモ帳に。)
「おはようございます、ルナさん。……ルナさん?」
あらら?なんか、ルナさんの様子が変だぞ?
「ここ、どこ?ふえ……お母さんは?お父さんは?ソルは?…うぅ。そ、ソルは?」
寝惚けてらっしゃる。……さり気無くブラコン疑惑立ったけど、あえてスルーの方向で!
「ひぐっ……あなた、だれ?……み、皆をどこにやったの?……うわぁぁぁん!」
……うむ、これは早急に目を覚ましていただかないと。(泣かれるの苦手なんだってば!)
どうしましょうかねぇ……?…そうだ、アレにしよう。ケケケッ(悪い笑み)
「うぎゃぁ、まだ春だから水冷たい!寧ろ痛い!……この冷たさなら、ルナさん起きるだろ。」
私が手に持っているのは、冷水がなみなみと入っているコップ。これを飲んでもらって、ルナさんに目を覚ましていただきましょう!
「はい、ルナさん。泣いて喉が渇いたでしょう?水ですから、安心して飲んでくださいね。」
「あ、ありがとう。………ングング…って冷たっ!?何コレ、水!?」
毎度思うけど、ルナさん良いリアクションすんなぁ。
「コトハ早起きだね!今何時なの?……って早っ!?まだ六時にもなってないじゃん!もう少し寝れるじゃな冷たぁぁあ!?」
え、何をしたかって?ルナさんの顔におしぼり(冷水使用。コップに水を汲んだ時についでで制作したもの。軽くしか絞っていないから水が少し滴っている。)を当てただけですよ。
「年寄みたいに早起きですみませんねぇ。」
「冷たい冷たい!僕そこまで言ってないよコトハ!?」
「まぁ目が覚めたところで、支度しますか。準備をしておいて損はないですし。………はい、乾いたタオルです。」
「う~、顔がヒリヒリする…。でも、目ぇ覚めた!ありがとねコトハ!よし、準備頑張るぞ!!」
ポジティブなのはルナさんの良い所だよな、うん。
「えっと、今日の日程は……社会(いきなり担任の教科かよ。)、魔法知識(何するんだろ?)、語学、算数の四時間ですね。各種教科書とノートを持っていけばいいか。」
手近にあるリュック(鞄は学校から固定されていないから、好きなのを使える)に筆記用具、各種教科書とノートを入れていく。
「ルナさん、他にはなんか持っていきます?……何すか、それ。」
「何って、鞄だよ?お母さんが買ってくれたの。」
それ……思いっきりランドセルじゃないですか。しかも空色の。
「僕もリュックが良かったんだけど、こっちの方が隠しポケットが多いって言われて…ついね。あ、今日は普通のリュックで行くからね!この鞄は、ちゃんとした行事の時に使うよ。」
その考えは賢明です、ルナさん。その姿、見る人が見たら『萌えー!!』か『ハァハァ、ロリッ娘ハァハァ』ってなりますからね。(その“見る人”に私も含まれてますけど何か?)
春でも、水はまだまだ冷たいですよね。




