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10話 知り合いでしたか…。

子供の口調って、どうすれば良いの…。




「…え、えぇぇえ!!?何でお母さんがここに居るのー!?」


「何でって…ソルがゲホゲホ咳しながら、私が折角パソコンからプリントした分かりやすい地図と、もしもの為にってこの家の固定電話の電話番号を書いていた紙を忘れていったって、私の仕事場に電話してきてね。仕方ないから、凄く頑張って仕事早く切り上げて、有給取ってここまで来たのさ。…でもルナまだ来てなかったから、ナガレ君に頼んで、屋敷に上がらせて貰って待ってたの。」


ソルさん、随分しっかりしてるなオイ。……つか、ルナさんを探しには、行かなかったんですね、ルナさんのお母さん。待っている時間があったなら、ちょっとは探せたでしょうに…。


あ、今更ですがナガレと言うのは父様の名前です。漢字では流って書きます。


「いや〜、待ってる間にナガレ君と研究の話してたら時間忘れちゃって…すまんルナ、探しにいかないで。」


「…まぁ、それは毎回の事だら別にいいけど…。ソルは大丈夫なの?」


ルナさん良いのかよ、寛大だな。と言うか、この親子毎回こんな事してんの?…ああ、いつもの事だから、子供の方が折れたのかな?…地味に気にならないでもないな。


「あ〜、大丈夫大丈夫。ここ来る前に一度家に戻って、消化の良い物食わせて薬飲ませてから、寝かし付けてきたから。」


あ、ちゃんと子供を優先する所は優先するんだ。…もしかして、ルナママ(ルナさんのお母さんって何か長いから、略す)、子供より仕事(いや、趣味?)を優先してる訳じゃなくて、一つの事をすると、それにのめり込みすぎて周りが見えなくなるタイプなのかな…。


そうだとしても、行方が分からない子供を探さない理由にはならないけど。


「相変わらず、メイは大雑把ですね。」


そんな事を考えていたら、奥の方から呆れ顔の父様が出てきた。…ああ、父様も私と大体同じこと考えてたんですね、分かります。


と言うか、メイって…ルナさんのお母さんの名前かな?父様とルナママは、互いに名前で呼び会う仲なのか…いや、別に、仲の良い友達同士なら、別に可笑しな事はない…はず。


「ナガレ君、私は大雑把で良いの!」


「いや、訳分かりませんよ。何を根拠に…「私が決めたっ。今決めた!!」…貴女は、本当に学生時代のままですね。……はぁ。」


父様が溜め息吐いた…。私も溜め息吐きたい。ゴーイングマイウェイ過ぎるでしょう、ルナママもといメイさん。…自分ルールなの?ジャ●アンなのメイさん…。


ただ、さっきの会話で父様とメイさん…二人が学生時代からの知り合いだったと言うのが分かった。…腐れ縁?それとも、幼馴染みなのかな…うん、後で父様に聞いてみよう。


「もうっ、誉めたって、何にもでないよナガレ君っ!!照れちゃうじゃない!」


頬を染めながら、照れているメイさんは、綺麗で可愛かったです。…うむ、我ながら、変な言葉だな。ただまぁ、今一言だけ言えるとしたら、父様はこれっぽっちも誉める気ないと思う。おめでたい頭してんな、メイさん。(…ああ、自分で思っててなんだけど、酷ェ事考えてんな。ごめんなさい、メイさん。)


「…っと、ああ、忘れるところだった。ルナ、お届け物をナガレ君に渡してくれる?そろそろ帰らなきゃ。」


「あ、うん。……分かった。」


ルナさんが、慌てたように持っていた鞄から、A4のクリアファイルと10cm四方の立方体の箱を取り出して、父様に渡した。何が入ってるんだろ…。


「確かに、受け取りました。届けてくれてありがとう……ルナさん。」


父様はそう言って、ルナさんの頭を撫でた。モフモフって擬音が聞こえてきそう。…良いなぁ。私も撫でてみたい。


「ど、どういたしまして。」


はにかむルナさんはそりゃもう可愛かった。当たり前だけど、ほんのりメイさんに似てた。うん、やっぱり父様だけズルい。私もルナさんをなでなでしたい。


「んじゃ、帰りますか。ルナ、行くよー。付いてこないと迷子になるぞ。」


「ちょ、待ってよお母さん!!」




はたと気が付いたら、あれほど別れるのが辛かったルナさんと、すんなり別れていた。…私が薄情なのか、それともメイさんのキャラが濃すぎたのか…。


「ルナさん達、行ってしまいましたね…。」


台風みたいな親子だったけど、メイさんは兎も角…ルナさんとはまだお話ししたかったな…とか。


今更だったけど、あからさまに私が寂しそうな顔してたのだろう。


「琴波、そんなに落ち込まなくても、またどこかで会えますよ。……近い将来、きっと。」


優しい顔をした父様に、そっと慰められた。


泣きそうだった気分は、その優しい言葉に慰められた。…それより、父様のその意味深な発言で、胸に溜まった悲しい気分は吹っ飛んだ。え、父様は何か知ってるの?え?


色々聞こうと思って口を開こうとしたら、夕飯の支度ができたとリベルタさんが呼びに来たので、結局聞きそびれた。


因みに、琴波のお母さん(琴波的に言えば母様。)の名前は雛菊(ヒナギク)と言います。



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