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最後の恋を見つけよう  作者: ほたるいか
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3人で?っていうアホな男

 ワイン会でワンピース男に会うかとびくびくしていたけれど、それ以来ワンピース男とは合わなくなってしまった。

 まあ、仲良くなってからは、「実はビール好きで、ワインはそんなに好きじゃないんだよ。出会いがあるかなって思って参加しただけだし。」と言って全然参加しなくなっていたし当たり前か。

 

 ワイン会では、たくさん男女がいるから、恋愛に発展することが多い。

 ワンピース男とは付き合えなかったけど、次、次~♪


 当時ワンピース男とは別に、すごくたくさん話しかけてくれる男性が二人いた。

 先に言うと、二人ともキスはした。

 というか、された。


 二人とも、一緒に帰ろうと後をついてきて、駅までの道の途中でキスをされるというパターンだった。

 しかも、場所も一緒。

 キスマニュアルが存在するのかしらと思ったくらい。


 ワンピース男の「みんな大人。」論は、私の中で妙に腑に落ちて、私は「誰かと正式に付き合ってない限りは、何をしてもいい。だって大人だから。」と開き直るようになった。

 いわゆる悪い方に転んだのである。


 で、キスしてくれるくらいなので、私のことは好きなのだろうと。その好意に平気で胡坐をかくようになった。


 二人が独身であることは、ワイン仲間へのリサーチで調査済み。

 なら、じっくり見定めようではないか。

 二股?いやいや、まだどっちとも付き合ってないから。


 とりあえず、自分の男を見る目は腐っているので、目の肥えた女友達に見定めてもらおうということで、2人のキス男のうち背の高い方とデートすることにした。

 私は背の高い男性が大好きで、昔から好きになる人は、高身長だった。自分が150センチしかないから、そのコンプレックスかもしれない。


 元旦那のことも好きだったけど、背が低いことだけは残念だった。


 なので、高身長の男を先にロックオンしたわけである。加えて私はスーツフェチ。スーツを着こなす男が好きなのだ。

 ワイン会にはきれいめワンピースで行くことが多かったが、年に数回華やかなパーティーに参加する職種であった私は、着替えずにそのまま着物やドレスでワイン会に参加することもあった。

 もちろんわざとだ。着替える時間があってもわざと目立つために着替えずに参加するのだ。


 その高身長男も「土曜も仕事だから」とスーツで参加することが多かった。そこにやられたのだ。

 しかも彼は、スーツの中にちゃんとジレを着ていた。そう、私は特にジレに弱い女。

 

 彼はデートにノリノリ。即OKしてくれた。


 当日、渋谷ハチ公前。秋の気持ちがいいお昼。

 私は女友達と彼を待っていた。

 現れた彼に、「今日は午前中友達と買い物をしてて。友達も一緒にご飯食べたいっていうから、いいでしょ?」というと、彼は「え。別にいいけど、夜は3人でするってこと?」と言った。

 まだお昼だし、何言ってんのこいつ。

 そもそも、いつやる約束なんてしたよ???

 「いや、何言ってんの?今日最初のデートでしょ?ランチして、ちょっとみんなでどこかぶらついておしゃべりでもしようよ!」

 私があきれたようにいうと、

「なんだ。じゃあ一人で抜いて来ればよかったな。」

と強烈な一言が返ってきた。


 友達に聞かなくてもわかる。こいつは無しだ。


ということで、ランチをしてから即解散。


 帰り道、友達がつぶやく。

「アレ、なに?」

 友達の中では、もうアレ扱いである。


 二人で爆笑した。むせるほどげらげら笑った。


 いやあ、超地雷だったわ。

 もちろんこの話はワイン会の女性たちにしゃべった。

 

 その中の一人があとでこそっと教えてくれた。

 「あいつ、変だよ。私も一回デートして、二度としなかった。」

 

 私たちの間に友情が芽生え、がっちり握手したのはいうまでもない。








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