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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
終章 打倒! 悪のヤドリギ!
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イケノくん戦!6



 僕と猛はならんで肉をむさぼった。

 焼肉だ。肉祭りー!

 美味い。美味い。

 肉肉肉。

 肉肉肉肉。肉肉肉肉。

 肉肉肉肉肉肉肉肉肉。肉祭りー!

 まだまだ肉。肉肉。肉肉。肉肉肉肉。

 肉肉肉。肉肉肉肉。肉肉肉肉。

 肉肉肉肉肉肉肉肉肉。

 肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉——

 肉肉。肉肉。肉肉肉肉。

 肉祭りー!

 まだ行ける。肉ー!


 おんなじ字ばっかり並んでると、ゲシュタルト崩壊起こすよね。


 兄弟で吸いとり続けると、なんとか肉にスキマができた。僕らは吸いとりながら室内へかけこむ。


「お待たせしました! 戻りましたよ!」


 みんなは……みんなは無事なのか?

 キョロキョロ見まわすと、控えの間に通じるドアがあって、みんなはそのなかに逃げこんで結界を張っていた。


「遅いぞ」と言いつつ、ワレスさんは冷静な目で僕の兄を観察している。

 すごい真剣な顔で見てるけど、たぶん、猛のステータスを見てるんだと思う。こんだけガッサリ、ステータス吸いとってるんだから、人間のステじゃなくなってるんだろうな。


「……とんでもない兄弟だな」


 兄弟だということも、読みとったらしい。


 そして、ためいきをつき、

「用意はいいか? 時間を戻すぞ? 開始直後、すぐに総額なげを使え。ヤツが戦闘不能になったら、すかさず、おれが髪ひとすじ残さず焼きつくす」と、ワレスさんは言った。


「待ってごしない」


 わりこんできたのは、アンドーくんだ。


「セイヤは……それじゃ、セイヤはどげなりますか? 死んでしまうだないか?」


 ワレスさんは冷酷にうなずく。

「ああ。死ぬな。だが、ほかに方法がない。ああなってはもう……」


 僕は考えた。


「石化ならいいんじゃないですか? 石化なら完全に動きが停止するし、体も残る。イケノくんを元に戻す方法が見つかるまで、石にしておくことができれば……」

「そうだな。石化なら」

「じゃあ、総額なげの効果が終わったら、ケロちゃんとシルバンで、それぞれ石化攻撃をしてほしい」

「ケロケロ!」


 シルバンは無言でうなずく。


 これで、今度こそ、やれるはずだ。


「では、戻すぞ」


 ワレスさんは例のごとくユイラ語でカッコよく、なにやら呪文を唱えた。

 いいなぁ。やっぱり、自己流詠唱可能も欲しいなぁ。


 すうっと景色が薄らぎ、青いオーロラの幕みたいなものに包まれたと思うと、僕らの前から肉塊が消えた。


 戻った!

 戦闘開始直後の時間だ。


 いやらしい笑みを浮かべるヤドリギと、蘭さんのお母さんが立っている。

 この瞬間から、すでにイケノくんの体は膨張し始めてたんだ。


 イケノくんの顔を見てると胸が痛む。

 ごめん。友達なのに、こんなことして。


 僕は心を鬼にして叫ぶ。

「傭兵よ——」

「待って!」


 急にひきとめられる。

 えーと? 蘭さんだ。


「傭兵呼びは全体攻撃技ですよね? それだと、母上も二億ダメージくらってしまう」

「所持金が二十億円しかないから、二千万ダメージだよ」

「それだって、ふつうの人間なら五億回も殺されるほどのダメージだ。母上にそんな苦痛をあたえるなんて……」


 そりゃそうか。

 でも、じゃあ、どうするんだ?

 ここまで来て、またさっきのくりかえしになってしまうのか?

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